DOMINION MENAGERIE ボーナス・プレビュー

ドミニオン新拡張 "MENAGERIE" のボーナス・プレビューが始まりました。これらのカードはまだ DOMINION ONLINE で遊ぶことができないため、実際にプレイしてみての感想というわけにはいきませんが、初見時の雑感について記しておこうと思います。

WAY OF THE CHAMELEON

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「+カードを引く」と「+金」をひっくり返す WAY 。七度見くらいしたよね。これをアクションカードをプレイするたびにそのカードに適用するかどうか決められるってマジ?
たとえドミニオンのカードを今1から作り直したとしても、研究所を4コストにするなんてありえない話なわけです。逆に「+1アクション、+2金」というアクションはまあ3コストか4コストですよね。つまり、これはそういうヤバイ WAY です。
これが出ているサプライは、今までの常識が通用しないドミニオンになることでしょう。(と言いつつも、実際そうなるかは結局サプライによるので、こういうの断定口調で書くのあんまりよくないなぁという顔)

WAY OF THE RAT

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全てのアクションカードに自己増殖機能を持たせる WAY 。暗黒時代のネズミのセルフオマージュでしょう。
宮廷だろうとならず者だろうと自己増殖するようになるのは強力、と見せかけて、 WAY OF THE RAT として使うということはそのアクションを使うのを1度放棄するということなので、強力なアクションほどこれで使うかどうか悩ましい場面は多そうです。
これがある場では、1金で1枚獲得できるということでもあるので、3山への警戒もいつもより高めておきたいですね。

VILLAGE GREEN

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The Barge Village と説明されている通り、現在か次のターン開始時に村。4コストの村+αの中には、+αが活かせるサプライでなければ単に4コストの村になったりするカードもありましたが、このカードはとりあえずリアクションが活かせずとも、持続することでコンボの安定性を高めることができます。
ターン開始時に村を引かない事故を回避できるのは勿論のこと、村だけを固めて引いてしまいターミナルアクションが複数沈んでしまう事故に対しても持続させることで対応できますね。
これだけでも優秀ですが、リアクションも非常に優秀。ハンデス耐性としては勿論ですが、地下貯蔵庫や倉庫のようなルーターで捨てても構いませんし、馬商人や学者で捨てればアクション権を消費しないアクションのように使うことも。コンボとの相性の良さ無限大という感じ。
これまで最強の村(村人は除く)といえば、漁村と吟遊詩人でツートップという印象でしたが、これはそれに並ぶ第三の最強の村となりそうです。

あと、気づいていなかったのですが、 Exile マットから捨て札にしたときもこの効果をリアクションできるという裁定が発表されています。つまり、 BOUNTY HUNTER で坑道を追放しておいて、坑道を獲得して捨て札にすると金貨がざくざくと。
まだ追放カードは全て発表されていないので、これから発表されるカードによっては、これらのリアクションを用いたトンデモムーブも出てくるかも知れませんね。

ALLIANCE

ティザー情報として何枚かのカード・テキストの一部が公開されたとき、次のようなものがありました。(という書き出しから始まるということは本日公開されたカードのテキストであったということです)

"province, a duchy"

どのようなカードを想像しましたか? 最も安直に予想するなら「属州、公領(、+α)を獲得する」といった効果でしょうか。しかし、それはないと思いました。だって、別に面白くないし。
帝国で属州+9VPを獲得する「制圧」というイベントがありましたが、属州+公領だけでは二番煎じという感じが否めません。また、9点行動に対してコストをどう設定するのかというのも意外と悩ましい問題です。
なので、追放マットに属州、公領があることを参照するアクションカードとかかな?と予想していました。
ということで本日のボーナス・プレビューをご覧あれ。

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ヤケクソか~? いやしかし確かに、金銀銅も獲得することで、二番煎じ感の否めない面白くないカードという印象は受けなくなっています。
11金で10点という植民地ってカードがあるんだけど?という気もしないではないですが、勝利点3枚がデッキに入ることを考えれば、単純比較できるものでもないでしょう。金銀銅だって必ずしもデッキにとって嬉しいカードというわけではありません。
ステロをする分には、9金病で明暗の分かれるイヤ~なイベントに見えそうですが、コンボだと、10金1購入で10点というコスパは破格だが6枚ものノイズをデッキが受け入れるのは難しい、といった悩ましいイベントになりそうです。
そういえば、金銀銅を獲得するということは、デッキの出力が6金上がるということですね。もしかすると、10金でまずこれを購入して、次に10金+6金で属州2枚を買う、というコンボデッキの動きを想定したデザインになっている……?

GAMBLE

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君なんか TOIL とデザイン被ってない? まあ調整する内に似たデザインになってしまったのかも知れませんが。

デッキトップを公開して、プレイ or 捨て札。戻すことはできないので占術のように使うことはできませんが、デッキに次のターンプレイしたいカードが残っていなかったり、密偵アタックや中庭でデッキトップが分かっているなら、不要牌を弾くのに使えます。
また引き切りデッキなら、カードを購入してからこれを買えば即座にプレイすることができますね。改築、工房、アタックカードなどをプレイできると良い感じ。

まあ、あんまり「ギャンブル」っぽくはないですね。勿論、ギャンブルっぽく使うこともできなくはないですけど。

CAMEL TRAIN

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勝利点でないカードを追放する。なるほど。で、回収手段は……? 線の下にも何か効果が書いてあるな、なになに。獲得時に金貨を追放する。なるほど。で、回収手段は……?
ああ、購入(や他の手段での獲得)すれば、 Exile マットから戻ってくるんでした。

ということで、勝利点でさえなければ何でも獲得できるけど、他の手段でも獲得しないとデッキに入ってこない工房系の新カードです。
3コストで何でも獲得できるのは破格の性能ですが、これ自体はお金を出さないアクションであるため、高コストのカードを追放してもデッキに入ってくるのは遅くなることでしょう。勿論、序盤から高コストのカードを追放しておくことで、購入できるまでデッキが成長した段階で一気に複数枚がデッキに入ってくるという動きは強そうですが、皆が同じことを考えた結果、獲得前に追放したカードの山がなくなってしまうと、もはや普通の手段では回収できなくなってしまうことには留意が必要です。
そうなると、お金が出ずとも回収できる高コストのカードと相性がいいということになるでしょうか。負債というかたちでコストを後払いできる、市街や大君主のことですね。また、 WAYFARER のような「奇妙なコスト」のカードが MENAGERIE にはあるので、カードによってはそれらを集めるのも強いかも知れません。

追放を経由するので、獲得時にデメリットのあるカードを集めるのにも使えるかも知れない……と思いましたが、そもそも獲得時にデメリットを持つカードって少ないんですよね。失われし都市や呪われた村は実際集めたいカードですから、一考の余地はありそうです。
後は、オベリスクや果樹園などで、得点にはなるけどデッキには入れたくないカードを集めるのにも使えるかも知れません。

WAY OF THE HORSE

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カードの雑感の前にちょっとルール確認。

ということで、全てのアクションが HORSE になります。というよりは、ルネサンスの実験になるという方がイメージしやすいですね。
コンボデッキで、余った金量で実験を買うことはあっても、毎ターン実験を何枚も買い直すループというのはあまり作らないと思うので、 WAY OF THE HORSE があるからといって、安いアクションをバンバンこれで使うために買う、ということはしないんじゃないかと思います。
実験は回転力を重視して序盤から買うこともありますが、これで使うつもりでアクションを買っても、実験は2枚獲得するのに対し、多くのアクションは1枚しかデッキに入ってこないので、やはりコスパは悪そうです。
役割を終えたカードに退場してもらったり(礼拝堂、香辛料商人とか)、獲得時についてくる邪魔なカードをこれで使ったり(死の荷車、石工、暗躍者とか)、そういった使い方になるでしょうか。

あとは、あらゆるアクション・カードがサプライの山に戻りうるので、3山切れでの終了を目指す場合は少し気をつけてもいいかも知れません。まあ、枯れるようなカードを3山終了回避のために WAY OF THE HORSE で戻して勝ちの目が残っているパターンって少なそうですが……。

ちなみに、相続があれば屋敷が研究所に早変わり(エラッタにより、屋敷自身が相続したカードになるのではなく、相続したカードを脇に置いたままプレイする効果に変わっています!)。相続できるアクションが弱いという悩みがあるサプライも、これ1枚で解決(?)です。
あっ、屋敷を WAY OF THE HORSE で使わないように気をつけて……屋敷によってプレイされるカードを WAY OF THE HORSE です……。

WAY OF THE PIG / WAY OF THE SHEEP

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WAYS の多くはシンプルなものだ、ということで、1枚だけ公開するのもということか、2枚のシンプルな WAYS が公開されました。
うーん、これ感想いる?

礼拝堂のような仕事を終えたアクションにも役割を持たせられる……のはそうなんですが、別におそらく多くの WAYS で同様のことが言えるんですよね。( WAY OF THE RAT のような WAY だとできませんが)
WAY OF THE SHEEP の方は、今まで5金を出すために初手で銀貨を買わざるをえなかったサプライでも、銀貨を買う必要がなくなるというのは、なるほどと思いました。

STAMPEDE

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5金払って、次の手札が馬5枚。 WAY を選べば馬を温存することもできるかも知れませんが、ひとまずおいておいて、全て使えば手札10枚でインスタント策士です。
場のカードが5枚以下という条件はありますが、5金という金量は、銅貨5枚、ドロー・カードと銅貨3枚銀貨1枚、1金キャントリップに銅貨4枚などなど、無理せず5枚以下で出せるので、まあコンボに悪用させないよくらいの条件でしょう。

増えた手札で何をするかですが、鍛造や伯爵や墓地で圧縮したり、支配や宮廷や石工+国境の村のような高コストカードにアクセスしたり、まあお好きにという感じ。
1ターン実質的にパスする分、しっかり次のターンにデッキを成長させるプランを見すえて買いたいところです。

CARDINAL

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山札廃棄アタックの追放版。騎士特有の相討ちがないことを除けば、デイム・シルビアですね。既存の山札廃棄アタックと違い、追放されたカードは買い直せば戻ってくるわけで、そこまで影響力の高いアタックではない
わけないだろ! いい加減にしろ!
2枚めくるので、皆で打ち合っていると序盤から3、4コストのカードがばんばん飛びます。買い直していても、ばんばん飛びます。そうやって買い直している間に山が枯れると、もう戻す手段はありません。
だいたい4コストの騎士だと思います。

幸いにも追放するだけなので、特殊勝利点に対する圧力がないのは既存の山札廃棄アタックと最も違う点ですかね。公領公爵で公領が廃棄されたり、品評会や博物館で種類が減ったり、他には街道などのコストダウンを絡めて属州を廃棄するコンボなんかとも、このカードは無縁です。

もし4人戦でこのカードを打ち合う展開になったら、打ち合うのは他の3人に任せて、自分はひたすら銀貨を買うというのもアリかも知れません。追放されるカードの種類が散るより、銀貨ばかりが追放されてくれれば、1購入で全部戻すことができます。
そこから高コストのカードを買うにしても、複数枚買えるカードを買うことを意識するのが重要になるかも知れませんね。

DESPERATION

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インスタント呪われた金貨。
初手から高コストカードにアクセスすることができますが、呪われた金貨を使ったことがあるなら知っての通り、初手で呪いを受け取ると2巡目の底が3枚になり、せっかく購入した高コストの王国カードが沈む確率も上がるので、本当にそれがベターかはよく考えた方がいいでしょう。
呪われた金貨の場合は、使わない選択をすると初手が4-2だとか3-3だとかで苦しいこともありましたが、このイベントは買わなければいつもどおりの初手です。
勿論、初手でなくとも、2巡目、3巡目に更に高コストのカードへのアクセスも容易になるわけで、序盤の選択肢が非常に広がる難しいイベントに思われます。

また、影響があるのは序盤だけではありません。借入の+1金も7金病には大変よく効くイベントでしたが、これは+2金してくれるとなると、もはやあらゆる戦略が事故とは無縁と言えます(デメリットは一応あるのでやや誇張表現ではある)(あくまで金量面の話でアクション事故は知らなーい)。
早い戦略の見極めが一層重要となり、そういう点でもサプライを難しくするイベントになることでしょう。

(20/03/18追記)
MENAGERIE ルール・ブックが公開され、全カードが明らかになったので、プレビューで紹介されなかったカードの雑感記事を書きました。
続きはそちらで!

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