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自分らしくお菓子作りができる、郷土と産地のありがたみーローカルフード通信(ル パティシエ マルコ)
ものづくりのまち、三条ではたくさんのつくり手たちが活躍しています。そのつくり手たちに焦点をあてる連載『まちのつくり手』。今回のまちのつくり手は1988年創業、田園風景が広がる三条市鶴田で洋菓子店『ル パティシエ マルコ』を営むオーナーシェフの関勉さん。生まれも育ちも三条市、家業であったお米作りのご経験をもとに手作りの農産物栽培や、三条産の果実を活用したお菓子作りにこだわりをみせます。今回、産地ならではのお菓子作りについて思いを伺いました。
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幼少期から家業の手伝いとして、お米づくりに勤しんできた関さん。農業高校卒業後は、青年期特有の東京への憧れから三条を離れ、北千住や銀座の洋菓子店でパティシエ修行を積んできました。お菓子の師匠にも恵まれ、順風満帆だった頃に父親から1枚手紙をもらい、地元に帰郷することを決心したそう。
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故郷である三条の野や山がお前の帰りを待っているーー
頑固であった親父からそう一筆書かれた手紙をもらい、(農家の)長男としての責務を果たすため、三条市に帰ってきました。帰郷後は子に恵まれ、4人の我が子を養うために農業を継ぎながらも、洋菓子店として独立。
お店が軌道に乗るまでの3年間は、本当に苦しい日々を過ごしました。ただ、百姓の倅でパティシエとしての歴史が浅い私にとって、地元の知人や同級生の支えがあってこそ続けられてきたため感謝しています。
ル パティシエ マルコを構える三条市鶴田は田園風景が広がり、角田山と弥彦山が望める自然豊かな地域です。関さんは、そこでパイ等に使用する米粉の原材料となるお米や果物などを育てています。
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大病を患った妻のために、化学肥料や食品添加物、農薬が極力使われていない材料でお菓子づくりをしようと考えたのがきっかけです。
しかし、理想と現実は違ってお菓子作りに欠かせない砂糖や卵、塩さえ安心なものに切り替えることさえ難しい。なぜなら、現在ほど求める材料は流通しておらず、仕入れ値がひと桁違うほど。最終的には妻の一言で決心できましたが、今振り返るとこうした取り組みを継続できて、ほっとしています。
安心安全な米粉やブルーベリー、キウイフルーツを自らの手で栽培しながらも、パティシエとしてル レクチェや梨、桃を始めとする産地の恵みを享受できる三条市に対して、郷土愛をより感じると関さんは加えて伝えます。
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都会の華やかさに目移りしたときもありましたが、田んぼで生まれ育ち、お店を始めてからは農家さんが作る旬のものに出会えて。人情の良さを実感できる今、故郷の良さを子どもたちにも伝えていきたいですね。
関さんは三条市立大島中学校の学生と共同で、大島地区で採れる果物を使ったお菓子づくりなど、郷土愛を育むきっかけを作っています。宝物が詰まっているという三条で、今日も時代にあったおいしいお菓子を提供し続けるのです。
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ル パティシエ マルコ
住所:三条市鶴田3丁目3−20
電話番号 : 0256-38-1263
Instagram:
編集部のひとこと
都会らしさを残しつつも田園風景もある三条市。ル パティシエ マルコの店内では、野山を眺めながら一杯いただくことができるカフェスペースを併設しています。
農家出身の関さんは、自家製で栽培した果物をお客様にどう届けたらいいのか、若いスタッフとも相談しながらお菓子づくりに専念します。地元の恵みに感謝しながら、目の前に広がる光景のありがたみを伝えていく。本日も出来立てのお菓子に思いを込めて。
SANJO PUBLISHING 制作部担当:水澤
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