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NBAデイリーレポート(12/11, WED)

今日のデイリーレポートのメニューです。

  • ヒートがジミー・バトラーのトレードにオープン

  • ブランドン・イングラム最新情報

  • カワイ・レナード、復帰間近

  • 【記事】NBAの不戦ウィーク


ヒートがジミー・バトラーのトレードにオープン

ESPNのシャムズが「もしオファーが正しいものなら、ヒートはバトラーへのオファーを聞く事とトレードをする事にオープンだ」とレポートしました。

バトラーはヒートでレギュラーシーズン65試合(賞を取るのに必要な最低出場試合数)以上出場した事がなく、チームプレジデントのパット・ライリーはバトラーとの契約延長について「私たちにとって、毎晩出場して頼れるような人でない限り、そのようなリソースをコミットするのは大きな決断になる。それが真実だ。」と話していて、バトラーが抱えている健康問題を懸念していました。35歳の選手との大きな契約に躊躇するのも理解できます。

ただ、ライリーはバトラーのトレードを検討するか関しては、ハッキリと「No」と言ってたので、これは新たな展開だと言っても良いでしょう。

ここまでバトラーのトレードの噂があがるのは、彼の契約が終わりに近づいているためです。バトラーは来年の夏に$52.4Mのプレーヤー・オプションを取り下げてフリーエージェントになる事ができます。すでにバトラーのエージェントは、彼は夏にオプトアウトするつもりだとチームに伝えているそうで、バトラーにとって最後の大きな契約のチャンスを最大限に活かそうとしているようです。

また、バトラーのエージェントは、バトラーが故郷のテキサスの2チーム(ロケッツとマヴス)とウォリアーズのようなチームへの移籍にオープンだと示唆しているようです。ロケッツのGMのラファエル・ストーンはシーズン中のトレードについて「話は聞くのが仕事なのでオファーは聞くが、私たちは何かを変えるつもりはない。今シーズン何かが変わるとしたら、私はショックを受けるだろう」的な事を言っていますし、ウォリアーズとジミーの$48Mのサラリーに最低4人出さなければサラリーマッチできない上に、ファーストエプロンのハードキャップのため、その可能性は限りなく低い状況です。マブスも同じような状況です。

そう考えると、これはバトラーのエージェントのレバレッジプレーで、少しでもヒートとの交渉で大きな契約金を引き出すためだと思われます。逆に言えば、ヒートとの契約延長を優先しているとも言えます。

しかもバトラーは12/6にマイアミにBig Face Coffeeの店舗をオープンしたようですし、本心はマイアミに残りたいのではないでしょうか。

ちなみに、マイアミ・ヘラルドのAnthony Chiangによると、ヒートは夏にバトラーをFAで失うことを心配していないそうです。もしバトラーが他のチームへの移籍を選んだとしても、優勝候補になるようなチームにはキャップスペースがないため、最終的にはヒートの助けを借りてサイン&トレードをするしかありません。仮にバトラーが出て行ったとしても、ヒートには何らかのリターンが入ってきます。


ブランドン・イングラム最新情報

来年フリーエージェンシーになると聞けば、真っ先に思い出す選手はバトラーではなくブランドン・イングラムではないでしょうか?

続いてもシャムズのイングラム情報です。

イングラムは夏の契約延長交渉で年間$50Mを求めていましたが、ペリカンズは彼の現在のサラリーである$36Mよりも少し上の金額をオファーしていたそうです。

ペリカンズは、すでにイングラムのキャップホールドなしで来年のサラリーが11人でおよそ$168Mです。タックスまで$19Mしかなく、タックスを払ったことのないペリカンズにとってイングラムに$37Mをあげるだけでも大きなコミットメントになります。もし、イングラムに$50Mを与えるなら、CJ・マカラムの$30Mをリターンなしでダンプする必要があり、それも夏にならないとできません。

ペリカンズにとっては、来年の夏のイングラムのFAよりも、デッドラインで今年のタックスの$2.1Mを抜け出す事が優先されます。本来はイングラムのトレードでタックス回避ができれば良いのですが、彼の求める高額の契約延長を良しとしてくれるチームは出てくるのでしょうか?もちろん、たった数ヶ月のイングラムのサービスのために、有望な若手や主力選手をトレードしてしまう事はありません。かなり厳しい状況です。そのためか、シャムズによると、ペリカンズはイングラムと契約延長するよりもトレードする可能性の方が高いとの事です。

イングラムからすれば、キャップスペースのないフリーエージェンシー市場に出ていくことは避けたいはずです。そのため彼は今、1+1のような短期的な高額契約を狙っていると言われています。ペリカンズがそうするためには、マカラムを契約が切れる選手とトレードするしかないような気もしますが、どうなるのでしょうか。なんとしてもタックスから抜け出したいペリカンズと、なんとしてもFA市場行きは避けたいイングラムの駆け引きが続きそうです。

他にもシャムズのレポートはあるのですが、また折を見てトレード情報をまとめたいと思います。


カワイ・レナード、復帰間近

クリッパーズのヘッドコーチのタイ・ルーが、スティーヴン・A・スミス・ショーにゲスト出演して、カワイ・レナードについて話したことが話題になりました。

ルーは、スミスから重要な時にほぼ出場できないスーパースター(レナードのこと)の対応はどんな感じなのか聞かれ、次のように答えました。

「彼にとって、それがフラストレーションがたまる部分なんだ。彼はコートに立ちたがっているし、毎晩プレーしたがっている。ただタイミングが悪いだけなんだ。『よし、プレーオフに進出した、もう出たくない』と言ったわけじゃないんだ。きびしい日も、きびしい夜もあった。私はカワイと話したが、カワイはほぼ泣きながらチームを失望させた気がすると話した夜(複数形)もあった。でも、ケガに関してはどうすることもできない。彼は毎日コートに立つためにとてもハードに取り組んでいる。ただ運がなかっただけだ」

レナードは感情を表に出さず、あまり多くを語らないため、「試合に出られないことなんて気にしていない」ように見えてしまう事もありそうですが、実はチームに貢献できていない事をめちゃめちゃ気にしているのがわかりました。ちょっと感動ですね。

ルーは続けます。

「ある日は35点とったけど、次の日は出場しないとか聞いた事があるけど、それは故意にやっている訳じゃないんだ。この男は毎日ハードに練習している、スティーヴン・A、ウェイトルームでも、コートでも、自分のゲーム、すべてだ。毎日だ。だから私は悲しいんだ。私は彼がどれだけ努力しているかを見ているし、私たちの選手たちも彼の努力を見ているし、球団もそれを見ている。それなのに、いざ試合になった時に彼が出られないのは本当に残念だ。多くの場合、それは私や球団の判断だ。『カワイ、あなたの状態は40%くらいだ。無理に出たらさらに悪化させるだけだ』と言わなければならない時があるんだ…彼が試合に出られないのは、努力が足りないからじゃない。彼が出たがっていないからじゃない」

ESPNのデイヴ・マクメナミンによると、そんなレナードも2週間以内に復帰できるようです。これは1週間前にThe Ringerのビル・シモンズが「クリッパーズにいる友人が私に、カワイはクリスマス前に戻ってくると言った。私は彼がランプアップしていると思う。彼はランプアップして出場する準備ができている」と言っていたタイミングと重なり、かなり信憑性が高い情報です。

気になる復帰の日程ですが、クリッパーズは12/22~24までロードゲームで、その後はホームでのウォリアーズ戦になります。12/24のグリズリーズ戦の次は28のウォリアーズ戦と3日空くので、グリズリーズ戦での復帰になるのではないでしょうか。いずれにしても、カワイ復帰でスターティング・ラインアップやローテーションも変わってきます。クリッパーズがどのようにアジャストしていくのか楽しみです。


最後に、元グリズリーズのバスケットボール・オペレーションのVPだったThe Athleticのジョン・ホリンジャーが、この時期にフロントオフィスはどう動くのかを書いた記事がおもしろかったので紹介します。

NBAの不戦ウィーク

NBAの不戦ウィークへようこそ。正式には誰もそう呼んでいないが、実質的にはそれに近い。月曜日から、多くのチームが10日間で2試合しかなく、休養や回復、さらには実際のコート練習の時間を得ることになる。

これはNBAカップのスケジュールによって生まれた新しい現象だが、リーグの新しいメディア契約によってカップの開催がシーズン後半に移る可能性があるため、これが最後になるかもしれないのが残念だ。実際、この時期はミニブレイクを取るのに最適なタイミングだ。理論上の「シーズン中間」であるオールスター休暇は実際にはシーズンの約3分の2が過ぎたところで行われる。日曜日までに、ほとんどのチームが20試合以上を消化していて、22試合から26試合をこなしている。

つまり、みんなが少しの休息を必要としているということだ。それに加えて、フロントオフィスにとっても現状を把握するのに絶好の時間だ。NBAの試合が少なく、スカウトする価値のある大学試合もほとんどないため、チーム全体が集まって何がうまくいっていて何がそうでないのかをレビューし、トレードシーズンが近づく中で進むべき方向を決めることができる(夏に契約した多くのフリーエージェント選手は12月15日からトレード可能になり、新しい可能性が開ける)。また、リーグの最新鋭のタージ・マハル風の練習施設につくられた超モダンなカンファレンス・ルームに侵入し、新しく導入されたテクノロジーのおもちゃで遊ぶ絶好の機会でもある。

ほとんどのフロントオフィスは内部レビュー(または「チェックイン」、その他の球団専門用語)を10試合ごと、または20試合ごとに行っている。しかし、スタッフやコーチがあちこちを移動し、20試合目が21試合目のほんの数時間前に行われることが多いため、通常は少し急ぎ足で行われることが多い。

今週はそうではない。このような会議では、ロスターの細部(「10デイ契約のシーズンまであと27日!」)についての議論が必然的に含まれるが、大局的な視点も考慮される。自チームの状況や29の潜在的なトレードパートナーの動向などだ。

大物が市場に出るのか?


これがすべてのフロントオフィスが抱える最大の疑問だが、とくにオクラホマシティー、メンフィス、ヒューストン、ゴールデンステートといった場所では特に重要なテーマだ。これらはウェスタン・カンファレンスでトップ5に入るチームのうちの4つで、しかも適切なスター選手が市場に出た場合、大型補強を狙えるだけの資産をまだ手元に残している。

ヤニス・アデトクンボが、「まあまあ」レベルに落ち着いてしまったミルウォーキーバックスに不満を感じる時が来るのか?マイアミ・ヒートが、.500(勝率5割)のラインを抜け出せない場合にジミー・バトラーをフリーエージェント前に放出して資産に変える決断を下すのか?ケビン・デュラントが、フェニックス・サンズが十分ではないと判断し、より良い環境を求めることになるのか?もしデュラントが移籍するのであれば、ドミノ効果でデヴィン・ブッカーも市場に出るのか?

歴史的には、こうしたリーグを揺るがすレベルの動きは夏に起こることが多い。しかし、チームが事前に調査を進めて準備を整えることを妨げるものでもない。この1週間、会議室に集まるホワイトボードだらけのブレインストーム、テイクアウトされたランチとコーヒーがリーグの中心となる様子を想像すると、少し感慨深くなる。特にコーヒーが重要な部分だ。

今週のスケジュールは、ほぼ完璧な偶然の産物だ。これが来年なくなってしまうかもしれないことに、誰もが少し寂しい思いをするだろう。

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