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再び引っ越す

今、下宿先を出る準備を始めた。
知人が、住民票を置いてもいいよと言ってくれて、そのまま2ヵ月過ごしたが、新しい仕事も始まり、職場に近いシェアハウスを見学に行く。

住民票も出すことになるから、今年になってから、同じ自治体での住所変更も含めれば、住民票を移すのは4度目になる。

そのたびに健康保険の還付を受けたり、年金事務所が変わったり、免許証の裏の住所が変更になってきた。

年始に取得したマイナンバーカードも、これからの引っ越しで、住所の印字スペースがすべて埋まる。また引っ越しがあれば、再発行しなければならないだろう。

知人の厚意で下宿させてもらい、沢山、できたこともあった。発達障害の診断を受けに行けた。職業訓練校の見学にも行けたし、新しい仕事が決まった。図書館が近所だったから、沢山読んだ。お土産の食べ物なんかも、たくさんもらったし、時には食事を分けてもらった。

前から邪魔で悩んでいた脱毛も開始した。Excelが入ってるパソコンを使わせてもらって、資格試験も開始した。これらに集中できたのは、7月後半から入居したが、7月後半分の家賃をなしにしてくれたからこそだ。仕事へのアドバイスももらった。

その一方で、辛いことも沢山あった。
空調がないから、40度近い室温で、太陽の移動に合わせて涼しい場所を求め、玄関や廊下に移動した。日中は、首にぬれタオルを巻いて、床に座ってボンヤリしていた。

知人は、自分は高齢だからいつ死んでもいいという考えでいて、普段は多くの時間が寝たきりだから、それを改善するつもりはないのだ。

また、いわゆる汚屋敷なので、グチャグチャを見続けるのが辛かった。知人は、それを自分の性格だというけど、明らかに病理だ。数時間空けて帰宅すると、更に悲惨な状態になっていることもあって、辛かった。

それは分かっていたはずでしょうと言われたけど、毎日過ごしても、目が慣れないことに驚いた。私はそういう方向の病理ではないのだろう。

空調がないから、冬は寒くなるが、知人は寝たきりだから構わない。でも私は寝たきりじゃ困る。

また、知人は私が提示した家賃額で、その場では頷くものの、納得しないのか、いくら払えるか、何度も聞いてきた。
だから、もっと額を上げた。食費や水道光熱費は含んでいないし、妥当と思った。

それでもまだ、納得行かないようだった。私の経済的な内訳を全部知りたい、一体どこまで払えるのかと何度も迫られたが、そこまでは言えないと話した。

「こちらからは言えないけど、あなたのお気持ちで、いくら払いますって言われたら受け取るからね」と、何度も言われたが、その言われ方だと、どこまでも不満を持たれるんだと知った。

違うタイミングで言われた「たくさん旅行をしたいから、お金がないんだ」という言葉がよぎった。私は、知人が大きな額の買い物を、どんどんしていく様子も見ていた。でもそこには、知人が、大きな額を出さないと、人付き合いが続かないんだな、というのも分かった。悲しいことだけど。

また、朝から晩まで、人々の相談電話に答えている知人を見てきた。人の相談に乗れるような知見があるのは、本当に素晴らしいことだと思う。その一方で、その相談に頭を取られて、何度も同じ考えをグルグルと口に出し続ける様子も見てきた。もしくは、言ったことを何度も取り消したり、取り消しを取り消したり。

どうして汚屋敷の手入れを放り出してまで、そんなに人に時間を与えるんだろうと思っていたのは、そうしないと人間関係が続かないんだと知った。

私は将来、そこそこお金を儲けて、年寄りになったら色んな人にお金を出していけたら、それが自分に合っているのだろうか。
無料で人の相談に乗っていく老人になれたら、それがいいと、知人を見て思っていたが、それよりも、大金を出さなくても続いていく人間関係がほしいと思った。

私みたいな行き場がなくて、身内に頼れない、実家に住民票を置けない若い人が、汚屋敷を見て見ぬふりして泊まりにくるんじゃなく、時には、動物や友達を招ける暮らしがしたいと思った。
好みの問題だろう。

汚屋敷に埋もれていく、高額な品物よ。
色々触らせてもらって、知見が広がって、面白かったのは本当だし、感謝している。
私も、知人と出会った頃は貧乏学生で、何度も奢ってもらった。

職場までの交通費も考えれば、都市部である職場近隣に住むのと変わらない。
その方がいいと思った。

知人と出会った学生の頃、継続する人間関係はほとんど、なかった。
今後も、この知人との人間関係は続くだろう。
私は気難しい人だけど、知人にとって都合がいい、貧しくて恩を売れる障がい者だから。知人もある意味、身内を見捨て、見捨てられた人なのだが、私も頼れる身内がいないから、ニーズが合っているんだと思う。

私は、どうにか実家を頼ったほうがいいと思っていたけれど、同じく実家に頼れない別の友人が、それを割り切ったことで、他に人間関係を作ったり、社会問題とかに興味を広げ過ぎず、しぶとく生きている様子を見て、私も割り切ったほうがいいと学んだ。

シェアハウスは空調があるから、いい。
決められた値段を一定に払い続けるはずだ。
また、大家が別に存在するので、汚屋敷ではないだろう。
季節労働で住んだ部屋のような、ボロアパートを借りようかと迷ったけど、本当に設備がみじめで、壁紙も暗くて、そうすると、私は精神的に落ちてしまうだろう。だからシェアハウスを選んでみた。

また、家具家電もついてるし、初期手数料を少なく済ませたいし。

精神科医の益田先生が、YouTubeで言っていた。
人脈は、資産なんだ。人間関係の継続は資産管理と一緒だ。たいていの人は下手だ。貯金も、忘れて寝かせたり、放っといたほうがいいと言いますよね、と。

私も、ああそうだ、資産だ、私も知人も、他の人間関係も、その程度なんだ。と納得した。

みじめだが、また、引っ越しをする。
季節労働先から、荷物を実家に送り、それをさらに7月、この知人宅に全部送った。少し頼んで置かせてもらおうかと思ったけど、絶対にこじれるから、諦めよう。

行先は、前から住んでみたかったエリアだ。友人が、そこで働くつもりと話していた数カ月前、

私は「すごいね。そこで働けるなんて、想像もつかないよ」とメールしたのを覚えている。学生時代から憧れはあったものの、自分には出来ないと、ずっと諦めていた。まさか、流れ流れて、まさにそのエリアに部屋を借りようとしてるなんて、不思議な気持ちだ。

また、私の恋人が、本当に同居始めようか?と連絡してくれた。
その言葉はありがたいけど、どう考えてもまだ準備というか基礎が出来てないよね、という話になった。
恋人を動揺させないよう、女性専用のシェアハウスにしようと思っている。

こうやって移動の費用がかさんで、また借金もできる。
だけど確かに前進している。

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