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無機的な(日記)
先日、コンクリートの上で派手に転びました。
幸い近くに友達がいたおかげで外傷も心の恥も擦り傷程度に済みました。
コンクリートの質感は冷たく固く、人肌の柔さに対して頑丈すぎるように思えてしまいます。
(もっとも生活を守っていただいている訳ですが…)
柔らかな土の上だったら、無垢に転がることができるのに。
都会は無機質です。無機質の中で無機質なものが人の手で有機的に動いていて、息苦しくも洗練されている。
そんな街の中で、1人滑稽に転がった私はさぞ異端な存在だったと思います。
人はより洗練された動きを求められているのです。皆同じ動きを。
社会の中にいるとき、人が皆同じ思想を持ち、同じ能力を持ったらどれほど楽だろうと夢想します。
社会から外れたとき、皆違う思想を持ち、違う表現をすることがどれほど素敵なことか想像します。
事実人は決して無機的でないのです。
街の無機質から求められる理想は確かに重要ですが、それとは別に人らしく豊かな考えを持つことはとても崇高なことだと思います。
どうか自分らしくいる間は、擦り傷を得ることなどありませんように。
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