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「0315fri-4日目 静かなる隣人たち」潰瘍性大腸炎入院日記#9

ついに追いついた!(これを書いているのは16日です。

今日からステロイドの量を少し減らすそうだ。

大部屋に移動して3日、徐々に隣人たちの人となりが見えてきた。特に直接会話を交わす雰囲気でもなく、自分の方もどちらかといえばコミュ障寄りの内向的な人間なので積極的に接触を試みる訳でもないので、カーテン越しに漏れ聞こえてくる内容からの推測だ。

暴言老人エノモトさん

まずは暴言老人エノモトさん。大部屋に来た初日、「喋ってないで早く仕事しろよ」「早くやって行けよ」と看護師に暴言を吐いていた。その第一印象ですっかり偏屈暴言老人の悪いイメージがついていたが、その後の他の看護師への対応を見ていると、愛想こそ良くはないものの普通の対応をしている。単純に相性が悪かったのかとも思ったが、暴言を吐かれた例の看護師が次に訪れた時には特に目立った反応もなかったので一時的に調子が悪かっただけのようだ。何やら痛み止めを投与しているらしいので、癌か何かで暴言を吐いていた時は痛みでついあたってしまったのかもしれない。そういえばお正月用の花がつおのお得用パックほどの大きい点滴を2つもしていて大変そうだ。

一度奥さんと息子さんが見舞いに来ていたが、アパートの家賃をちゃんと払いなさいよだとか、国保の方を払ったからこれで申請ができるだとか、お財布事情やら別居か離婚かしてるのかな的な会話が聞こえてきてそれ以上聞くのが申し訳ないのでイヤホンをはめて音楽を聞き始めた。

すっかり暴言老人から悲哀の漂う老人へと印象は変わってしまった。

その他普通の人たち

あくまでも普通の、対応もまともな人たち。大体ポリープをを取ったとかの軽い手術で短期入院っぽい。絶食点滴生活の自分にとっては、ご飯を食べられる憧れの存在。一人、ズボンを脱ぎ履きするときに引っかかる的な会話をしてた人がいたので人工肛門とかなにか器具をつけているのかもしれない。

マスコット的存在ワタナベさん

ワタナベさん。ちょこれーとが大好物の、ほぼ要介護の状態のような老人。目が行き届くようになのだと思うが、彼だけ何時もカーテン全開だ。看護師の声がけに反応があったりなかったりするが、たまに帰ってくる回答が子供のような感じなので可愛く、皆に愛されるマスコット的な存在になっている。

看護師「もうごはんはおわりでいいですかー?」

ワタナベさん「…」

看護師「ごはんいらないのー?」

ワタナベさん「ごはんいやなぁいー」

看護師「はい、わかりましたー」

ワタナベさん「ちょこれーとちょうだあい」

看護師「はいはい」

ワタナベさん「おっぱいおおきぃねぇ!」


突然鈍器で襲いかかってきたような不意打ち。

カーテン越しに聞いてて吹き出したよ、ヤマモトさん。

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