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デミアン・リラードのトレード要求

11シーズンを過ごしたブレイザーズからデミアン・リラードがトレードを要求しました。米時間の7/1の朝に、エージェントのアーロン・グッドウィンが正式にブレイザーズのGMのジョー・クローニンにトレード要求を伝えたそうです。

リラードは勝ちたいと言い続けていて、この数年は勝ちたいのならブレイザーズから出て行くべきだと言われいました。しかも、チームはプレーオフ進出どころか2年連続でタンクしてしまっている状態です。優勝を狙うにはかなりの戦力強化が必要ですが、そのためには3位指名権や伸び代が高いシャエドン・シャープをベテランのピースに変える必要があります。リラードも今勝つためには若い選手ではなくベテラン選手が欲しい的な事を言っていました。しかし、ブレイザーズはスクート・ヘンダーソンを指名し、シャープもキープするようです。もうすぐ33歳になるリラードにとって、優勝を狙うのであればそろそろ他チームに行くべきタイミングです。

また、リラードはシーズンが終わってから、もしトレードされるならどこへ行きたいか聞かれた時に「マイマミなのは間違いない。ブルックリンも間違いない」とか、チームづくりについてフロントとは「むずかしい会話をしなければいけない」などのトレードをタブー視していないような発言をしていましたし、シャムズやWojらのレポーターたちもリラードに関して、「ドラフトの後からフリーエージェンシーのはじまりでリラードの未来が決まる(シャムズ)」や「ブレイザーズはリラードがトレードを頼んだ時だけ彼をトレードする。リラードは決めないといけない(Woj)」と言うようなトレードのふくみのあるレポートも増えてきていました。

これらのレポートからは、リラードはブレイザーズが選択した方向性に納得が行っていない様子がうかがえます。では、一体何が10年以上球団に忠誠を見せてきたリラードにトレード要求をさせたのでしょうか。

なぜリラードはトレード要求をしたのか

これについてはいろいろなレポーターがレポートしていますが、リラードの友人でもあるB/Sのクリス・ヘインズのレポートがわかりやすいと思うので紹介します。ヘインズもいろいろ本人から聞いていると思うので、これを読めば、リラードサイドの話はほぼ掴めると思います。

クリス・ヘインズ:「先週の月曜(6/26)に彼らがミーティングした時、それは2時間半のミーティングだったと聞いた。デミアン・リラード、エージェントとジョー・クローニンで行われたそのミーティングでは、リラードはチームの方向性について苛立ちを伝えた。ブレイザーズはいつも、特にクローニンは、彼を中心にチームをつくりたい、私たちは全力を尽くしてデイムのために優勝候補をつくると言っていた。クローニンは『私たちは彼にそうする借りがある』と言っていた。」

ヘインズによると、リラードはそのミーティングでクローニンからチームが結果を出すまであと数日待つように頼まれたそうです。そのためリラードはFAがはじまってからどのようなチームづくりになるのか様子を見ていたようでした。クローニンはそのミーティングを受けて次のように声明を出しています。

クローニン:「私たちは素晴らしい会話をした。私たちはデイムを中心として勝者をつくるのにコミットしたままだ。」

ここまではブレイザーズはFAやトレードで戦力強化を狙っているように見えます。

ヘインズは続けます。

ヘインズ:「…振り返って見よう。レギュラーシーズン、デミアンは32歳でコアのケガから復帰してキャリア最高の年を過ごしていた。でも彼はレギュラーシーズンの最後の10試合を欠場した。覚えているか?彼は最後の10試合を欠場した。他の中心選手も残りシーズン欠場した。だから彼らは3位指名権を得られた。デイムはブレイザーズから助けを獲得するために、その指名権を動かすと伝えられていた。デイムは勝つために若い選手とプレーしたくないとハッキリさせていた… ドラフトの2日前にクローニンがリラードに電話して、彼らは指名権をキープするだろうと伝えた。私はそれからデイムがブレイザーズと話をしなかったのを知っている。それが月曜のミーティングへと繋がった。デイムはチームの方向性の不満と約束が果たされない事に声をあげた。そのミーティングが終わって、ブレイザーズはトレードでチームを良くする時間は少ししかない事を理解していた。フリーエージェンシーではない。トレードだ… 彼らには、デイムにすべてを尽くし、彼をハッピーにして、優勝候補をつくる事を見せる時間はわずかしか残っていなかった。でも、何もなく終わった。フリーエージェンシーがはじまって、デイムは何も起きないのに気づいた。ジェラミ・グラントと大きな契約を結んだ。それは驚きだった。ジェラミ・グラントとリッチ・ポールを賞賛する。でもチームはビジョンは守らなかった、チームは約束を守れなかったとデイムには映った。トレード要求のタイミングは、それらのチームがトレードでアセットを投げ出してしまったり、デイムが得られるとわかっていたらトレードしなかったというような事にならないようにするためだ。だからそれは(トレード要求)あの時だったんだ。」

ヘインズはリラードがトレード要求を真剣に検討し始めたのは、2021年のプレーオフ後だと話しています。

ヘインズ:「みんな知っているかどうかわからないけど、数年前、ブレイザーズがプレーオフでデンバー・ナゲッツに負けた時があったんだけど、そのナゲッツには主要選手がいなかった。ジャマル・マレーはケガで出場しなかったし、ポーターも出場していなかったかもしれない。そのチーム(バックコートはオースティン・リヴァースとファク・カンパッツォ)に負けた。その時がはじめてデイムが本当にトレード要求を検討した時だ。当時はニール・オルシェイがGMだった。彼はヘッドコーチにチャンシー・ビラップスを雇おうとしていると知られていた。またその話の背景になるが、これを言わせてくれ。ジェームズ・ハーデンがロケッツに雇われたばかりのスティーヴン・サイラスを置いて出て行った。当時は多くのブラザーたちがヘッドコーチに雇われていなかった。NBAにずっといるスティーヴン・サイラスがやっとはじめてヘッドコーチの仕事を手にした。そしてチームのベストプレーヤーのジェームズ・ハーデンがトレード要求をした。それでスティーヴン・サイラスを難しい状況に置いた。私たちは彼(サイラス)がロケッツにいる間何に対応しなければいけなかったのか見る事できる。そして彼はいなくなった。私はこれを事実として知っている。彼らがチャンシーを雇った時、デイムはチャンシーをとてもリスペクトしていたので、彼はスティーヴン・サイラスがやられた事をチャンシーにしたくなかった。前年度の課題はチャンシーには全く関係がなかった。デイムにはチャンシーへの愛があり、彼はチャンシーにチャンスを与えたかった。それがデイムが新しいチャンスを探すために他チームには行かずに残る要因になった。だから彼がそれ(トレード要求)を考えた事はこれまでにも何回かあった。」

The Athleticのジェイソン・クウィックによると、リラードはナゲッツに破れた後不眠症になってしまったそうです。それはナゲッツに負けたのが悔しくてというよりも、ブレイザーズは彼と同じくらいあの負けを気にしていないのではないかと疑問を持ったからだそうです。その後、リラードにスウィッチが入り、チームを改善するためにプッシュし出したとの事。

また、ヘインズは2021年からの2年間について、「ジョー・クローニンがやってきた。彼らはクールだ。ジョー・クローニンは良い人だ。多くがクローニンをリスペクトしていて、彼は球団に長い事いる。彼はチャンスをモノにして、それに値する仕事をしてきた。だからデイムは彼にもチャンスを与えたかった。彼は(チームが)その約束を果たすための時間を与えた。2年経ったが、デイムは自分のタイムラインを見て、ロスターが良くならないのを見た。良くてもプレーオフ進出に苦しむチームだ。彼は勝ちたがっている。彼はとてもポートランドで勝ちたがっていた。彼は逃げた訳ではない。ただ彼の目標が球団の目標と一致していないだけだ。」と話しています。

ヘインズの話からは、ブレイザーズはリラードに、3位指名権をトレードする/若い選手をベテラン選手に変える/ミーティングの後リラード中心の勝てるチームをつくるために動くと伝えて来ましたが、ブレイザーズはそれらの約束を破っている事がわかります。

ヘインズは、去年の夏にマックスの2年契約延長した時も同じような事があったと明かしています。

ヘインズ:「リラードの状況が他と違うのは、リラードはチームから優勝争いができるロスターをつくる約束があったから契約延長に合意したんだ。彼はただ契約延長にサインした訳ではない。彼はチームはできる限りの全てを尽くしてその間にリラードが必要なチームをつくると言われていた。それは起きなかった。」

なぜブレイザーズが約束通りに優勝争いができるロスターをつくる事ができなかったのかというレポートはまだありません。チームづくりも大変でしょうが、なんとかして3&Dウィングを取るなどのビジョンが見えてこないのも事実です。CJのトレードで得たハートもトレードしてしまいましたし、そのトレードで得たニックスの指名権もトレードする事なくキープしました。CJのトレードでは本当に当時2年目のトレイ・マーフィーを取れなかったのでしょうか。球団の未来を考えてスクート・ヘンダーソンかブランドン・ミラーをキープするのはわかりますが、本当に即戦力にならないであろう2023年の23位指名権や43位指名権はトレードできなかったのでしょうか?それとも指名した後でそのドラフト権をトレードに出すつもりだったのでしょうか?この一連の動きを見ると、さすがに再建に向けて若手確保に動いたとしか見えません。外から見てそう思うのですから、当のリラードはもっとそう思っていたに違いありません。クローニンが経験不足で結果を出せないのか、リラードには優勝を狙うと言っておいて実は再建を目指していたのかはわかりませんが、ただハッキリしている事は、ブレイザーズがリラードに約束してきた事は実現できていないという事です。リラードがトレード要求をしたのも理解できます。

このようなブレイザーズの動きについてESPNのブライアン・ウィンドーストは次のように話しています。

ウィンドースト:「彼らは静かに再建していた。彼らは去年タンクした。彼らはやらなくてもいい契約延長をリラードに与えた。でもそれはNTCなしのものだった。そこには暗黙の了解があった。リラードはそうは考えなかったかもしれないが、むしろ彼らはそれで彼をアセットにした。なぜならもし彼が1年プレーして契約があと1年しか残ってなかったら、彼はもっと状況をコントロールできていただろう。そして昨シーズンのデッドラインで、彼らはハートをトレードした。私はジョッシュ・ハートが6位シードと11位シードの違いを生み出せる選手だとは言っていないが、彼はクオリティー・プレーヤーだ。彼らは彼を指名権のためにあげてしまった。それは再建チームのやる事だ。そしてシーズン最後にタンクして、それがうまく行った。ドラフトでも順位をあげた。彼らは2年連続でロッタリー選手を指名した。それらすべての動きは競争するチームの動きではない。彼らはベテランを連れて来ると言った一方で、実際にそれはやっていない。もしかしたらジョー・クローニンがこのポッドキャストを聞いて、これが私が提案した11のトレードだがうまく行かなかったと言うかもしれないが、私は彼のやった結果だけしか知る事ができない。でも彼のやった結果は、再建をやる人がやる事だった。」

ここまで来ると、クローニンはリラードにトレード要求を言わせるように仕向けたとしか思えなくなってきますね。いずれWojからクローニンサイドのストーリーが出てきそうですが、ウィンドーストの言うように結果が全てです。リラードの昨年のサラリーは$45M以上なので同情はできませんが、そんな状況の中で球団に忠誠をつくして来た事は讃えられるべきだと思います。

また、The Athleticのジェイソン・クウィックによると、リラードには最近2つのターニング・ポイントがあったそうで、それもリラードの決断に影響していたのかもしれなとの事。

①2021年の終わりにコアマッスルのケガが悪化し、シーズン中に手術をした。

②2021年の3月までの1年半で家族と友人の8人を銃撃事件やコロナで失った。

このようなケガと身内の不幸で、リラードは自分のキャリアのタイムラインや人生の時間を気にし出したそうです。リラードは自分にはもう球団を信じて待ち続ける時間は残されていないと感じていたのかもしれません。

The Athleticのサム・エイミックは、リラードがトレード要求を決めた経緯を次のようにレポートしています。

エイミック:「しかし、チームは去年も言葉だけで行動では見せてくれなかった。今年も3位指名権でリラードの代わりになるヘンダーソンを獲得したが、ベテラン選手はいなかった。リラードはまだ残りたいと思えるようなトレードがあると期待していた…ミーティングから1週間経っても、ブレイザーズからのビッグトレードの知らせはなく、可能性のあるトレード交渉が続いているという情報もなく、希望が感じられなかった。ブレイザーズは、フリーエージェンシーの夜をジェラミ・グラントと5年$160Mの再契約しただけで静かに終えた。それがリラードとブレイザーズの非公式な終わりになった。リラードはコーチのチャンシー・ビラップスと電話で話して決心をした ー ポートランドからマイアミへ行く時だと。」

デミアン・リラードのトレード

クローニンはリラードのトレード要求を受け次のような声明を出しています。

クローニン:「私たちはデイムをここに残って欲しいとハッキリと言ってきたが、彼は今日私たちに他の場所でプレーしたいと知らせて来た。私たちにとって変わらないのは、私たちは勝利にコミットしていて、私たちはその目標に向かうチームのためにベストになる事をして行く。」

このようにチームが選手からのトレード要求を正式に発表するのはこれが初めての事だそうです。わざわざトレード要求をしたリラードが悪いと聞こえるようなネガな声明を発表しなくても良いと思いますが、どうしたんでしょうか。スモールマーケットのチームにも関わらず、これまで辛抱強く忠誠を見せてきたフランチャイズ・プレーヤーに対して強気ですが、リラードのためではなくチームのためにトレードをするというメッセージはよく伝わってきます。

今のところ、リラードのトレードの希望先はヒートだけだそうですが、問題はヒートにブレイザーズが再建に欲しがっている「有望な若手、指名権、キャップリリーフ」が揃っていないので、トレードがすんなりと行かない事です。

2022年に6マンに輝いたタイラー・ヒーローは、ブレイザーズの未来であるガードの3人のスクート・ヘンダーソン、シャープ、アンフェニー・サイモンズとポジション的にかぶってしまいますし、指名権も1巡目は2028年と2030年しか出せません。サンダーに送った2025年の1巡目指名権のプロテクションをなしにしてもらえれば、2027年の1巡目指名権は使えるようになり、2029年と2031年の1巡目指名権と合わせて3つの1巡目指名権、それに2024年、2026年、2028年、2030年の4つの1巡目スワップも可能です。去年の1巡目指名のニコラ・ヨヴィッチや今年の1巡目指名のハメス・ハクェズを加えれば実質1巡目が5つになると思いますが、それはブレイザーズのフロントが彼らをどう評価しているかにかかっています。

キャップリリーフにはカイル・ラウリーが使えますが、$29.6Mと金額が大きすぎて動かしづらいです。トレードに都合の良い$10M前後のサラリーはヴィクター・オラディポだけでしたが、彼はすでにサンダーにトレードしてしまいました。ダンカン・ロビンソンはヘンダーソンとシャープのタイムラインに合わず、サラリーも3年$57M残っているので、ブレイザーズとしては避けたいところでしょう。ただ、ブレイザーズがリラードのパッケージに含めたがっていると言われているユスフ・ナーキッチのサラリーとほぼ同額なので、3チームのトレードになった時にサラリーマッチに使えるかもしれません。

また、リラードの契約は残り4年でおよそ$216M残っています。36歳の時(2026-27シーズン)には$63.2Mです。来年FAになるハーデンは行きたくないチームにはFAで出て行くからトレードするなと言えますが、反対に残り4年も契約が残っているリラードには不満を言う以外のレバレッジがありません。基本的にブレイザーズは気に入ったリターンが得られるチームにトレードする事ができます。

リラードのリターンの相場ですが、キャブスが昨年の夏に同じように4年のマックス契約が残っていたドノヴァン・ミッチェルに払った価格が参考になりそうです。キャブスはミッチェルを得るために、ラウリ・マーカネン、コリン・セクストン、オチャイ・アバジの若手三人と、1巡目指名権3つ(2025、2027、2029)、1巡目指名権スワップ2つ(2026、2028)を出しています。

そうなると、ヒートの2027年、2029年、2031年の指名権は遠くはありますが悪くありません。その頃にはリラードもジミー・バトラーも引退しているかもしれず、ロッタリーになる可能性もあります。ミッチェルはトレード時にはオールNBAには選ばれた事がありませんでしたが、リラードは来シーズン33歳と年も取ってきているので、そのあたりはトントンではないでしょうか。ただ気になるのはヒートが出せる有望な若手がヒーローとケイレブ・マーティンだけと言う事です。このふたりにヨヴィッチを足しても物足りなさは残ります。ただ、ヒートがブレイザーズが出したがっているナーキッチの契約を引き取れるなら悪くないかもしれません。それでもヒートは2巡目を2つくらいつけないといけないかもしれませんが…

このようにヒートとのトレードよりも良いリターンを得るために、クローニンはわざわざ攻撃的な声明を出して、他チームに「私たちはリラードの事は気にしていないし、トレードのリターンを最大限に考えるから、ヒート以外のチームもどんどんトレードオファーをしてきてね」とシグナルを出しているのだと思れます。また、ブレイザーズのフロントがリラードのリターンを競り上げようとしているのは、Wojが「ブレイザーズはリラードのトレードはリーグ中で営業している」とか「クローニンは正しい事をする」と言っている事からもわかります。それでヒートが他チームと競り合って1巡目をどこかから見つけてきて追加してくれれば、それはそれで好都合です。

問題は指名権だけではなくサラリーマッチにもあります。もしブレイザーズがヒーローを受け取りたくないなら、ヒートはヒーローを欲しがっている3つ目のチームを探してくるしかありません。しかもそのチームに潤沢な1巡目指名権がなければいけません。

今噂されているのが、KDとカイリー・アーヴィンのトレードで複数の指名権を手にしたネッツです。ESPNのブライアン・ウィンドーストによると、ネッツはヒーローを所望しているようなので、ヒートはネッツを絡めれば、そのトレードでもらえる1巡目指名権をブレイザーズにわます事ができます。ブレイザーズのサラリーマッチにはネッツのベン・シモンズを使うのが良いでしょう。ベン・シモンズの契約は今NBAで最悪と言われていますが、あと残り後2年です。1年後にはトレードできるかもしれませんし、ウェイブ&ストレッチも可能です。もしかしたらジャンパーを撃てるようになっていて、スクートやシャープのドライブに邪魔になるダンカースポットではなくコーナーにいられるかもしれません。最悪シモンズにシュートがなくても、チームに不満を持つリラードがチームに残るよりは大分良さそうです。

テクニカル的には、リラードのサラリーは$45.6Mなので、ブレイザーズのサラリーマッチに必要なのは$41.54Mになります。フープハイプのヨッシ・ゴズランによると、ネッツとヒートはすでにこの夏に一緒にトレードをしてきたピストンズ(ジョー・ハリス)、サンダー(オラディポ)、キャブズ(ストルース)、スパーズ(オズマン、スティーヴンス)を加えた7チームをこのトレードに引き込んで7チーム・トレードに拡大する事も可能だと言っています。いつかは7チーム・トレードを見てみたいですが、キャブスがライバルのヒートを助ける義理もないので、これはまず無理でしょう。

現在、リラードのエージェントのアーロン・グッドウィンがヒート以外のチームに、「もしリラードをトレードすればアンハッピーな選手を獲得する事になる」と伝えているそうです。またグッドウィンは、「すべてを理解していれば他のチームはリラードのトレードはしないと思う。もしそうするなら、彼らはデイムの事をわかっていない。」とブラフとも取れる発言をしているためか、他チームはヒートに行けずにハッピーではないリラードがどうなるか心配しているとも言われています。リラードは満足の行かない状況にあっても試合で手を抜いたプレーをするような選手ではないと思うので(ハーデンと言うよりかはKD)、その点は心配はしなくていいと思うのですが、その可能性がある限り、チームはリラード獲得のためのトレード・パッケージの中身を減らす事も考えられます。

グッドウィンはその事について、「私はクライアントのためにするべき事をやっている。いくつかのチームに連絡した。他のチームは私に連絡してきた。ほとんどのチームとはリスペクトのある関係だ。本当に彼はマイアミでプレーしたがっている。以上だ。」と話していました。

また、アンドスコープのマーク・J・スピアーズとクリス・ヘインズによると、グッドウィンはジョー・クローニンと良い会話をしていて、ちょうどリーグ中のフロント・エグゼクティブたちが集まってくるサマーリーグがあるので、最終的にはブレイザーズとヒートがそこで直接会って話ができればいいと思っているそうです。

スピアーズは、現時点でリラードとヒートのトレードに絡みたいチームは5つあると言っています。お互いが直接会って交渉できるベガスのサマーリーグはそんな複雑なトレードに持ってこいです。Wojは、リラードのトレードはシーズンがはじまってもいいので正しいリターンを得るために時間をかける的な事を言っていますが、この件が去年のKDの時と違うのは、リラードがなぜトレード要求をしたかがハッキリとわかっている事です。その課題が解決しない限り、リラードはハッピーではないでしょうし、それがロッカールームでスクートやシャープの若手にどう影響するかわかりません。やはりここは夏の間にリラードをトレードするのが正解だと思います。


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