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初めて視聴したバチェロレッテに怒っている

友人があまりに「面白いよ」と勧めてくれるものだから、今シーズンになって初めて私は『バチェラーシリーズ』を観た。
男女逆転バチェラーこと『バチェロレッテ』だ。
バチェロレッテなる1人のセレブ女性が、彼女との交際を望む17名の一般男性から2ヶ月間の“旅"を通して1人の運命の相手を選ぶという番組。

私が見始めた時は既に5.6話が配信されようというタイミングだった。1話2話は合コンで牽制し合う男たちの図に既視感があって良かった。
人間性とか一切抜きにして喋りかけに行けない男や背の低い男がバチェロレッテこと福田萌子さんに選ばれずキッチリ脱落していて「そうそう結局お近づきにならないと良い人かどうかなんて見てすらもらえないのよ縮図縮図〜〜」と共感するなどしてた。

3話4話と見続けると、モチベーションの低さを見抜かれたり(そもそもこの段階でモチベーションの高い男の方がおかsいや何でもないです)人間性に欠陥を見せた男達が容赦なく脱落していく。
格好をつけた男達がポジティブ高身長女性に会話の矛盾や人間力の底を見抜かれバッサバッサと切り倒されていく中盤は痛快に思った。
好きな人にオリジナルの歌で求愛する手法、自己肯定感が高すぎて天井に頭を打った人しかできない所業だよなぁ。

で、いよいよ2人に絞られた男性から片方を選ぶ、という最終回。

ハイスペック中国人セレブの黄さんと、挙動と感性に癖のある心優しき画家の杉ちゃん。
私は挙動不審の童貞ムーブから感性豊かな口説き文句を繰り出す杉ちゃんが推しだったのでドキドキしながら観ていた。

そして屋久島で最後のセレモニー。
バチェロレッテこと福田さんは選択した。


「2人共、私の運命の人じゃなかった」


選択し、て、ない????
え???
私がテンパっている間に番組は終わった。
2人の男は屋久島の森に帰された(本当に)。
全然理解ができない私は脳を沸騰させて死んだ。
私は自分の理解度を少しでも上げるためスタジオに戻って最終回を振り返る回を観た。
スタジオに再度、17人の男性陣と福田萌子さんが登場し最終回を振り返る。

福田さんは
「これは私の旅だから」
「私は誰かを納得させるために選択してない」
「次に付き合う相手は結婚する相手と決めている」
様々な前向きな言葉で17人の男性が2ヶ月間かけて全員振られた理由を語っていく。
ここからちゃんと怒ります私は。

出ちゃいましたね、反吐。
最後にスタジオが「萌子さんらしい」「よく決断したね」みたいな空気になってるのを観てもう一度反吐。

ルールを破ってまで自分の気持ちに従う、というオチは大いに結構。場合によっては面白いよ。
でもそれなら
「あなたの挙動、やっぱり気持ち悪くて男性としては見られません」
「考えたんですけど中国の名字になるの嫌です」
「歌で口説こうとする人は面白さが勝っちゃうので無理です」
って言ってくれ。

福田さんが何を求めていてどんな基準で男を選んでいたのか、それぞれの男性がそれにどう沿わなかったのか、どんな人であって欲しかったのか。結局最後までわからなかった。

この企画は、過酷な企画の短い期間で1人の男性を選んで、その人との恋愛を試みるという企画だったはず。
2ヶ月間の旅の中、片手で数えられる回数の短いデートで結婚を検討する相手の本質を見抜けると本当に思ってるのか。

そもそもこの決断をした人は結婚をなんだと思ってるの?
「あ、この人いいかも?一緒にいて楽しい」
「こういうルールで生活してるんだ、私と全然違う」
「あーここ嫌だなー、直してもらえるかな」
「これをされると嫌なんだ、気を付けよう」
そんなすり合わせをお互いに繰り返して、違うルールで生きてきた2つの人生がぶつかり摩擦しながら少しずつ家族という1つの集合体を目指すのが結婚なんじゃないの?
まさか一切の擦り合わせなしに、切り分けた果実の片方のようにピッタリな相手を探してるの?どこの米津??

仮にそれが上手くいかなくてその期間が無駄になったと思うような日が来ても、それは恋愛関係の男女が平等に背負うリスクじゃん。男性側はみんなそのつもりのはずだよ。

次に付き合う人と結婚できるかは付き合うまでわからないのよ。
それを拒絶するのは「暗算で解ける問題しか解かない」って言いながら数学検定を受けるくらい無謀。
ありのままで生きるだけで運命の人が現れるのはディズニーの世界と女子中学生のポエムの中だけだよ。
そんな当たり前の恋愛感も持っていない人が『17人の男性からタイプの男一本釣り』という大離れ業に挑戦していたということ??

自分の考えを曲げない、
自分の気持ちに正直に、
自分の正しいと思う選択を、
ゼーーーんぶ大いに結構。
でもそんな真っ直ぐな自分が、惹かれながらも合わない部分を持つ男性に出会った時、自分がどこまで妥協できるか、相手にどこまで変わってもらえるかの歩み寄りを交際の中で行う気がない人が恋愛結婚をしようとすな。
お見合いしませんか!!お見合い!!!


あーーー。見事に批判欲求と共感欲求を満たすコンテンツを勧められてしまった。
次回も観るんだろうなぁ私は。

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