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トラペジウムを見た

トラペジウムを見た。TLで様子がおかしくなってる人が多数いたことと「主人公がクズ」「サイコパス」など、なかなかの言われようだった。が、逆に主人公・東ゆうを推す人が後を絶たないので「これは自分で見に行くしかない」と思い立ち、上映している今のうちに見に行くことにした。

結果的にいうと、大満足の映画だった。アイドルものというよりも青春小説の文脈だったのもある。東ゆうという少女の青春と挫折の物語。青春小説、いいよね。

東ゆうは、諦めと性格が悪い少女である。彼女自身その自覚もある。ただそれ以上に真面目であり努力家だ。そこが主人公として魅力的だった。
彼女は打算まみれでアイドルデビューのメンバーを集めるが、はじめは打算でもそこにあったのは本物の友情だった。


「トラペジウム」より

自分のアイドルへの執着に他人を使って他の三人とすれ違うシーンは、見ていて気分のいいシーンではない。そこがサイコパスと言われている所以なのだろう。彼女はサイコパスなのか?といえば、それはNOであると私は主張する。自分を優先させて他者を踏みつけてしまったこれは、彼女の幼さの表れであるからだ。これが例えば30代のキャラクターだったらまだしも、まだ10代のキャラクターなら「幼さ」という言葉がふさわしいと思う。

4人でいるのが楽しいという理由でやってきた西南北と、アイドルという存在を夢見続けて進む東ゆう。見ている方向が違うのに、そこにあった友情は偶然と必然の上で確かに存在していた。それを証明したのが方位自身という曲と、ラストシーンの4人の姿なのだろう。

ラストシーンの東ゆうが映画だけだとどうなったのかわかりづらくてXで見た人に聞いたところ、アイドルグループのリーダーになってたらしい。東ゆう、すげえじゃん!!この最後はかなり驚いた。
おそらくこの原作小説が他の人の手によって編まれたものだったら、最後は渋みを残すために大人になってアイドルはやれてなかったと思う。原作を書いたのが元アイドルの人だからこその味だな~。

また一ついい映画に出会えたタイムラインに感謝を…

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