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映画「ザ・ウォッチャーズ」を見てきたけど

シャマラン監督の新作か!?と思いきやシャマラン監督の娘イシャナ・ナイト・シャマランが監督、製作にシャマランがいる感じのようです。とりあえず予告編を見てみると…

この予告がね、面白そう過ぎるんですよね。あまりにも面白そうなんです。
このあたりが予告編の功罪だと思うんですけど、予告編があまりにも面白すぎると実際に映画を見たとき期待よりもあんまり面白くなかったなとか思っちゃったりすることもあるわけです。もちろん、期待を遥かに超えてくる時もありますけどね。

ザ・ウォッチャーズは予告編を見たとき、「こちらからは見えないのに、あちらからは見える」という構造から、映画の登場人物たちの話なのかなとか思ったりしました。この予告編にも出てくる森のなかにある部屋は、映画そのものだと。映画に閉じ込められたキャラクターたちは、第四の壁で現実と遮られていて…みたいな。ちょうどレコーディングスタジオみたいですねこの部屋。

でも見てみると全然違いました。実はこれはクリーチャーホラーなんですね。予告編にも一瞬、リアリティショーを見ている主人公たちが描かれていますが、この部屋はクリーチャーたちのために用意された人類リアリティショーのスタジオなのです。そういう感じか〜〜!と逆に驚きましたね。

映画の見せかたとして、やっぱりクリーチャーの姿は明かされない状態で物語は進んでいきます。何か存在の分からないものがそこに "いる" ことは分かるけど、その姿形は分からないという、故に恐怖があるわけです。あの部屋のガラスはマジックミラーになっていて、クリーチャーたちがわらわら集まってきて音を出したり窓を叩いたりするんですけど、サウンドデザインの素晴らしさが際立っていました。キャベツとかを手で潰したりする音を加工して作っていると思うんですけど、ゾンビ映画みたいなグチュグチュした音じゃなくてもっと乾いた音で、カッコよかったですね。グチュグチュは生肉とか泥を手でグチャグチャすれば作れるんですけど肉感がすごいので得体の知れなさは無いですね。得体は知れています。私たちが知っている生物の延長線上にあるものだと分かるだけでも、恐怖は大分薄れると思います。

一方で乾いた音、何かの関節なのか触覚なのか、カチカチ、バリバリ、そんな音だと姿が想像できなくて怖いですね。想像外のものが一番怖いですから、ホラー映画としてめちゃくちゃ面白かったです。

それ故に、クリーチャーの正体が途中で明かされるんですけど、そのあたりから全く怖くなくなっちゃいますね。既視感があると思ったら、この前見たボーは恐れているとかも最後にお父さんの姿が明かされちゃうんですけどあれは結構笑えましたね。
主人公たちは色々あって森を抜けて街へ向かうバスへ逃げ込むんですけど、あのバスがまた森に迷って…みたいな展開かと思いきや、物語は意外な方向へ走り出していきました。あのバスがまた森に迷って…みたいなお決まりの展開も見たかったですけどね。

予告編からも分かる通り、映画の雰囲気はシャマラン監督作品にかなり近い感じです。楽しみの一つでもある、シャマランのカメオ出演が無かったのは寂しかったですけど、それはシャマラン監督の新作で楽しめば良いですからね。やっぱりあの壊れかけの蓄音機から白鳥が流れる感じみたいなのはテクニカル・シャマランという感じ。ちょっとテクニック的なんですよね。決して悪いことじゃ無いですけど、これからさらにオリジナルな要素が出てくるんだと思います。

シャマラン映画は予告編だけは面白いとか揶揄されることがありますけど、ちゃんと映画本編も面白いのでもっと多くの人に見られてほしいですね。もう多分だいたいのところで上映終わってると思いますが…配信でもちゃんと楽しめるので是非!

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