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原体験 〜個別指導の講師〜


前回のnoteを書いてから1週間経った。

最初は日記チックに1日1noteを目指してみようと密かに思っていたが、前回記事のように単に住む場所の話を書くだけでも意外と書き進めるうちに色々考えることがあり、話が長くなり、まとめるのに時間がかかった。

改めて身の回りにいる新聞書き、noteをこまめに書いている人は変態だな(すごいという意味で)と思った。

それはさておき、今回は大学時代に5年やっていた個別指導のアルバイトの話を書きます。興味ない人はスルーしてください。

あと書きながら改めて、結構思い込みが激しいタイプ、かつ言い方が強めなので、イチ個人の感覚として読んでいただけると幸いだ。

個別指導アルバイトのきっかけ

僕は大学時代、関西の実家である西宮で個別指導塾のアルバイトをしていた。

京都の大学に通っていたが、親との関係も色々あり(この辺りも追々書こうと思う)、週末は西宮に帰るという前提で一人暮らしの許可を得た。

当時友達からは不思議がられていたが、交通費も出て時給が良いという観点から、週末は2時間かけてバイトをしに西宮に戻り、実家に帰省していた。

学習環境

2000年代後半時点ではあるが、西宮の学習環境も色々とあった。

有名私立中高(※)が周りの至る所にあり、電車で比較的通いやすかったことから、色んな学校を目指す小学生、実際に通っている中高生が塾に通ってきた。

※灘、甲陽、六甲、高槻、天王寺、西大和、関学、同志社…。順番に他意はない。書いてたら懐かしくなってきた

教えていたもの

大学生だった僕は、中学受験はしていなかったものの、一応有名大学をに入っていたので、何でも屋として色々教えていた

対象は小3〜高3、科目は算数、理科、国語、数学、英語、物理、化学などだ。

かなり周りの学生講師がアツイバイト先だったが、そんなにどっぷり浸かる方ではなかったので、週2-3日、生徒は14人くらい?を毎週見ていたかと思う。


印象深い生徒

僕が見ていた生徒で最も印象深く、かつ、原体験になった子(達)がいるので、そこを少しだけ書こうと思う。

学校名はもちろん控えるが、中高一貫校に通っていた。学校での成績はお世辞にも良くない。例えば、300人中280位くらいだ。

個別指導という性質上かもしれないが、僕の周りにはこうした生徒が多く、何故か僕はこうした子をよくあてられていた。学校も色々、男の子もいれば女の子もいた。そして、それらの子にはある共通点があった。


共通点①テストの点数がとにかく取れない

例えば英語の関係代名詞を教える。ふんふん、となって授業が終わる。次の週、確認テストをやる。英語は単語テストをやる。これも比較的できる。もちろん70点くらいだけど。

ただ、どれだけやっても学校で良い点数が取れない。

もちろん、そこまでガツガツ勉強をやっていないことはある。僕が実施していた確認テストだって、授業直前にちゃちゃっと前の教科書を見返したり、単語帳見ればできるような簡単な問題にしていたから。

でも、感覚的にはもう少し取れる実力はあった。例えばテストで30点を取ってきて、解説した様子を見ていても、ポカミスで60点くらいにまで伸びる。そうすれば、下位10%に入ることなんて決してなかった。

並行して公立の中高に通う子も見ていたからよく分かる。教えている立場からすると、人にももちろんよるが、これらの子の方が理解が良い。

テストはもちろん私立学校の方が少しは難しかったかもしれないが、同じ単元レベルではそんなに大差なかったように思う。

とにかく、点数と実力が合わないのだ。

共通点②自分に自信がない

とにかくここに尽きる。

テストの話で何で取れなかったんだろう、と言った話をしていても、最後には決まって必ずこう言われる。どうせ僕/私は、と。

これは、本人の状況からすると分からなくはない。

彼らは中学受験に向けて必死で勉強してきたはず。少なくとも5年生、6年生は頑張ってたはずだ。じゃないとなかなか入れない。

必死で入ってやったー。親の期待に応えた!

でも実際入ると、授業のスピードが早い。また、周りには相当できるやつがいる。あれ?と思う。

実際テストでも点数が取れず、親におそらく怒られていたんだろう。親からしたら必死にお金を払って小学校の頃から塾に行かせて、さらには中高と高い学費を払っている。うまくいけば大学受験を経験せずそのまま進学させることもできる。

高望みはしていなくとも、この点数はないでしょ、と思う。

親から怒られているうちはまだ良いかもしれない。そうした状態が続くと段々親も放置がちになる。すると、子供はますます自信を持てなくなる。

学費が大変だけど塾に通わせるしかないか、と、塾に通わせる。しかし、学校についていけてないのだから、うまく集団塾には馴染まない(ことが多い)。

こうして、もちろん家庭教師とかもあるが、さらに授業料が高い個別指導に通わせるのだ。

ちなみに、上記はかなり主観的だ。数少ない体験の中から感じたことだし、必ずしも多くの生徒に当てはまるものではないかもしれない。気分を害した関係者の方がいたら申し訳ないです。


僕の対応

僕が考えていたのは、こうした生徒には究極的には勉強を教える必要はない、ということ。

具体的には関係代名詞の和訳の仕方、だの、二次方程式の解き方、だの、はいらない。頭は悪くないから。何なら受験に通ってたこともあり良いと思っていた。

だからこそ、自信を持たせたかった。勉強の何かの科目でも良い、部活でも良い、趣味でも良い。何か自分にはこれがある、と言うのを見つける手助けをしたかった

ただ、僕が見ていた子達は部活に入っておらず、あれは?とかこれは?とか色々聞いたような気がするが、僕の引き出しの幅も少なく難しかった。

結果、何もないなら、何か見つかった時に後悔しないように、うまく勉強しておくしかない、みたいな論理でねじ伏せて(?)、説得を試みていたように思う。


1人の生徒の結末

また長々と書いてきてしまったが、こうした生徒のうちの1人が、自分に与えた影響が非常に大きい。

この子はほぼ上に書いてきた通りで、中学校2年くらいから見てきた。

5年間講師をしていたので、高3まで英数を主に見ていた。

通っていた学校は大学まであったので、よっぽどのことがない限り、進学できるような状況にあった。

ただ、その子は成績がほんとに下位10%ぐらいだったので、内部進学できない可能性があった。

やっぱり講師という立場上、大学には進学させたかったので、必死に準備をしてきたが、結局進学の条件を満たせなかった。

3月の末、一緒に見ていた学生講師から話を聞いた。どうやら、親に内緒で高校を中退したとのことだった。

話を聞くと昔から○○をしたかったから、この決断で良いとのことだった。

まとめ

まとめられるとも思えないが(笑)、これが自分の1つの原体験だ。

結果として、まだどうすべきだったかの結論は出ていない。

その時はやっぱり僕みたいにその子たちからすると立派な(ように見える)大学に入っていた人間がどれだけ言っても刺さらないのかなと思っていた。

しかし、最近色んな人の話を聞くともしかしたらそうでもないかもと思うようになった。

僕自身がもっと失敗談とかを話したり、もっと話を引き出す努力をしていたり、別の人を紹介したりできれば状況は違ったのかもしれない。

当時の生徒に話を聞いてみても良いのかもしれないな。ちょっと自信ないし連絡先知らないんだけど。

ただ、この体験も間違いなく大きなもので、だからこそ周りの人がイキイキと過ごせる環境を創りたい、みたいなことを考えているんだと思う。

あとは、そうした子に対応できるよう、自身を磨き続けて選択肢を与えられる人間になりたいということと、自分にない強みを持つ周りの人との繋がりを大事にしたいと思う。

改めて文字に起こすと良い棚卸になった。

ツヅク



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