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特集 行き詰まっていない時

上司が体調を崩して長期の療養に入り、フォローに入るかたちで必然的に仕事が立て込んできたのと同時に、同僚の新型コロナウイルス感染症による休暇や私の家族も感染が確認されたりして隔離されているうちに、雪だるま式に業務量が膨れ上がっていった。

残業や休日出勤でひたすら作業をこなしていく日々に、先日などは朝からわりと重めの商談が控えたなか、ここ数日の寝不足で気怠い疲労を宿しながらも、そこからさらに数日前には10年に一度とかいう寒波がそこかしこに爪痕を残していったおかげで、国道を通る車はうんざりするような列を作っていて、私もその隊列の一員だった。

いま、私は行き詰まっている。と気付いた。

些末時研究 第八号



ちょうど最近、些末時研究というリトルプレスを入荷したところで、最新号の第8号が『特集 行き詰まった時』とあった。
ふむふむと読み進めながら、行き詰まっていない時の自分を想像しはじめたのだが、これが困ったことに、いったいいつが行き詰まっていないのかが皆目わからなかった。


よし、私はデフォルトで行き詰まっている。うむ。

と関心している場合ではないため、ふと最近のことに頭を巡らせてみると、冒頭のことがもやもやと浮かんできたというわけなんです。風をあつめたい。

些末時研究 第八号


私などは壁にぶつかったときに、特効薬的な何かを持ち合わせてはいないため、速度の低下やよもやの停止ともなると、その流れに合わせるしか方法を持ち得ていない。

そこはやはり本屋らしく本に、とくに古典とかベストセラーとか、それこそ入荷したばかりの些末時研究に、行き詰まった人向けの解決方法が書いてあるかというと、たとえ書いてあってもきっと答えにはなっていないと思う。
さりげなく入荷本の宣伝を入れたのに。

でも、いまの私は本を読むしかないのだ。

なぜなら、行き詰まっているから。

いま思えば、『特集 行き詰まった時』って、なんて素晴らしい企画なんだろう。

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