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ウルブス・インベスティゲーション

ルーディー・ゴベアーがチームメイトのカイル・アンダーソンをハドルで殴ってしまった騒動の続報があがってきたので、まとめて紹介します。

まずは、パンチ前の数ポゼッションのディフェンスから。

最後のターンオーバーになったインバウンドプレーの後、KATは「ルーディー!」と言って、ボールをもらう時にはもっと下がって来いとジェスチャーで伝えています。

そして、タイムアウト直前のトランジションプレーでは、ゴベアーとコンリーのコミュニケーションミスがあり、イングラムに簡単なレイアップを許してしまいました。プレーインの順位がかかった試合にしては、ディフェンスに問題があったように見えます。

それに怒ったのか、カイル・アンダーソンはタイムアウト中のハドルでゴベアーにディフェンスの文句を言っていたようです。このYoutubeをつくったUnderdog NBAがリップリーディング(読唇術)をしたところによると、アンダーソンはゴベアーに「彼にただ単にレイアップで点を取らせる事はできない。それをやるな、それはやるな。走って戻れ、ビッグで年寄りなビッチ!。お前はビッチだ!」と言っているようです。

それを聞いたゴベアーがアンダーソンに手を出しました。

これは昨日お伝えしたWojがゴベアーは「Shut the fuck up, bitch」と言われて殴ったとのレポートとは若干違いますが、実際の唇を読むと読唇術の方が正しそうです。Wojが言っていた、アンダーソンとゴベアーが「お前はブロックしたらどうだ」や「お前はリバウンドとったらどうだ」と言い合っていたのはこの直前の事だと思われます。

ゴベアーはこの大事な試合で腰のスパズム(ギックリ腰)を押してプレーしていたそうですが、なんとそのゴベアーのプレーに文句を言っていたアンダーソンも今シーズン同じ腰のスパズムで12試合欠場していたそうです。ゴベアーの苦しみを一番よくわかっているのはアンダーソンだと思うのですが、なかなか厳しいですね。

アンダーソンの性格はこの通り率直で、彼は誰よりもチームメイトにチャレンジしているそうです。The Athleticのジョン・クラフチンスキーはアンダーソンの事を、「ニュージャージーのストレート・トーカーで対立を恐れない」とか「プレーオフのパフォーマーとしての経歴と、バスケットボールIQとワーク・エシックはリスペクトを集める。彼が話すと、ウルブスは聞く」と言っていて、これがアンダーソンの普通の姿なのかもしれません。本人も試合後に「誰かから殴られたのはこれがはじめてではない」的な事を言っていたので、その自覚はあるようです。あだ名がスローモなので、勝手にもっとおっとりとした性格だと思い込んでましたが、真逆でした😅

また、スター・トリビューンのクリス・ヒネが、つい数日前にカイル・アンダーソンのリーダーシップと彼のチームメイトへの率直で正直なもの言いについてルーディー・ゴベアーに聞いたら、ゴベアーは「カイルは勝ちたがっている。そして時々彼はちょっと話し方で攻撃的になるが、個人的には受け取らない。私はそれをポジティブに受け取る。なぜならそれは私がベストの自分でいて欲しいと思っているところから来ていて、私たちに勝って欲しいからだ。私は彼のコンペティティブネスを愛している。彼のゲームのプレーの仕方を愛している。彼は彼のまわりの選手を活かす。彼は今年の大きな一部だ」と話していたようです。

リップ・リーディングはまだあります。アンダーソンを殴ったゴベアーを最初に止めに入ったトゥリーン・プリンスは、ゴベアーが何をしようとしているのかわかっていたようで、Underdog NBAによるとゴベアーが殴る前に「Yo Man, 今回はやめておけ」と言っていたそうです。

話はちょっとそれるかもしれませんが、ゴベアーはプレー中に右腕に問題を抱えているようなそぶりをしています。ここから見れます⏬

The Athleticのジョン・クラフチンスキーによると、この時ゴベアーはトレーナーのエリン・シエラーから右手の感染対策を受けていたそうなので、切り傷を負っていたのかもしれません。

そしてこの騒動を近くで見ていたのが、現オーナーのグレン・テイラーです。いちばん左端にちょこんと座っている御仁がテイラーです。

結果、チームはゴベアーに1試合の出場停止処分を課し、ゴベアーはプレーオフがかかった大事な試合に出れなくなってしまいました。いかに腰を痛めていると言っても、レイカーズのサイズとPnR相手に戦力低下は否めません。それはグレン・テイラーがその騒動を間近で目撃してしまったからではないかと言っている人たちもいます。

テイラーからすればチームメイトに手を出してしまうのは大問題なのかもしれません。たしかにThe Ringerのビル・シモンズが言うように、チームメイトをハドルで押し合うのは見た事はありますが、殴ったのは見た事がないので、厳しく対処しようとするのも理解できます。

これは同じ日のクリッパーズのベンチでの出来事です。

もしかしたら、ゴベアーの腰の調子が悪く、出場したとしてもプレーの質にも影響しそうなので、いっその事出場停止と合わせて休ませる事にしたのかもしれません。

これで終わりではありません。まだウルブスティゲーション(ウルブスに何があったのか調査するという意味の造語)は続きます。今度はなんとアンダーソンと思われる人物がロッカールームで話していた内容がリークしてしまいます!これは昨日シャムズがレポートしていたものとは別のものになります(アンダーソンがゴベアーに「お前のassをノックアウトする」と言っていた)。

アンダーソン:「お前らに言っただろ、私はアイツをFuck upする。アイツのassをキスし過ぎだ。お前らはオレにフォーカスしろと言いたいのだろ。お前ら何考えてるんだ(Fuck入る)?この夏決断しなきゃならない。お前ら何考えてるんだ(Fuck入る)?」👀

ここから聞けます⏬

最近ではAIで学習させれば特定の人の声も簡単に生成できますし、これ自体がフェイクかもしれません。しかもアンダーソンは来年も契約があってFAではないので、この夏に決断しなければならないと言うのは良くわかりません。もしこれが本当なら、トレード要求の事を言っているのかもしれません。

続報は以上になります。

全体的に見るとゴベアーはチームメイトとうまく行っていないようにも見えます。KATのボディー・ランゲージからはゴベアーにうんざりした感じが伝わって来ますし、プリンスやアンダーソンの様子を見ていても$38M級の選手に対してのリスペクトがないように見えます。$38MのサラリーはADやジミー・バトラーよりも高く、もちろんKATの$33Mよりも高いです(再来年はスーパーマックスの$50Mですが)。もしADがあのようなプレーをしたら、アンダーソンはあのように言わないと思いますし、プリンスもあそこまでアグレッシブにゴベアーを止めに行くとは思えません。

ジャズでもゴベアーはミッチェルとはうまく行っていなかったとも言われていて(本人たちは否定)、むずかしい選手な事は間違いないようです。しかし、この調子ではちょっと不安になります。しかも契約はあと3年残っています。選手5人(ケスラー含む)と4つの1巡目指名権と1つの1巡目スワップを出して獲得した選手なので、なんとかうまくケミストリーが構築されるといいのですが、それは来シーズンまで待たなければいけなさそうです。

ここでいちばんかわいそうなのはベテランのいざこざに巻き込まれてしまったアンソニー・エドワーズです。もうウルブスをエドワーズのチームにしても良いという声もある程期待値の高い選手なので、あまり悪い環境にいて欲しくないですね。

カルチャーを立て直す意味でもコーチのクリス・フィンチを変えて再出発しても良いのではないでしょうか。

しかし、今シーズンはパンチに始まり、パンチで終わった感じすらします。もうこんなパンチの効いたシーズンはこりごりです。せめてプレーオフには何も起こらない事を祈ります。

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