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日本酒まちがいさがしvol.1『日本酒の【純米吟醸酒】とは?純米大吟醸の違いや選び方のコツを解説』

ナカムラ440と申します。ふと気になった日本酒の記事を書いていきます。

最近は日本酒がとても人気があるのでいろんなサイトでも見かけることが多いですね。日本酒で使う言葉や単語は難しいものが多いので日本酒のことを知っていく覚えていくのにとても役に立ちます。私も2年前にSAKEDIPLOMAの勉強をしているとき、テキストをやり込むだけだとどうしても情報が一面的になってしまって、質問の切り口が変わると正解がわからなくなってしまう、なんてことがありました。そんなときにはニュースサイトや日本酒関連サイトの記事がとても役に立ちました。

でも鵜吞みにしないでください。中には間違ったことを書いているものもあります。せっかく日本酒を覚えようとしているのにそれでは困ってしまいますね。なので日本酒記事の間違いを探しながら、正しい知識を身に着けるサポートをしていきたいと思います!第1回は「オリーブオイルをひと回し」の記事を取り上げます

オリーブオイルをひと回し とは

第1回は「オリーブオイルをひとまわし」の記事からです
ちなみに「オリーブオイルをひとまわし(略称:オリひと)」とはこんなサイトです

知識で広がる、男の暮らし
知識をきっかけに、家族の暮らしを豊かにする
男性のための料理・家事メディア
男性が料理を嗜み、掃除や洗濯などの家事を日頃からすることは、
今では当たり前になっています。
そんな社会でより豊かに生きる男性に必要なもの、それは "知識"。
なぜならば、ちょっとした"知識"で、面倒な掃除や洗濯が
楽しくなり、料理も劇的にうまくなるからです。
そう、それはちょうどオリーブオイルをくるりとひとまわしするように。
そして、 "知識"が家族のコミュニケーションのきっかけとなり、家族に笑顔が広がっていく。
そんな未来を思い描き、仕事でも家庭でも頑張る男性を応援するために、
食や暮らしに役立つ情報をお届けしていきます。
リンク https://www.olive-hitomawashi.com/about/


ではでは2019年10月23日の記事
『日本酒の【純米吟醸酒】とは?純米大吟醸の違いや選び方のコツを解説』を題材にして始めます
https://www.olive-hitomawashi.com/column/2019/10/post-6680.html

以下、オリひとより引用しながら、間違いの個所を太字にしていきますので、何がまちがっているのか考えてみてください。

今回のお題

====引用ここから====
純米大吟醸と純米吟醸酒と聞くとどのようなイメージを持つだろうか?「美味しいけど、高級そう」このようなイメージの人が多いのではないだろうか。そして、純米大吟醸と純米吟醸酒の違いは知っているようで知らないという人も多いはず。そこで、自分好みの日本酒を選ぶためにもこの両者の違いについて説明する。

1. 純米酒とは
純米酒の原材料は米・米麹・水の3つのみである。日本酒を製造する過程においては、純米酒以外のものは米・米麹・水以外に醸造アルコールが添加されている。この酒のことはまとめて、醸造酒と呼ばれる。そのため、日本酒は大きく2つに分けて、純米酒と醸造酒に分類できる。純米酒は米の旨みやコクをしっかりと味わうことができるので、日本酒好きの人から好まれる傾向が強い。
◆醸造アルコールは決して悪者ではない
醸造酒に使用されているのが醸造アルコールである。醸造アルコールは純度が高く、主にサトウキビから作られる蒸留酒である。無味無臭であるので、味に影響を与えることはほぼない。添加物という扱いになるので、犬猿されることも多いが、酒質をサラリとして香りをよくしてくれる働きがあるので、醸造アルコールを添加することが一概に悪いとはいえない。好みによっては醸造酒のほうが飲みやすい場合があるので一度は試してみてほしい。


2. 大吟醸酒と吟醸酒の違いとは
大吟醸酒と吟醸酒はともに、吟醸造りという製法が用いられてできる日本酒である。吟醸造りは精米歩合を60%以下までに精米された米を低温である10℃前後で時間をかけて発酵させる。低温で長時間発酵させることで、華やかでフルーティーな吟醸香をもつようになるのが特徴である。ただし、この発酵のために使用する酵母の種類や要する時間などに関しては統一された規定は存在しない。そのため、選ぶときには酒蔵のこだわりなどを参考にして選ぶのがおすすめである。
◆大吟醸酒と吟醸酒の違い
大吟醸酒と吟醸酒の違いは使用する酒米の精米歩合である。大吟醸酒が精米歩合50%以下の酒米を使用するのに対して、吟醸酒は精米歩合60%以下の酒米を使用する。精米歩合によって日本酒のでき映えの優劣が決まるわけではない。そのため、必ずしも精米歩合の低い大吟醸酒のほうが美味しいとはいえない。しかし、大吟醸酒の精米歩合が低いので発酵の際に出てくる吟醸香が華やかである傾向が強い。一方で、吟醸酒は濃厚でコクのある味わいとフルーティーな香りのコントラストを楽しむことができる。また、銘柄でも異なるので、自分自身の好みで選ぶことがおすすめである。可能であれば飲み比べしながら選ぶのがよいだろう。


3. 美味しい純米吟醸酒の選び方
純米吟醸酒は濃厚でコクがある味と華やかでフルーティーな香りが特徴の日本酒である。純米吟醸酒は熱燗にすると、含まれているクエン酸がバランスを崩してしまうので味が落ちてしまう。しかし、米の旨みのほうが濃厚で吟醸香が少し弱い純米吟醸酒もあり、それらは味吟醸と呼ばれている。
この味吟醸は純米吟醸酒の特徴である香りが控えめであるので、料理の味を引き立ててくれる。また、香りが控えめであるので、温めすぎなければ、冷酒でなくても美味しく飲むことができる。そのため、この味吟醸は食事と一緒に冷酒やぬる燗にして楽しむのがおすすめである。


結論
純米大吟醸酒と純米吟醸酒は米の精米歩合だけの違いであるが、どちらが質のよいものであると決めることはできない。それぞれに味わいや香りのよさがあり、個人の好みに左右される。米の旨みとフルーティーな香りを楽しむことができる日本酒であるので自分好みの味や香りを見つけて冷酒で楽しんでみてはいかがだろうか。

====引用ここまで====

間違い探しの解説

さて、おかしなところに気付かれましたでしょうか?一見すると正しそうですね。1個ずつ解説していきます。
まず、「1. 純米酒とは」で見ていくと、
「~醸造アルコールが添加されている。この酒のことはまとめて、醸造酒と呼ばれる。そのため、日本酒は大きく2つに分けて、純米酒と醸造酒に分類できる」
という表現があります。これはかなりの間違いです。

醸造酒は通常、蒸留酒と対比させる文脈で使います。醸造酒は日本酒やワイン、ビールなど果実や穀物を発酵させて造ったお酒のことで、蒸留酒は焼酎やウィスキー等のことで醸造酒を蒸留したお酒のことです。「純米吟醸酒」や「醸造アルコールを添加した日本酒」は日本酒の種類のひとつなのでもちろん醸造酒です。なぜこんな当たり前のことを間違ってしまったのでしょうか。。醸造アルコールが添加された日本酒は「アル添(アルコール添加)」と呼ばれ、どちらかというと悪い意味で使われて来た歴史があります。もちろんアル添酒だから品質的に劣るわけではありませんが、付いてしまった悪いイメージのせいか最近ではアル添された酒を「本醸造酒系」としてアルコールの添加されていない「純米酒系」と対比させて用いることがよくあります。筆者はここを誤解してしまったのだと思います。

つぎに、「2. 大吟醸酒と吟醸酒の違いとは」にある「吟醸酒は濃厚でコクのある味わい~(略)~」ですが、吟醸酒に対してあまり「濃厚でコクがある味わい」という表現はしないですよね(もちろんそういう酒質の酒もあるでしょうが)。大吟醸酒との比較で書いたとしてもちょっと配慮が足りないのではと思ってしまいます。

そして、「3. 美味しい純米吟醸酒の選び方」に登場する「味吟醸」という表現ですがこの言葉このサイトではじめて知りました。たしかに吟醸作りで醸しているものの吟醸香があまりしない酒も多くあります。そういう酒をどう表現すればいいか良いアイデアがなかったのですが、「味吟醸」という表現はなかなか面白い表現だと思います。ググってみたら大手蔵として有名な沢の鶴酒造が出展でしょうか。沢の鶴によると、香りを重視した吟醸は「ハナ吟醸」、味わい重視を「味吟醸」と分けているようです。

SAKEDIPLOMAや利き酒師の試験でも酒の分類と特定名称の分類は頻出ですので、しっかり覚えておきましょう!

参考

アルコール添加については朝日酒造のこのサイトが分かりやすいです

https://magazine.asahi-shuzo.co.jp/know/315

味吟醸についてはこのサイトに記載がありましたhttps://www.sawanotsuru.co.jp/site/nihonshu-columm/knowledge/ginjo-sake/

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