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嫉妬という感情の取り扱い方法

 『嫉妬』という感情を抱いてしまうのは、とても苦しいですよね……。アベルとカインのお話や、郭公と時鳥の逸話にも描かれるほど、古い昔から人々は『嫉妬』に苦しめられてきました。

 そして宗教や哲学や脳科学や、その他あらゆる方法を使って『嫉妬』を克服できるよう試行錯誤してきましたが、人類はいまだ画期的な解決方法を見出していません。

 それくらい、『嫉妬』という感情はコントロールが難しいのです。人が動物であった頃から『嫉妬』という感情はあるそうですから、当然のことなのかもしれません。

 では、解決方法が無いのか……というと、そういうわけではありません。

 まず一つ。『嫉妬』は全て悪しき感情なのか?という問題です。誰かを羨ましいと思うこと単体は、善でも悪でも無いと思うのです。

 相手の良い点を見つけ羨ましいと思う気持ちは、「私もそうなりたい」という成長への原動力になります。どうすれば相手のようになれるのか、相手がどんな努力をしているのか、よく見てよく知って真似をすることができるのならば、その『嫉妬』は「良い感情」だと言えるのではないでしょうか?

 持っていけないのは『嫉妬』により、相手がその嫉妬の対象物・能力を「失えばいいのに」と願い望む感情です。その願いが叶ったところで、相手の物・能力が自分の手に入るわけではありませんし、ただお互いが不幸になるだけです。

 もしあなたが抱いてしまっている嫉妬がこの種類であるならば、たとえ好きだとしても急いでその相手から離れてください。ミュートでもブロックでもとにかく見ないようにする方が賢明だと思います。

 抱いてしまう感情を、無理やり押し殺すのはとても苦しみを伴うものです。嫉妬の感情が落ち着くまではできるだけ見ないようにするのが、あなたのためであり、相手のためでもあると思います。

 そしてもう一つ。そもそも嫉妬しないよう心がけることです。前述したように、すでに様々な宗教や哲学、脳科学の分野から色々な「嫉妬という感情の抑え方」に関する本が出ています。方法は本当に様々で、人によって合う合わないがあると思います。

 参考になるかはわかりませんが、一つの案として私なりの抑え方について書かせていただきますね。

 例えばですが……文豪の作品を読み、その表現や発想に打ちのめされ、その才能に嫉妬して作品を読めなくなる……ということはありますでしょうか?おそらく、ほとんどの人は文豪に対して『嫉妬』の感情を抱かないと思います。

 それはなぜか。私は「明らかに相手の能力が上だと認めているから」だと思います。『嫉妬』をする、ということは「あと少しの差(例えば運など)で相手に勝てる」という思いがあるからこそで、「どうあがいても勝てっこない相手」に対して嫉妬しないのではないでしょうか?

 だから私は、人様の書いた作品を読むときは必ず、ブクマ数やイイネ数にかかわらず「私よりとても上手な人が書いた作品だ」と思って読むようにしています。ちょっとやそっとで敵うわけがない相手の文章であれば、憧れこそすれ嫉妬に苦しむことはないからです。

 そんな考え方だと、自己肯定感が失われるんじゃないか……と思われるかもしれませんが、本来の『自己肯定感』とは「自分ができようがダメだろうが、そのままで良い」と感じられることですので大丈夫です。

 私は基本的に「自分のフォロワーさんはみんな自分より何かしら優れた人たちで、見習うべきところがいっぱいある」ということを思いながらTLを読んでいます。事実がどうあれ、そう思って周囲の人と接すると『嫉妬』を抱きづらく心穏やかに過ごせます。

 ただ、私の考え方がすべての人に効果的かどうかはわかりませんし、もし効果的だったとしてもすぐに考え方を変えるのは難しいと思います。

 何事も、無理はしないほうが良いです。どんなに好きな作品だったとしても、読んでいて辛いのなら今は読まないほうが良い時期なのだと思います。

 読書は登山と似ています。どんなに素晴らしい景色の山であろうと、心身の調子が悪い時に上ったら景色は楽しめませんし、下手をすれば遭難してしまいます。

 まずは一度離れて、準備を整えることをお勧めします。あなたの創作活動が、楽しいものとなるように祈っております。


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