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『カレーの日』は過ぎたけど

私はカレーが好きだ。
外食するときは高確率でカレーだし、インデアンのカレーを食べたいがためだけに車で3時間以上かけて帯広にだって行く。リトルスプーンのカレーが復活したと聞いて札幌市豊平区のこめますにも行った。勿論たまには自分でカレーを作ったりもするし、カレー好きが高じてカレー屋でバイトしていたこともある。無印良品のレトルトカレーもいずれフルコンプしたい。それくらいカレーが好きなのだ。

作る人によって味が違うが、みんな違ってみんな美味しい。それがカレー!
…そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
過去に一度だけ、心底不味いと思えるカレーに出会ったことがある。

それが大学時代に住んでいた下宿のカレーだ。

なんというかじゃがいもの自己主張が強いのだが、中途半端に溶けてヌメヌメしており、なんか味も土臭い。加えてルーは匂いが強いばかりでなぜか味がやたらと薄いので、全体的に前述の土臭いいもの味しかしないのだ。
直接関係はないが付け合わせのサラダにハエの死骸が入っていたことも。

そしてそのカレーは毎週決まった曜日に必ず出る。当時はまだ自炊する技術もなかったし貧乏学生だったので外食するお金ももったいないから食べざるを得ない。
途中で下宿から別のアパートに引っ越した友人が遊びに来た時、たまたまカレーの日で下宿のおばちゃんに勧められたがやんわりと拒否したのを今も覚えている。

何より衝撃だったのは後にゼミに所属した時のこと。歓迎会で先輩からどの辺に住んでいるのか聞かれたので下宿の名前を言ったら…

「あそこカレーが不味いって聞いたけど本当?」

そんなに有名だったのか。

時は流れ卒業後、一人暮らしを始めた時にふと「もしかして自分で作ったほうが美味いのでは…?」と思い立ち、なんとなく作ってみたら普通に美味しかったので、やっぱりあのカレーは不味かったのだろう。以来、自分が納得できる味を追求するようになり、今日に至る。
多分、不味いカレーを味わったことが自分をここまで突き動かしているのだろう。そういう意味では感謝しなくてはいけないのかもしれない。食べるのは二度と御免だけどな!

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