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ゲーリー・ペイトン II のトレードについて

ゲーリー・ペイトンIIがウォリアーズにトレードされたのを知ったのは、2/9のトレード・デッドラインの10分前でした。ESPNのケンドラ・アンドリューズによると、ペイトンはその知らせにとても喜んだそうです。

しかし、ペイトンはウォリアーズのフィジカルに落ちてしまいます。オフシーズンにコアマッスルの手術を受けた後も腹部に痛みがあり、まだ完治していなかったためだそうです。ペイトンはフィジカルに落ちた事には「驚かなかった」と話しています。ウォリアーズはペイトンの復帰は2~3ヶ月かかると診断。

しかし、この時点でトレード・デッドラインを過ぎてしまっているため、ウォリアーズの選択肢は、➀トレードを成立させるか、➁トレードを拒否するかのふたつしかありませんでした。要するに、ドラフト2位指名のワイズマンを取るか、ペイトンを取るかの二択です。結局ウォリアーズはケガしてしばらくプレーできないペイトンをキープする事に決めます。今回は、このペイトンを含むウォリアーズの4チーム・トレードと、ペイトンをキープせざるを得なかったウォリアーズのチーム状況についてまとめました。

ウォリアーズ、ピストンズ、ホークス、ブレイザーズの4チーム・トレード詳細

ウォリアーズ獲得:

  • ゲーリー・ペイトンII (ブレイザーズから)

  • 2026年のホークスの2巡目指名権(ホークスから)

  • 2028年のホークスの2巡目指名権(ホークスから)

ピストンズ獲得:

  • ジェームズ・ワイズマン(ウォリアーズから)

ホークス獲得:

  • サディック・ベイ(ピストンズから)

ブレイザーズ獲得:

  • ケヴィン・ノックス(ホークスから)

  • 2023年のホークス、ホーネッツ、ネッツの中で2番目に良い2巡目指名権(ホークスから)

  • 2024年のホークスの2巡目指名権31~55プロテクション(ホークスから)

  • 2025年のホークスの2巡目指名権31~56プロテクション(ホークスから)

  • 2026年のグリズリーズの2巡目指名権31~42プロテクション(ウォリアーズから)

  • 2028年のウォリアーズの2巡目指名権(ウォリアーズから)

このトレードはウォリアーズがペイトン(以下GP2)を獲得するために描いたトレードだと思われます。ブレイザーズと直接トレードできなかったのは、ブレイザーズがジェームズ・ワイズマンを取るとタックスラインを超えてしまうため&ワイズマンは欲しくなかった(本当に欲しいなら更なるトレードをしてキャップを空ける事も可能)からだと思われます。

ただ、ウォリアーズの誤算はGP2がフィジカルを通らなかった事です。前述しましたが、トレード後にペイトンのケガからの復帰には2~3ヶ月かかり、トレード前ペイトンは痛み止めを使用してプレーしていた事がわかりました。

The Athleticのシャムズとアンソニー・スレイターによると、「ブレイザーズのトレーニング・スタッフは、彼の痛みにトラドル(非ステロイド性消炎鎮痛薬)を射ち、痛みを押してプレーするように彼をプッシュしていた」そうです。トラドルは通常だとプレーオフの時に使うような薬で、レギュラーシーズンには使わないものだそうですが、それをブレイザーズがトレード時にウォリアーズに伝えなかったそうです。

だからと言って、ウォリアーズがGP2のメディカル情報を得ていなかった訳ではありません。チームにはトレードする時に選手のメディカル情報を開示する義務があり、トレード交渉前に心配になるような大きなケガは事前に議論されたり、選手の電子カルテの記録にアクセスできるからです。

ウォリアーズのGMのボブ・マイヤーズも、トレード前にブレイザーズと対戦した時にGP2が出場していたので、まさかケガが問題になるとは思っていなかったようです。

これに対し、ブレイザーズのGMのクローニンは「彼(GP2)にはプレーする許可が降りていた。もし彼が健康ではなかったら復帰させていない」と言って、チームのケガの診断には問題がない立場を取っています。

しかし、「プレーの許可が降りた」と「欠場数ヶ月」は大きな違いです。

考えられるのは、A) ブレイザーズが誤診したか、B) ブレイザーズがGP2のケガの状態を隠してトレードをしたか、C) ウォリアーズが誤診しているかになりますが、GP2本人が、まだ腹部に痛みがあり、フィジカルに落ちたのも驚かないと言っている事から、ブレイザーズ側に問題があるのは間違いなさそうです。

それでも今回のように、チームによってケガに関する認識の違いが違う事が稀にあります。最近の事例では昨シーズンのピストンズとナゲッツのトレードがあります。そのトレードでは、ピズトンズがナゲッツからボルボルを獲得しましたが、ボルボルがピストンズのフィジカルを通らなかったためトレードが無効になっています。

2017年のキャヴスとセルティクスの間のカイリー・アーヴィンとアイゼィア・トーマスのトレードでも同じような事がありました。キャブスがフィジカルでトーマスのヒップのケガが想定以上に悪かった事から、最終的にセルティクスが2巡目指名権を追加で送るまで成立しませんでした。

ウォリアーズのオーナーのジョー・レイコブは、The Athleticのティム・カワカミからそれについてどれだけ怒ったか聞かれ、「とてもだ…私たちみんなが怒っていたと思う。私たちはショックを受けた。なぜなら、一方で彼は(ブレイザーズで)プレーしていた。それは彼が健康だったと示唆するだろう。しかし、他の人に聞くと…彼らはトレード・デッドラインで、それらのトレードをするにはたった数分しか残されていない。それは倫理規定(守られるべき約束事)のようなものだ。記録に何があったかは関係ない。それは後からわかることだ。私たちは彼らが不誠実だったと感じた」と答えていました。

真相がなんであれ、ウォリアーズがブレイザーズに不信感を持つのは理解できます。

Wojによると、ウォリアーズはこの件に関してNBAにブレイザーズの調査を要求したそうです。調査の結果、もしブレイザーズが意図的に情報開示しなかった事が判明すれば、NBAはブレイザーズに罰金を課すか指名権を没収できるとの事。B/Sのクリス・ヘインズによると、ウォリアーズはNBAに昨シーズンのブレイザーズとペリカンズの間のラリー・ナンスのトレードも調査するように伝えたそうです。ナンスはブレイザーズからトレードされる前から右膝の痛みで欠場していましたが、ペリカンズにトレードされた後に右膝の手術を受け、6週間欠場になっていました。そのため、ウォリアーズは、「ブレイザーズには医療情報を開示しなかったか、ミスリードする情報を与えるようなパターンがあるかもしれない」と思っているようです。

リーグがこのようなトレード調査をしたのは2011年のセルティクスとサンダーのトレードです。そのトレードでは、サンダーがケンドリック・パーキンス獲得の代わりに、ジェフ・グリーンをセルティクス送っています。しかし、その次のシーズン前のフィジカルでグリーンに大動脈瘤が発見され、シーズン終了となる心臓の手術を受ける事になりました。これにより、サンダーがグリーンの心臓の情報をセルティクスに適切に開示しなかった疑惑があがりました。NBAがサンダーを調査した結果、サンダーの循環器系の医者がグリーンの心臓の情報をフロントと共有していなかった事が判明。当時のコミッショナーの故デヴィット・スターンは、サンダーがセルティクスに健康状態を適切に開示できなかったとしてセルティクスに2013年の2巡目指名権を与えるように命じています。

ウォリアーズの調査に関しては、仮にブレイザーズが情報を適切に開示しなかった事が判明しても、このトレードで出した2巡目指名権が返ってくるか、またはブレイザーズから2巡目がひとつ与えられるかレベルのものになりそうだと言われています。マイヤーズはペイトンのトレード調査で何を望んでいるか聞かれ、「私が何を望んでいるかだって?NBAがフェアと言うものなら何でもいい」と答えています。

ただ、The Athleticのジョン・ホリンジャーによると、トレード交渉では選手のケガやケガした事の開示は義務付けられていますが、どのようにケガが治療されたのかは開示する義務はないそうです。そのため、トラドルの服用やそれが適切な治療に当てはまるのかどうかが論点になりそうです。

ブレイザーズは本当に選手のリスクを考えずに、ケガをしていてもバスケットボールをプレーさせるような球団なのでしょうか。そうは思えません。ブレイザーズにとっては失うものが多過ぎです。例えメディアにそのような話が出てこなくても、選手はお互いにケガの治療や医療体制について話もするでしょうし、エージェントもケガの取り扱いに疑問がある球団にスター選手を行かせたくはないでしょう。ブレイザーズのようなスモールマーケットでフリーエージェントの行き先ではないチームにとって、そのような評判は死活的問題につながるでしょう。

そのため、ブレイザーズのGMのクローニンは本当にペイトンのケガには問題がなかったとの認識を持っていたと思われます。ここでは皆さんに客観的に判断してもらうため、クローニンのトレードについてのインタビューを意訳せずにそのまま訳したものを紹介します。

● もしトレードが成立しなかった場合、ペイトンのスポットは残っているか聞かれ:「もちろんだ。ゲーリーはここで素晴らしかった、ゲーリーとの時間は本当に楽しかった。NBAでそのような事は時々起こる。多くはない。フィジカルが通らないのを見る事は多くない。でもそれらは起こる。選手は戻ってくる。私は私たちの環境とゲーリーとの関係は問題ないと思っている。だから実際に私はそれについて心配し過ぎてはいない」

The Athleticのマーカス・トンプソンは、ペイトンはブレイザーズから出ていきたがっていて、そのためトレードに出されたとレポートしています。

● GP2をトレードする判断について:「私たちはただ5つの2巡目指名権と$8Mのトレード・エクセプションは良過ぎて逃せないと思っただけだ。ゲーリーについてではなく、どう物事が起きていたかではない。それはただアセットを改善し、トレード・エクセプションもつくれたという事だけだ」

● トレーニング・スタッフがゲーリーにケガを押してプレーさせていた事が言われているが?:「選手の安全は私たちにとってスーパー大切だ。リーグ中でそれはスーパー大切だ。私たちは彼をプレーさせていた。彼は許可がおりて、私たちは彼がプレーしていた時は健康だったと自信があった。彼が健康でなかったと思ったり、危険があると思ったりしたら、彼を出場させたりはしなかった。私たちが正しい事をしていると信頼し、私たちがのプロセスや報告を信頼し、許可を出すプロセスが適切だったとわかっていると思うのなら、私はそれに頼らなくてはいけない」

また、ブレイザーズはデミアン・リラードを通してチームと良好な関係を築いているB/Rのクリス・ヘインズを使ってPRに力を入れてきます。

ヘインズは、「GP2のエージェントのアーロン・グッドウィンが”レポートされているに関わらず、私のクライアントはブレイザーズにいる間、試合に出るためにトラドル注射は射った事がない”と話した」とレポートしています。

この後、The Athleticのシャムズとアンソニー・スレイターがトラドルの件をソースに確認して、トラドルは注射ではなく経口投与を受けていたとレポートしています。GP2本人もインタビューで「トラドルは受けたが注射ではない」と話していました。

グッドウィンは稼ぎ頭のリラードのエージェントでもあるので、ブレイザーズが大事なのはわかりますが、トラドルが注射だったのか経口だったのかのような揚げ足取りはいかがなものかと思います。ちなみに関係ないかもしれませんが、グッドウィンはトレードデッドラインでブレイザーズがシクサーズから得たマティス・サイブルのエージェントでもあります。

ヘインズのブレイザーズのPRはこれだけではありません。彼は自身のポッドキャストにリラードをゲストに迎えて、リラードからブレイザーズのメディカル・スタッフは問題ないと言う事を引き出しています。

リラード:「トレードでパフォーマンス・スタッフについての事が言われ出した。正直、何があったのか詳しくはわからない。ただ彼らは彼(GP2)に計画を与え、その計画が何であれ彼(GP2)はやっていたんだと思う。だけど、私がわかっている事は、私は多くの事を見てきて、それ(誤診)があったとは思わない。私たちのパフォーマンス・スタッフのトップのジェフ・クラークは長い間いる。私はキャリア通してずっと彼といて、彼はいつも的確だった。私の手術の時も、私のすべてのケガにも対応してきた。彼は常に的確で、選手の事をいちばんに考えている」

ただ、その後リラードは、「言ったように、私はすべての詳細を知っている訳ではないが、大きな断絶と多くのミスコミュニケーションがあったのは明らかだ…ゲーリーはまだ痛みとストレスを抱えていて、それは手術明けでプレーしはじめた時にあったものかもしれない。コートに出ると何があるかわからない。でも私は彼に健康になって欲しい」とGP2へのフォローも付け加えています。何しろGP2本人がトラドルを飲んでいたと言っていたので、リラードもチームに問題が全くなかったとは言いきれないのでしょう。

そうは言っていても、リラード本人もブレイザーズで腹部のケガに悩まされていました。彼は2021-22シーズンに腹部のケガの手術を受けていますが、実はそのケガには4.5年ほどずっと苦しめられていたと明かしています。リラードがその手術をする事にしたのは、ブレイザーズのメディカルの勧めではなく、東京オリンピックでチームメイトだったジュルー・ホリデーの勧めでした。リラードが東京オリンピックでそのケガを悪化させた時に、同じようなケガをしたジュルー・ホリデーがリラードには手術が必要だと話してくれたそうです。リラード:「私に手術が必要だと言ったのは彼が最初だった。なぜなら、ある日私が”動けない”と言って練習を休んでじっとしていた時、彼が私の症状のすべてを説明しはじめた。彼は”私も同じケガをした”と言った」

こうして見ると、ブレイザーズのメディカル・スタッフは「腹部のケガ」に弱いと言い切っても良さそうです。そうなるとブレイザーズはトレードで意図的に情報を隠していた訳ではないので、Wojが言っていたような指名権剥奪や罰金などの罰則はなさそうです。

では肝心のGP2本人はケガについてどう思っていたのでしょうか。

GP2はトラドルを飲んだ事について自分の口から次のように説明しています。「コンペティターの私は、ただ出場したかっただけだ。注射ではないが。私はただ試合を乗り切ってやりきらなければいけなかった。メディカル・スタッフはそれほど重要な事ではない。私はプレーしたくて、出場してチームメイトたちとコーチたちを助けたかった。私はコートにいない時よりもいた時の方が大きな要素になれた。50%の私はいないよりもいい。私は出場して勝とうとしているチームを助けたかっただけだ。注射ではない。私がコンペティターだっただけだ。私は出場してやるべき事をやっただけだ」

ケガを押してウォリアーズ戦に出場した事については、「トリッキーだった。手術から痛みが長引いていたて、なんとかして問題なく動こうとしていた。それは私がプレーしたかった試合のひとつだった。ただ耐えれば良かっただけだ。試合は楽しかった」と話しています。

これだけだと、GP2が試合に出たかったため自分で痛み止めを飲んだのか、飲まされたのかはわかりません。しかし、もし自分から飲んでいたらブレイザーズのメディカル・スタッフをかばうために「試合に出たかったから痛み止めを出すように頼んだ」と言うはずなので、GP2がブレイザーズの事を悪く言わないように配慮しているようにも聞こえます。

しかし、シャムズとスレイターは「ペイトンがウォリアーズにトレードされて喜んだのは、ブレイザーズのメディカル・スタッフよりもウォリアーズのメディカル・スタッフの方を気に入っていたのもある」とレポート。ペイトンはブレイザーズのメディカル・スタッフに納得がいっていなかった様子が感じ取れます。

オーナーのレイコブはカワカミからジェームズ・ワイズマンをトレードするのはどれだけむずかしかったか聞かれ、「とてもハードだった。とてもハードだった。それはいつか後悔する事はじゅうぶんに考えられる。長期的にも中間的にも」と答えています。バスケットボール・オペレーション、コーチたち、選手たちが正しいと感じた事を覆す訳にはいかなかったとも言っていました。

ではなぜウォリアーズはドラフト2位指名のワイズマンを犠牲にして、ケガでレギュラーシーズンに出られない可能性のあるGP2をキープする事にしたのでしょうか?あまり理にかなっていないように見えますが、これにはバスケ的な理由とサラリーキャップ的な理由があります。

バスケ的な理由は、ポイント・オブ・アタックのディフェンスの必要性です。今のウォリアーズにはポイント・オブ・アタックのディフェンスがなく、ガード陣が相手オフェンスの仕掛けに対してスローで(クレイ、ステフ、プール)対応できないため、リーチしてしまってファウルが重なったり(2/28時点でパーソナルファウルはリーグ29位)、ローテしても外にパスをさばかれてしまってディフェンスを崩されていました。そのため、昨年2位だったディフェンスはリーグ18位です(*2/28時点)。GP2のようなポイント・オブ・アタックをさばける選手の獲得はプレーオフで戦うためにはどうしても必要だったと思われます。

レイコブが「私たちの最大の弱点は、ペリメターのディフェンスだと言えよう。だからそれは(GP2のトレード)良い動きだった」と言っていたように、ヘッドコーチのスティーヴ・カーも同じような事を話していました

また、ウォリアーズのフロントは、2位指名のワイズマンをトレードして獲得する選手はスティーヴ・カーが使う選手でなければならないと考えていたようです。ワイズマンを犠牲にして、ローテーションに埋もれてしまう選手になるならトレードの意味がありません。その点、GP2であれば、カーが気に入っている&チームの複雑なシステムを理解していている&チームが必要としているディフェンス技術があるので確実に使われます。

また、ピストンズのサディック・ベイを獲得しなかったのは、ウーブレのようにチームにフィットするかわからないリスクがあるのと、ベイは夏にディアンドレ・ハンター級(4年$90M)の契約延長を望んでいると言われていて、ウォリアーズにはそれを払うつもりがなかったと言われています。

サラリーキャップ的観点から見ても、GP2の2年残っている契約は魅力的です。しかも$8.7M+$9.1Mと守備のニーズを満たしている選手にしては割安です。

そもそもすでに来シーズンのタックスを超えているウォリアーズにとって、ローテーションに入る選手の獲得手段はミニMLEしか残されていません。そんな状況で、夏にドンテ・ディヴィンチェンゾがFAになって出て行ってしまう事を考えると、彼の代わりになれるGP2の存在は大きいと思います(ドンテのプレーを見れば、彼が$4.7MのオプションをオプトアウトしてFA市場に出てても、MLEの$11M/年以上の契約を得るのは確実だと思います)。

また、ウォリアーズは今後の経済的負担も考えていると思います。リピータータックス沼にハマっているウォリアーズがワイズマンをキープすると、$12.1Mのサラリーとそのタックスで$80M以上払う事になります。はたしてワイズマンはその価値に見合った成長ができるでしょうか?彼はセンターポジションでしかプレーできないので、ドレイモンドやケヴォン・ルーニーを超えないと試合をクローズできません。ルーニーのサラリーは$7.5Mです。今のウォリアーズにとってルーニーを超えそうなポテンシャルを見せれない3番手のピュアセンターに$12.1Mは高過ぎます。

そんなワイズマンをGP2に変えるだけで彼らは$26.3Mを節約できます。金銭感覚がおかしくなりそうですが、これは来年のウィギンスのサラリーよりも高い数字なので大きな違いです。

仮にトレードを無効にしてワイズマンが帰ってきても、彼は意味のあるプレー時間を得られないでしょう。それであれば、例え今シーズンは全休になったとしても、来シーズンに向けてのチームづくりのためにウォリアーズが必要としているディフェンスがあるGP2をキープする方が効果的です。どの道ワイズマンがいない事には代わりはありません。

これでウォリアーズの来シーズンのサラリーキャップが解決したかと言えば、そうではありません。

ついでなので、来シーズンのウォリアーズのサラリーキャップを見ていきましょう。

来シーズンのウォリアーズのサラリーキャップは現在$213.1Mと予想されます。

  1. ステフ:$51,915,615

  2. クレイ:$43,219,440

  3. プール:$28,705,357

  4. ドレイモンド:$27,586,224(プレーヤー・オプション/オプトイン)

  5. ウィギンス:$24,330,357

  6. GP2:$8,715,000

  7. ルーニー:$7,500,000

  8. クミンガ:$6,012,840

  9. ムーディー:$3,918,480

  10. ルーキー:$3,178,289

  11. PBJ:$2,337,720

  12. FA1:$1,989,697*

  13. FA2:$1,989,697

  14. ロリンズ:$1,719,864

*ミニMLEは節約のため使わず

タックスは$202.5Mになるので、合計は$425.6Mです。

これは$400Mの予算をオーバーしているので、あと$26M削りたいところ。選択肢はいろいろあります。

  • オプトインしたドレイモンドを2023-24シーズン中に$20Mの選手とトレードすれば$404Mまで音せんます。あと少し!

  • オプトインしたドレイモンドを$15Mの選手と$5Mの選手とトレードできればミニマム枠がひとつ減るため$388.9Mになります!戦力維持的にも◎

  • またはドレイモンドが$18Mで再契約してくれれば同じように予算内に収める事ができます。

もちろんトレードはドレイモンドではなく、ウィギンスやプールやムーディーの可能性もあります。契約が最後のクレイになるかもしれません。今年のパフォーマンスを含めて総合的に判断すると思います。

レイコブは来シーズンのサラリーキャップについて、「すべては残りのシーズンで何があるか次第だと思う。私たちはこの夏評価して、来年どうする必要があるか見る。現時点では答えはない」と話しています。

また、今交渉中のCBAでタックスの負担が変わるかもしれません。もし負担が軽くなれば、ディヴィンチェンゾ除く全員をキープできそうです。

最後に、GP2が去年優勝した後にプレーヤーズ・トリビューンに書いていた記事の一部をご覧ください。

私はいつもステフをからかって、「この先、あなたと戦う事がないように絶対に私のユニフォームを変えさせるな。そんな事はさせるな」彼はただ笑っていた。彼はいっしょにノってくるけどね。私たちは練習場でボブ・マイヤーズに会うと、ステフは「試合で私を守る事のないように、この男をどこにも行かせるな。ボブ、私はそれを必要としてない」というような事を言ってくれる。ステフからそのような事を聞けるなんて。それは全てを意味する。


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