幸せのレシピ
2007年のアメリカ映画で、2001年のドイツ映画『マーサの幸せレシピ』のリメイクになります。元の映画は観れていなくて、この『幸せのレシピ』は2010年頃まで連載していた映画イラストコラムで描いたことがあって、インテリアや料理のイラストを描ける映画はないかなと発掘していて思い出しました。
原題は『No Reservations』で「予約なし」。主人公の職場がレストランな事と、予想していなかった出会いとを指していてうまい。主人公はマンハッタンの人気レストランで腕を振るう料理長のケイト。彼女はまさに「仕事一筋!」って感じの完璧主義者で、それが行き過ぎてカウンセリングに通ってたりするんですが、そこで「最近恋愛は?」とか「そろそろ恋人を探したら?」みたいな事を言われる。まあプライベートを明かしてるカウンセラーだからそういうアドバイスもありなのかも知れないけど、2021年の今見ると「えっ、別に無理して恋愛しなくてもよくない?」なんて思ってしまいました。2000年代とかそこまで昔のイメージないですが見返してみると小さな気づきもあって、少し前の映画を観るのはそういうところもおもしろい。
そんな彼女が姉の不慮の死から姪のゾーイを育てる事になり、身辺整理のためちょっと仕事休んでたら職場に新しいシェフが居座ってた!という2つの「予約なし」な出会いが起こる、っていう流れが自然です。新しく入ったシェフ、ニックを演じるのはアーロン・エッカート。この映画の彼はキャリア史上いちばんかわいい。パッと見ごつい感じもするのに目が大きくて口元に愛嬌がある、なかなかいない顔でツボにはまる人は多いんじゃないでしょうか?
ニックに懐いたゾーイの頼みで3人でのおうちデートをする流れになるんですが、ケイトの部屋におよばれしたニックの手土産が「タッパーに入った手作りティラミス」という100点満点中5000点ぐらいのパーフェクト手土産!タッパーでいいんだよタッパーで。ゴミも出なーい!
初めて心が通い合ったケイトとゾーイが枕投げしまくって羽毛が舞い散るとか、一気に恋愛モードに流れ込んでいく感じとか、そこでキスする??ってラストとかちょっと気恥ずかしいところもあるんですがロマンスものが好きな人には良作だと思います。個人的には恋愛関係になった後もふとした事で「この人、私の料理長の座を狙っている!?」と疑心暗鬼になるケイトの根っからの仕事人間ぷりがおもしろかったです。
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