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カイリー・アーヴィンのトレード要求について

シャムズが「ネッツのオールスターのカイリー・アーヴィンがトレード要求をした」と爆弾を投下しました。なんと、KDが膝のMCL捻挫をして欠場している間に誰かがトレード要求するのはこれで2年連続になります。

少し前の1/26に、B/Sのクリス・ヘインズが、カイリーは契約延長を望んでいるとレポートしていました。タイミング的には契約延長をするような時でもなかったので、何のためのリークだろうと思っていましたが、それはトレード・デッドラインを利用して契約延長の交渉するための布石だったようです。

シャムズによると、ネッツはカイリーと契約延長交渉をしてオファーを提示したそうですが、それにはサラリーが保証される条件付きで、カイリーはそれに納得しなかったとの事です。カイリーは結構ドラマチック(こう言うバスケ以外の問題を起こしがち)なので、ネッツとしてもそれを制限するような条項を設けたと思われます。これは完全な憶測ですが、カイリーからすれば自己否定されたと思われる内容もあったのかもしれません(人種差別やカルト的発言、将来のワクチン関連等)。しかし、ネッツからすれば、自分たちを守るために必要な措置である事も否めません。シャムズによると、「オファーの内容にネッツとカイリーの間に大きな差があった」そうなので、金額+期間+期間の全てがお互いに合意できる内容ではなかったのではないでしょうか。

カイリーのトレード先候補としては、シャムズはレイカーズ、サンズ、マーヴェリックスが浮上していると言っています。サンズも見てきた通りPGを求めていて、新オーナーのマーク・イシュビア(デッドライン前にオーナーになる予定)がどこまでカイリーを欲しがるかにもかかっていそうです。ひょっとしたら、デヴィン・ブッカー以外の選手と1巡目指名権をカイリーとKDのトレードのために出す事も考えられます(サンズはKDのトレード希望先としてあげられていました)。

下はトレード・マシーンで遊んでみたトレードですが成立しました。これにクラウダーやが欲しいバックスなどのチームも絡めて3チーム・トレードにすれば、ネッツは若手+2巡目指名権を複数プラスで得られるようになるかもしれません。

マブスに関しては、ルカと組ませるスターを望んでいるそうなので名前が出てくるのはわかりますが、実際にはネッツが望むような選手もアセットもないので3つ目のチームを見つけない限りカイリー獲得は厳しいでしょう。マブスに関しては、カイリー側のレバレッジプレーで名前が入っただけのようにも見えます。

ここからは予想ですが、ネッツはカイリーのトレードはせずにこのままシーズンを終わらせて、その後ドラフトあたりから再び他チームと交渉に入るのではないかと思います。ドラフトになれば今よりもレイカーズが出せる指名権も増えそうですし、トレード交渉の幅も広がります。7/14になればサンズのデアンドレ・エイトンもトレードができるようになりますし(本人がOKならシーズン中でもトレード可能)、今はプレーインを目指しているために出せないスター級選手もアベイラブルになってくるかもしれません。

それにカイリーが望むようなキャップスペースがあるチームは再建チームだけで、優勝候補としてはレイカーズが$31Mキャップを空けられるくらいです(カイリーがもらえるマックスは$46.9M)。レイカーズに限っては、FAではなくトレードでカイリーを獲った方が補強戦略的にも助かります。カイリーはマジックやスパーズに行くのを良しとするのでしょうか?

また、カイリーのこのような素行(キャブスにトレードしなければシーズン中に手術すると迫ったり、セルティクスやネッツでのドラマ)に懸念を見せるチームも多いでしょう。それはサラリー金額の問題だけではなく、契約の期間の問題にも影響してきます。Yahoo Sportsのジェイク・フィッシャーによると、カイリーに条件なしで4年の長期契約をするつもりがあるチームは少ないとレポートしています。そうなると昨年の夏のトレード要求の時と同じように、カイリーが望んでいるような契約をオファーしてくれるチームはかなり限定されてきます。

更に、もしカイリーがいなくなれば、KDも再びトレード要求をする可能性もあります。その時、全チーム相手に交渉できる夏の方がトレードの選択肢も多なります。

こうして見ると、実はカイリーにはあまりレバレッジはありません。カイリーもそれがわかっているので焦って動いているように見えます。そのため、ネッツにとっては今はカイリーとは契約延長もトレードもせずに、夏まで待つのが最善策です。

仮にカイリーをトレードしなければ、彼が有害なチーム環境をつくったり、彼のプレーの質が落ちるという不安もありますが、それをしてしまうとカイリーの評判的にも悪くなるため、そうなる事は考えにくいです。彼も昨年ハーデンのやった事を間近に見ていますし、その影響も彼は実際身を持ってわかっている訳です。あの反ユダヤ主義騒動の後にチームを見限ったような行動をとれば、彼の今後のキャリアに大きく影響するはずです。

ただ今シーズンはKDもリーダーシップを発揮しているようですし、今は契約などは忘れてバスケを楽しんで優勝を目指し、その後の事はその時考えようとなるのではないでしょうか。優勝やファイナルズまで行けば、ネッツはカイリーの求める契約に近いものをオファーするでしょうし、何よりもファンは今のネッツがどこまで行けるのか見てみたいはずです。カイリーにとっても優勝に絡めるようなチームはネッツが最後になるかもしれません。それならば、今はKDと優勝を目指して、夏に好きなようにするのがカイリーにとってもベストだと思います。


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