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映画「マッドマックス:フュリオサ」を見てきたけど

ついにマッドマックス:フュリオサを見てきました!
マッドマックスの魅力はなんと言っても次々と出てくる乗り物の面白さですよね。これは前作マッドマックス:怒りのデスロードの前日譚になっているんですけど、正直ストーリーがどうでも良くなるぐらい乗り物が楽しいです。

小さい頃「はたらくくるま図鑑」的な本を誰でも一度は読んでワクワクすると思うんですけどこれは大人向けの「はたらくくるま図鑑」ですよね。正確には気付いたら大人になっちゃった子供向けの、というべきか、とにかく少年の心を思い出させる無駄なかっこよさに溢れているんですよね。あのとにかくデカくてグォォォンッ!と唸りを上げながら猛進するトレーラーとか本当に馬鹿みたいで最高です。もしまかり間違って荒廃した日本が舞台のスピンオフ・マッドマックスが制作されてしまったらV8エンジンを積んでいるイカつい霊柩車とかが出てきてほしいですね。

ドライブ・マイ・カーは自動車の走行音を心地よく聞きながら見るヒーリング・ムービーでしたが、マッドマックスは狂気のエンジンサウンドを聞いて血湧き肉躍る映画ですね。バラエティ豊かなエンジンサウンドを聞いているだけで楽しい。エンジンサウンドは一定になったらおしまいの音です。シフトチェンジで高回転の音が低回転の音に切り替わってトルクが出てくる感じを表現したり、バイクの高回転なサウンドと重厚なトレーラーエンジンサウンドのクロスフェードが続いたり、音がまさに踊っているのです。音があの楽しい乗り物たちの声のようなもので、乗り物たちのキャラクター付けに一役買っているというわけです。そう、この世界では乗り物はキャラクターなんですね。カーズみたいに顔はないし喋りもしないけど、馬鹿みたいな見た目の個性的なキャラクターたちに劣らぬほど生き生きとしています!

そんなわけで楽しいなぁと思いながら映画館で見ていたんですけど、途中でトレーラーが制作される様子がタイムラプスで表現されていて爆笑してしまいました。結構不意打ちな演出だと思うんですが誰もあまり気にしていない感じがします笑
僕はなんだか突然新海誠のアニメ映画を見ているような気持ちになって面白かったです。あのワイルドな世界にいきなり自動車メーカーの「マッドなトレーラーが作られるまで」というYouTube動画がインサートされたような面白さでじわじわきてしまいました。

あとこれは絶対的にこの作品を決定づける要素として言わなければいけない、フュリオサ幼少期を演じた子役 アリーラ・ブラウン についてです。

これが大変名演でして、あの荒廃した世界でこんな子供がいたとしたら、それはもう誰が見ても、あの悪役にとっても、ガソリンよりもエンジンよりも高貴なものとして映るだろうということが分かる、素晴らしい役者でした。

あまりにもカットが決まり過ぎていると思っていたら、なんと所々でAI補正されているそうです…。まぁこれはハリウッドでは今に始まったことではないですけど、技術の進歩は凄まじいですね。そろそろ出演料が無料のAI名優が誕生する頃合いですね。それにしても、元々美しい子役なのにさらにAIで補正するってどうなのかな。もちろん、AI補正しなくても十分美しいカットを撮ることができるんでしょうけど、こっちの方が効率的に良いカットを作成できるのでしょう。そうすればコスト削減にも繋がって良いこと尽くめ。ハリウッドの映画はますます均一化へ向かっているんだなあと思います。

たのしい大人向けくるま辞典として、ぜひ心をからっぽにして映画館で見たい一作です!

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