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読書好きだけど読めない

僕は本が好きだし、家の中は本だらけだし、暇つぶしは本屋さんが多いし、スマホの中にも読みかけの電子書籍が常にある。読書をするのは好きなのである。

しかし、本が読めないことがある。

理由はいくつかある。

一番大きいなと思うのは、集中力が続かないことである。まあ、そういう人はたくさんいるだろうけど、僕にはちょっとした理由がある。抗うつ剤。

僕はうつと診断されてからほぼ10年経つ。10年の間にはいろいろなことがあって、軽快はしたもののあいかわらず薬による治療は続いている。それでも量はかなり減らすことができて、今は寝る前に服むくすりだけになっているのだが、一日中どこかぼんやりとした、いつでも眠ることができるような状態だったりする。

普通の日常生活に支障が出るほどではないし、なにかやっているときに急に眠くなるというわけでもないのだが、読書をしようとすると眠りの方向にひっぱられてしまうことがある。難しい本を読んでいるときには特にそうだ。

まあ、難しい本を読んだら眠くなるというのは誰にでもあることで、ことさら問題にするほどのことではないと思うのだが、僕は難しい本を読むのも好きなのである。

読書好きという人でも、好きな本しか読まないという人は多いであろう。僕ももちろんそうなのだが、その好きな範囲がちょっと広いかもしれない。全く専門外の学術書でも読んでみるくらいには。

しかしそういう本を読み進むのはとにかく根気がいる。読むのに時間もかかる。しかも僕は本は隅々まで読みたいという欲求がある。これがふたつめの読めない理由だ。正確には読めないのではなくて読み進むのに時間がかかりすぎるということかもしれない。

みっつめは、読書以外にやりたいことがたくさんあることだ。これもみんな同じだと思う。仕事や家事やなんやかやで動き回ることが多いとき、本が読めないなあと思う。

僕はコンピュータに関する新しい技術に触れるのが好きなのでパソコンに向かって調べながらプログラムを書いたり、ソフトウエアのセットアップをしたりすることも多い。これが曲者で、ハマるとなかなか抜けられない。一日があっという間に過ぎてしまう。

夜遅くなって、読みかけの本が目に入るのだが、それでなくても傾眠傾向があるから日付が変わる前には眠りにつくことにしているので泣く泣く諦めて寝るということになる。

時間があるときには本を開いている。読んでいる。それでも本が読めないと思う。

ここまでくると一種の強迫観念かもしれない。

僕は本好きを名乗りながら、書評とか、読んだ本の感想などを書いていない。以前はそういうことをやっていたし、アウトプットすることも大事だと思うのだけれど、あるときからそれが目的になって本を読むというのが虚しいと感じてしまった。それ以来、純粋に本を読む。とりあえずそれに徹してみようと考えて読んだ本のことはあまり書かないようにしている。

読んでいるのに読めていない感じはそういうところからもくるのかもしれない。

今数えたら読みかけて並行読みしている本が5冊あった。読めない本を諦める。それができない。

馬鹿みたいだなと思いながら、読めないと悩みつつ、今日も本を読んでいる。

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