地球最古の「動物」の一種を新発見!「?」マークを背負うルンバみたいな生物
最初期に誕生した「動物」の一種が見つかったようです。
米フロリダ州立大学(FSU)は最近、南オーストラリア州にて約5億7500万年前に存在した新種の古生物を発見したと発表しました。
この古生物は丸くて平たいルンバのような見た目をしています。
それと同時に、自力での「移動能力」と体の「左右非対称性」を持ち合わせる複雑な多細胞生物であることも判明しました。
こうした複雑な多細胞生物、すなわち「動物」が誕生し始めたのは約5〜6億年前とされています。
つまり、この古生物は地球最古の動物の一つと考えられるのです。
研究の詳細は2024年9月3日付で科学雑誌『Evolution&Development』に掲載されました。
参考文献
元論文
A new motile animal with implications for the evolution of axial polarity from the Ediacaran of South Australia
https://doi.org/10.1111/ede.12491
ライター:大石 航樹(Koki Oishi)
愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
地球最古の「動物」たちが誕生した時代
地球上に生命が誕生したのは約35〜38億年前とされています。
最初の生命はたった1つの細胞からなる「単細胞生物」でした。
単細胞生物の細胞には、体を動かしたり栄養を取り込むための仕組みが簡素ながらまとめて備わっています。
単細胞生物の代表例は細菌やゾウリムシ、アメーバなどです。
それからしばらくの間、単細胞生物の時代が続きますが、約10億年ほど前に複数の細胞が寄り集まってできた「多細胞生物」が誕生しました。
多細胞生物は細胞ごとに役割分担をすることで、単細胞生物より高度な生命体へと進化を遂げます。
とは言え、ここで出現した多細胞生物たちはまだシンプルなものであり、その多くが海底に固定されていて、自力で自由に移動する能力を持ち合わせていませんでした。
しかし今から約6億年前に、現在の動物に繋がるようなより複雑な多細胞生物が急に現れ始めます。
これが「エディアカラ生物群」です。
エディアカラ生物群とは、南オーストラリア州アデレードにあるエディアカラの丘陵で大量に発見された化石群を指し、1947年に初めて発見されました。
それ以前に存在していたシンプルな多細胞生物より複雑であったことから、エディアカラ生物群は地球最古の動物の一群と考えられています。
ただエディアカラ生物群の中でも最初に出現した種がどのようなものだったのかはわかっていません。
そんな中、フロリダ州立大の研究チームは最初期に誕生した動物の一種を新たに発見したのです。
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