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水原一平氏の賭博報道から分かる「世の中の価値観」の歪み

大谷翔平選手の専属通訳であった水原一平氏の違法賭博問題が、毎日報じられている。
当初の米メディアの反応は、「ほんとうに関与していないのか」「450万ドルも大金を自分の口座から送金されていて、気づかないわけないだろう」「そんなお金に無頓着な人間がいるのか」など、厳しい論調が多く、日本のメディアやSNS等の書き込みも、同様の反応が多かった。

3月26日、大谷選手は会見を行い、大谷選手自身はスポーツ賭博に関与してないこと、水原氏が大谷選手の口座からお金を送金したこと、また周囲の仲間にも嘘をついていたことなどを説明し、違法賭博への関与を完全に否定した。

しかし、そのあとも「どうやって450万ドルもの大金を何回かに分けて送金できるのだ。それが明らかにならなければ、ほんとうには白とは言えない」というようなメディアや世間の人々の反応は変わらず多い。

なぜ、そのような論調になっているのでしょうか。

それは、「お金に勝る価値はない」「お金は誰にとっても最高に魅力あるもの」というような拝金主義の価値観がはびこっているからです。
その価値観が当たり前だと思っていて、大谷選手のような、そういった拝金主義の価値観に侵されていない人を見ても、「そんなわけがない」「そんな人がいるわけがない」と思い、逆に疑っているわけです。

大谷選手は、トレーニング、食事、睡眠など、すべてを野球のため集中して来た結果、二刀流で大成功したことを多くの人が目の当たりにしてきたはずです。
また、エンゼルス入団時は、メジャーリーグ最低保障の54万5000ドル(当時約6200万円)という破格の安さで夢だったメジャーの舞台に身を投じたことや、日本国内すべての小学校に約6万個のグローブを寄贈(1個1万円程度なので約6億円)したこともありました。

これまでのこのような行いや、「大谷翔平」という人間がお金に対してどのような価値観を持っていたか分かるエピソードは数え切れません。

大谷選手は、エンゼルス時代は年間7000万ドル(約105億円)を手に入れ、ドジャースとは10年総額7億ドル(約1015億円)で契約したと言われています。
人は、手に入れる金額が大きくなればなるほど、お金に対する関心や物欲、執着が無くなっていきます。
どれだけ使っても使いきれないわけですから、言わば「お金のいらない世界」に住んでいるのと同じなのです。
でも、拝金主義の価値観や実態のないマネーゲームに奔走しているような人たちは、それが分からないのだと思います。

大谷選手と水原氏との間には、多くの人が知っているように単なる通訳ではなく、大きな信頼関係があったはずです。
だからこそ、送金しようと思えば操作できるように水原氏に任せ、例えば契約金等の確認や、契約通りきちんと履行されているかなど(契約内容はもちろん英語)、大谷選手に代わって確認するために、その対応に伴う情報を、水原氏に共有していたとしても全く不思議ではありません。

水原氏が「大谷選手と共に送金作業をした」と最初に言ったのは、水原氏自身の自己保身から、そう言わざるを得なかったのでしょう。

いずれにしても全幅の信頼を置いていた水原氏の今回の事件に対して、真実を自らの口で説明するのは、大変な辛さがあったと思います。
でも、「こういう価値観を持つ大谷翔平」だからこそ、結果を残し、人々に夢と希望与えられる、ということをさらに証明してくれる今シーズンになることを心より願っています。

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