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「0314thu-3日目 ヒマに効く唯一のクスリ」潰瘍性大腸炎入院日記#8

大部屋の夜は、思っていたほどは騒がしいことはなく、寝息やいびき、胃腸病院なのでトイレに立つ音、あとはたまに聞こえる寝言程度で心配したほど酷いということはなかった。

一晩の短期の入院らしき老人が何やら寝言をかなり明瞭に繰り出す。

「レフトもにゃららら」

「レフトもにゃららら」

「レフトもにゃららら」

何の用語だかは判らないが、横文字だ。昼に聞こえてきた情報によるとゲートボール好きらしいのでその掛け声的なものだろうか。

「6000万!」

「9000万!」

「6000万!」

単位は判らないが、かなりの数値だ。ドラゴンボールだったらナッパを上回る戦闘力だし、ワンピースだったら億超えまでは行かずともそこそこの懸賞金なので、若いときは名の通った海賊だったのかもしれない。

どの道自分の方は消灯の9時には直ぐに慣れるはずもなく、ベッドで携帯を眺めていたのだが、夜中唐突に昨日の気付き以上のいい事を思いついた。

"そうだ、入院日記書けばいいじゃん!"

ただ絵を書くよりも目的あったほうが捗るし、似た境遇の人の参考になるかもしれないし、前からnoteになにか書こうと思ってたからちょうどいいや。

"潰瘍性大腸炎は字面がアレなので海王星大鳥園にして、ちょっと素敵なイラストでも入れてSF的なテイストにしたらいいかも!マジイカス!"(←ステロイドでハイになってる)

ということで起床時間を待ち、早速ユーザー登録をして書き始める。書き始めると結構過去から書くべきだと思い、なかなか日記に辿り着けない。ipadが手元に届くまでに、絵を書く時間を取るために書き溜めておきたいし、早く日記の方に追いつかないと記憶が薄れていく。

てな感じで急に追われる感じになって、ちっとも暇じゃなくなった。取引先や同僚に気を遣う部分を除けば、仕事並みのテンションだ。

だがこれで入院生活、退屈せずに戦っていけそうだ。

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