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リスクを冒さないことこそが最大のリスクである

タイトルは最近よく見るスマホのCM、のパクリである。最近一番お気に入りのキャッチフレーズで事あるごとに使っている。

もう7,8年くらい前になるだろうか、Facebookで見つけたとある方の『自分の強み発見講座』という講座に申し込みをしたことがある。
当時まだ次女が幼稚園入園前、自分に何が向いているのかがいまひとつわかっていなくてこういう講座に参加したらわかるかも!と申し込み楽しみにしていた。講座は5000円するかしないかで場所は湘南のオシャレなカフェ、子連れオッケー。日中時間があったし何より外に出られる機会がやたらほしかった。ただ遊ぶだけではない、外出の機会を欲していた。

その講座は結局直前になり都合が悪くなって行かなかったのだけれど、その講座の先生とFacebookで繋がり、それ以来その先生の投稿はずっと読んでいた。

が・・・・あるときからだんだんと投稿内容が
『子どもの育て方とママのファション講座』という縁のない人にとっては魔訶不思議な取り合わせの内容になりさらにその講座にインストラクター養成講座なる講座も現れた。おお・・・とURLを開いてみたらその養成講座の金額がなんと 

30万。

気象予報士(今、朝ドラでトレンディな資格)、行政書士、宅建、保育士、マニアックなところで通関士などの資格取得講座ならわかる。けど、民間のこういう講座が自分でできるようになるために30万!主婦にはなかなかの金額だ。ケチな私はインストラクターになって講座を開催し30万回収できるのはどれくらい人を集めるんだろう・・・という疑問が先立ってしまった。

だが、一部のターゲット層にとっては、ドンピシャすぎるくらいキャッチーなお困りごとなのも事実。
そして、『インストラクター』という肩書き。
上手いなあ、がまず第一印象だった。

ほどなくして、その先生の投稿の中に『月商7桁』という数字まで踊りだした。そりゃ1人30万で4人参加したら100万超える。算数の苦手な私でもわかる。
時々、出張講座です!と新幹線のグリーン車でノートPCを使っている写真なんかも登場する。仕事したいと思いながら日々あくせくとワンオペで乳幼児育育児している専業主婦に『起業家、インストラクター、月商7桁、グリーン車で出張』正直たまらない光景。この写真を見て、そうなっている自分を空想してへそくりの30万を払った人はいったい何人いるんだろう。

ところが・・・
数年後その先生、ある日突然『諸事情により今日を持って会社代表をやめます』と宣言してFacebookから突然消え、あっという間にアカウントもホームページも削除。それ以来、名前を検索してもインスタやTwitterのような他SNSにも、Googleにも、全く引っかからない完全行方知れずになってしまった。

これは想像だけれど・・・・
誰でも出せるわけではない金額の講座を受けられる人の数は限られる。頭打ちになるときは絶対くる。月商7桁維持には講座の単価を上げるのが一番近道。講座に参加した方のダンナさんに法律方面に詳しい人がいて、ある日奥様が得体の知れない講座にガンガンつぎ込んでいるのを見つけ「これはちょっと」と告訴されたとか、あるいは告訴するぞと言われたとか、何かしらあったのではないかと踏んでいる。

SNSや、あまり親しくないママ友からの情報で、ついうっかりとこういう世界に足を踏み入れてしまうという人は一定数いる。
経験あるから理解は出来るけれど、社会から切り離された育児中心の生活をしている主婦にとっては、30万使っても合格するとは限らない国家資格より、受講するだけですぐインストラクターになれるのはすごいラクで魅力的だ。あの、キラキラした生活が私にもできる!と夢見て受講する…

それが本当にその金額に見合う講座なのか、をいったん立ち止まって考えるというのをするのは、日本人って意外と苦手な人が多いような気がする。

が、自己啓発=あやしいとは限らず微妙にみえる講座も実はそうでもないパターンもある。

どこが違うのか。

その見極めはやっぱり10万以上を超えるなら家族に相談すること、そしてネットで正しい情報を収集すること。


情報は片側からだけでなく多面的にみる必要があると思う。
絶賛する評価だけでなく、何故酷評しているのか、酷評している人はどういう経緯(背景)があってこういう心情になったのか、想像してみる。

そういう経験は大人になってからも、というより大人になってから役立つはず。

だから長女が学校でやっているGoogle検索は実は『いいカモにならない』練習になると私は思っている。
最近町田で起こった小学生のいじめが原因での自殺のニュースが数日前にセンセーショナルな話題として報道された。何故なら女子同士のいじめに使われたツールが学校が貸与していたパソコン端末だったからである。
事件は昨年、ずいぶんと早い時期に町田市はパソコンを授業に取り入れていたようなのだが、どうも早すぎて管理が甘かった。
IDが全員共通で、パスワードが出席番号。よほど急いで設定したのだろう。

あの事件以降、おそらくほとんどの学校が悩んでいると思う。使い続けていいのかどうか、どこまで制限をかけるべきか、どうやってモラルを守らせるか・・・。

自宅にもって帰れば「男子はエロに走り女子はいじめのツールになる」からと全く「使いこなさせない」長女の中学校のような学校では単純な思考しかできない生徒がそのまま卒業、高校生から大人になってしまうんではないかなとちょっと心配になる。

リスクを冒さないことこそが最大のリスクなのだ。

目の前のリスク回避のためにリスクを避け、将来的に大損をするかもしれないリスクを生む。私の最近の一番お気に入りのキャッチフレーズ。
これ、まさにあてはまりませんか?


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