見出し画像

#6「アートの自由」と私の固定観念

noteを始めて1週間ちょっと、思っていたより記事を見ていただいたり反応をいただいたりしてとても励みになっています。
本当にありがとうございます。
コメントはどうやら個別返信機能がないみたいなのでスキを押すのみにしていますがしっかり読んでおります☺️
今回は「アート(芸術分野)に対する苦手意識」について思ったことや自分の経験、それらの経験に基づく考えについてまとめました。


12月3日、4日の2日間、宮崎駅前の広場で「みやざき みんなート」というアートイベントが行われました。
私は2日目に行き、友人の出展スペースやステージでのトークイベントを楽しみました。
そのトークイベントの中で「アートとは何か」という話をしていた時に「アートとは生きる術」「もっと気軽にアートに触れてほしい」というような言葉が飛び交い、私はそれらの言葉にうんうん頷いていました。
アート(芸術分野全般)がなければ、私はもっと早く精神的に壊れていたのかもしれないと改めて思いました。好きな絵も、漫画も、音楽も、ダンスも、それら全てが「アート」なんだ、そしてそれらを鑑賞することも「アートへの参加」なんだと気付かされたトークイベントでした。
そのトークイベントのお話を聞きながら最近の自分のアート事情について改めて思い返して気付きがあったので今回はその気付きをまとめたいと思います。


最近私はアクリル絵の具を使った絵画制作に力を入れています。
最近は絵の具による厚みだけでなく、盛り上げ剤を使った厚みを作品の中で活かしたいと思い、先日初めて「ライトモデリングペースト」という下地盛り上げ剤を購入しました。
そもそも私は絵を描くことは好きなのですが、筆を動かす以外の工程、例えばキャンバスを自分で張ったり今回みたいに工夫して下地を作ったり……そういった作業が大の苦手です。
今回は私の「美術に関する苦手なこと」を中心に気付いたことを書きたいと思います。



私は昔から工作・立体制作が大の苦手で、はっきり言ってしまうと嫌いです。
幼稚園の時の工作や折り紙で躓いて以降ずっと苦手で、小学校・中学校の図工や美術の時間はあまり好きではありませんでした。
粘土や紙での工作等立体制作をしなければいけないからというのもありますが、絵を描くにしても「こうやって描かなきゃダメ」という先生の押し付けがあり苦しかったからです(特に小学校)。

高校では主に絵画やデザイン等平面の授業が中心でしたが、もっといろんな分野に目を向けた方が良いのではないかと思い大学は絵画・デザイン系ではなく美術全般を幅広く学べる学科を選択しました。

結論から言うと、やっぱり私は立体制作を好きにはなれなかったし今でも苦手なままです。でも、それはこの学科を選んだからこそ気づけた事だと思っています。
金工、染色、陶芸、スチレンボードや様々な材料を使用しての立体作品制作、織物、図学、彫塑、インテリアデザイン……全部基礎(入門的な)の授業を受けてみましたが苦手だったし、制作した作品も全部ボロボロでした。銅版画の授業は少し楽しかったですが、刷った後のイメージを想像したりプレスするための作業とかが大変だなと思いました。

恐らくですが、私は空間把握能力が低くそれに加えてかなり手先が不器用なんだと思います。
立体作品を制作する前にどういった作品を作るか考えますが、その頭の中で考えた作品のイメージと実際に出来る作品がかなりかけ離れているんですよね。
不器用というのは、陶芸で粘土を練っている時もどんなに丁寧に頑張っていてもひびが入ってしまったり、形が崩れてしまったり……
挙句の果てには先生に「もっと丁寧にやってみたら?☺️」と優しく諭されました……
それ以外にも染色・陶芸・織物の授業で感じたのが、工程が多すぎるとその工程の多さに頭がパンクしてしまうということです。
そしてその工程のどこか一部分でも理解できないと自分でも驚くぐらい混乱してしまうんです(個人的に数学もこういった感じで混乱してしまうので苦手だし少しトラウマです)。
でも先生達はその道の専門家だから私が何を理解できていないのかがどんなに説明しても理解できない。
だから余計に「苦手」「嫌い」という感情に拍車がかかってしまいました。


逆に絵画は大学の授業を通してもっと好きになることができました。
自分が思ったことをキャンバスにそのまま描いていいんだ!って思えたし、それを肯定してくれた当時の先生にも感謝しています。

でも絵画の授業の中でも苦手なことはありました。
それはキャンバスを自分で張ったり、キャンバスに和紙等を貼り付けて下地を作ったりしたこと、日本画の授業でいうと絵の具を顔料をもとに作ること、金箔を貼ること…………

私は本当に筆を動かす以外の動作が苦手なんだなって思いました。


そんな私にちょっとした変化が訪れました。

実はここ数日前まではキャンバスの下地作り(ジェッソやモデリングペーストを塗る、その他様々な素材を使用すること)にも苦手意識がかなりあり、なかなか一歩を踏み出せませんでした。
ですが先日「宮崎市美術展」の作品を見て他の方々の作品に刺激され「もっと自分の絵の幅を広げたい」と思い、自然と下地に力を入れてみよう!と思ったのです。
別に「下地作るの苦手だから克服しよう」と思ったわけではないのに自然とそういう気持ちになったのです。

「あ、苦手なことって克服しようと思ってできるものじゃないのかもしれない、自然とやりたいと思った時にやれば良いのかな」と思い少し肩の荷が降りました。

私は何に対してもガチガチに真面目に考えすぎる癖があります。
「絵を描くことが好き」と人に言うと時々工作とかも得意なんだと思われてしまうことがあり、私はそれがとても嫌でした。
だから少しでもそれを無くしたくて大学に入ったけど結局苦手なものは苦手なままで。
でも苦手なものは苦手で良いんだ。
私のことを工作が得意だと勘違いした人だって別に私が工作が苦手なことを責めているわけではなかったのに。
私が勝手に「美術が好きなのに立体制作や工作が苦手なままなんてダメだ!」って思い込んでただけだったのかもしれない。

本来「アート」って楽しいものなのに。

自分で自分の首を絞め過ぎていたのかもしれない。


今回のイベントで改めて「アート」の自由さを感じることができました。

「表現することは苦手だけど鑑賞することが好き」な人もアートの参加者だし、思っていた以上にアートは身近で自由なものなんだハッと気付かされました。
参加したくない人は無理して参加する必要もないし、「こういう表現をしたいけど自分は下手だから……」って遠慮する必要もない。
「こう描かなきゃいけない、こう表現しなきゃいけない」というルールもない。

(※デッサンや仕事でデザインをする場合はまた別の話だと思います)

作家の皆さんがそれぞれ好きなジャンルで出展して、好きなようにステージでパフォーマンスしていて、「みやざき みんなート」は素敵な空間だと思いました。
こんな素敵なイベントに参加できて良かったです。

こういった機会がもっと宮崎で増えるといいな。


いつも以上に勢いで書いた文章なので読みにくかったらごめんなさい。
小さい頃からずっと絵を描いていた私でさえハッとした、いろんなことに気付かされたすごいイベントでした。


kuma

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?