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映画「傷物語 -こよみヴァンプ-」を見てきたけど!!!!!!

いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!

この予告もまぁまぁ頭おかしいですね!!

傷物語がまた映画館で見られるなんて!!!幸せですね…。ありがたいことです。傷物語は物語シリーズ唯一の映画化作品で2016年あたりに公開されました。2016年!!!今からもう8年前ですね…。8年前?!??!

8年前、僕は傷物語を見たあたりでたしか高校を卒業したり大学に入ったりしていたんですが、あ、今思い出しました。たしかセンター試験が開催されるあたりで公開されたんです。センター試験の勉強そっちのけで傷物語のことばかり考えていたことを思い出します!!そういえば傷物語って2012年に公開予定だったんですよね。そこから何年経っても傷物語は作られず、シャフト完成遅れるあるあるネタの一つに数えられ、TVアニメはどんどん先へ進んでセカンドシーズンや憑物語、終物語まで飛び越えたあたりでようやく4年越しに完成・劇場公開されたのでした…。

物語シリーズはTVシリーズの段階でも他のアニメと一線を画していたというか、他のアニメなら手抜きだと批判されてもおかしくないぐらいの完全セリフメインのアニメに明朝体のセリフというか小説がそのままテロップで出てきたりそれが中二心をくすぐる旧字体だったり(黒みのコマに黑齣!!)もちろん嫌いな人や苦手な人もかなり多いアニメであったような気はしていましたが、やはりあの西尾維新の小説の感じをアニメ化するとなったら最もカッコ良くてガチっとハマる演出方針であったと思うし、それに加えてアニメスタッフの遊び心も存分に味わえちゃうアニメでしたよね…。それでいて戦闘シーンになるとびっくりするぐらいアニメーションしたりして!なぜか大量の自転車が整然と並んでいる駐輪場がかっこよく見えてきたりとか、とにかくそのような(?)中での傷物語 映画化です。なんか中二病が〜とか旧字体(旧學體?)が〜とか歯磨きが〜とか恋愛サーキュレーションをカラオケで歌っちゃうオタクが〜とか何から何まで全部吹き飛んでしまうぐらいの映画でした。

もし物語シリーズのアニメ化が超普通のアニメ化だったら?と想像するとめちゃくちゃ怖いですよね。そもそも学校とか家はめちゃくちゃ普通の家の間取りと見た目になって、キャラクターのデフォルメとかもせず、瞬きするとシャッターの音がするとかそういう奇抜なことを一切しない。セリフは長すぎるからどんどんカットして、あの独特な台詞回しを全部やめてストーリーに関係する部分だけで会話劇を作り直す。そうすれば不思議なデザインの公園でカットをどんどん切り替えつつコースターを漕ぎながら会話するキャラクターを描いたりしなくても良いし、やたらと机と椅子が多い異世界みたいな教室で会話する必要もなかったんですけど、たぶん超つまらないですよね。

物語シリーズのアニメは、ずーっと会話劇が続くだけではつまらなくなってしまいがちというデメリットを逆手にとって、それを「誤魔化す」技術の方をむしろ面白く仕立て上げる、つまり面白い画面構成、面白い編集、面白い音響効果にすることで、会話がずっと続いても見る人は緊張感を保ったまま、ドキドキワクワクしながら見ることができるようにしたアニメですよね。普通のアニメだとノイズになりそうなこと(旧字体のテロップが画面いっぱいに出るとか)をスタイルにしてしまって成功しました。傷物語はそんなスタイルを使ってもう一度新しいスタイルを作っちゃった映画でしたね。

そんな傷物語を8年越しでもう一度でかいスクリーンで見ることができるとは思っていませんでしたが、やはりこれは絶対に大きなスクリーンで見た方が良いですね。宮崎駿とも大友克洋とも新海誠とも違う情報量の多い画面。そしてなんと言っても音!正直8年前の映画を再構築したということですがもうどんな風に変えたのか全然分からないぐらい圧倒的な切れ味になっていましたね。やはり最初の羽川のスカートがめくれるところ、思わず涙が流れてしまいました。まさか8年前に見たときの衝撃を超えることになるなんて。全然わからない。全然わからないんですよね、あの映画がどうなっているのか。どうやってあのスカートがめくれる一連のシーンを組み立てて成立させることができるのか???理屈で考えても無理なのかもしれない。スピードが異なるコマが連続するが、それら全てが同じパターンで演出されているわけではない。紋切り型の手法では到底太刀打ちできない領域なんです。その圧倒的なクリエイティブが怖ろしくて堪らない。それで謎の涙が流れてしまったのかもしれません。傷物語 総集編なんて銘打っていますが、とんでもないですね。完全スーパーパワーアップバージョンだし、スーパーディレクターズカットとも言えるかもしれない。傷物語はどのシーンも凄まじいが、やはり阿良々木君と羽川翼が出会うところと、駅でキスショットと遭遇するシーンは伝説的だと思います。もともと物語シリーズのアニメは真似できない感じではあったのですが、いよいよ映画でそのもう一つ上の段階、真似とかじゃなくて全然分からない、オーパーツ的領域になってしまいました。物凄く何度も見たり1コマ1コマ何か研究したら分かるのかもしれないが、そんなことをしてもそれを自分の何かとして感受できる気がしない。ただ見ているだけでも身体が硬って堪らないのに、あの謎を解き明かすなんてきっと無理なんだろうなと思ってしまいます。

謎というのは別にどうして日本国旗がたくさん翻っているのかとか、どうしてオープニングが仏教っぽいテイストなのかとか、なぜ有名建築(丹下建築?)ばかりが選ばれているのかとかそういう意味深な謎は置いておくとして、、傷物語は全くの謎、今まで見たことがないような演出のオンパレードなのに、どうしてエンタメとしても楽しめるのか。ここが一番怖いところです。奇抜なことをやればやるほど誰にも楽しめない芸術映画みたいになってしまいそうなのに、ちゃんと物語シリーズとして、羽川翼のパンツを、ロリのキスショットを見に来たでございみたいな自分のような観客にも楽しめるように作られているのが信じられない。まさに絶妙なバランスが保たれているという訳なんですね、、、

傷物語3部作は見るのが結構大変でしたが、今回ディレクターズカットによって完璧に一つにまとめられて、ありがたいことに全国の大スクリーンで見ることができる状態です。出来たらあと1回ぐらいは見に行きたいと思います!

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