焼き菓子工房 アトリエ・エヌさん ぬくもりのある焼き菓子

※2023/9/9のギチの完全人間ランドオフ会に併せて執筆しました。
怠惰なのに凝り性なので、完全にぎりぎりに上げているので読み直してないです。悪しからず。

住宅街のなかの小さなお店


荒川区の商店街がジョイフル三の輪商店街。昔ながらの店と新しい店が混然としている、今も生きた商店街。
地元にはほぼ死にかけた商店街しかない、地方出身の自分からすると、こうしたいまだしっかり活性化している商店街を通るのは、なかなかに刺激的だ。

揚げ油のにおいが漂う総菜屋さんを少し行き過ぎれば、ギャラリーを兼ねたおしゃれなカフェもある。
商店の方々の努力や挑戦を否定するのではないが、決して無理をしているのではなく、地域の生活空間として商店街がしっかり機能しているのは、やはり都市での営みがに関わる人の多さがそれを支えているのだろう。

そこから歩いて10分ばかり離れた、住宅街に紛れ込むように、焼き菓子工房アトリエ・エヌさんは腰を据えている。
その所在を知っていても、うっかり行き過ぎてしま控えめさ。
しっかりと注視すれば、明らかに住宅街の建物とは際立つ愛らしい店構えなのに、それでも行き過ぎてしまうのは、そこに店を構えてから培ってきた年月により磨かれてなじんでいるからなのかもしれない。

愛らしいお店
馴染みすぎているがゆえ、見逃す。

こじんまりとした店内には、しかしバリエーションに富んだ焼き菓子がずらりと並んでいる。
マドレーヌやフィナンシェなどの定番な焼き菓子、濃厚なガトーショコラ、フルーツケーキ、クッキーはバニラや抹茶などのオーソドックスなものから季節の素材を用いたものまで。そして、何度見ても名前を覚えられないフランス語の美味しいやつ。
どれも目移りして、いつも何を買うか迷ってしまう。個人的には、小分けのメレンゲが嬉しい。

目移り、したい

瀟洒な焼き菓子

エヌさんの焼き菓子は、どれを食べても丁寧ではずれがない。
失礼を承知で言うが、どの焼き菓子も決して派手であったり、インスタ映えするようなきらびやかさはない。
しかし、それらは、熟練の丁寧な手仕事を積み重ねた上に生み出され、機能美とすら言えるような美しさをたたえている。

食べてみると、強い甘味や有無をうわせぬ香りでごまかすことなく、土台になる素材はこだわり抜き、素材が主軸に置いた素材がある場合にはそれらをしっかりと嫌味なく引き立たせる。
例えば季節の栗やサツマイモ、あるいはトマト(!)のクッキーなどを食べると、優しい味わいの中に、恐らくふんだんに用いられた素材がしっかりと感じられる。栗とサツマイモなら、ほくほくした感じを残しているし、トマトはバジルも合わせてしっかりとフレーバーを感じさせつつもバタークッキーとの調和してクリームソースのような印象を持つ。

口に入れてハッと驚くのではなく、食べると思わず嘆息してしまう美味しさ。
何度食べても飽きることなく頂ける深い味わい。
それが、エヌさんの作る焼き菓子の持ち味だと思う。

欲望
欲望

地域に根付いているということ

お店が忙しいゆえに、なかなかイベントやオンラインではお話しする機会がない店主のエヌさんだが、店舗に訪れれば優しい口調で楽しくおしゃべりしてくださる。
お邪魔するたびに、結構な長話をしてしまって、いつも申し訳ないのだけど、お話しつつもその合間に手早く挟む作業は、よどみがなく滑らかだ。

何度かお話しするにつれて、エヌさんに対して強い印象を覚えたのは、地域との結びつきを本当に大事されている方なのだということ。
例えば、店を構えた当初にはまだ幼かったお客さんのお子さんが、大きくなってからも来店されていたり。
夏場に訪れた時には「小学生でも気軽に食べれるように」とかき氷をお手頃な値段で提供していた、焼き菓子屋さんなのに。(ちなみに大人向けの手作りレモンシロップは絶品だった。)

クリスマスやバレンタインなどの一般的に忙しそうな時期だけではなく、年度末の贈答など、「忙しくないタイミングがほぼない」とおっしゃるのは、それだけ近くの人たちに愛されて、地元に根付いているからなのだろう。

あとは、「連休中はベンチ作りましたね」とか穏やかな口調でするっと言われるお茶目な方でもあります。
ジョジョが好きなんで、水を向けたら無限に話せますよ!

個人的なエピソードで言えば、昨年の11月に急にあることになった際に、私のキャラクターのプリントクッキーを焼き上げてくれていたり、私に縁深いメロンパンを焼き上げてくれていた。ちなみに、このメロンパン、初めて作ったとおしゃってましたが、全粒粉を使用したり、バニラフレーバー聞かせたりとさすがの工夫が差し込まれていて、非常に美味しかったです!

初製作…?
かわいい。食べるのにだいぶ覚悟がいた。

アトリエ・エヌさんの焼き菓子を楽しみたい方は

実際に店舗を訪れているエヌさんの人柄に触れてほしいとは思うが、今回2023/9/9のギチの完全人間ランドの大阪オフ会ではエヌさんの焼き菓子の詰め合わせが購入できる。
しかも、可愛らしいプリントクッキーもついてくる。

以下のサイトから通販でも購入できるので、ご興味ある方はぜひ深く丁寧な味わいを堪能してみてほしいです。


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