僕の考え方を変えた旅の全て

はじめまして。

僕は5年前初の海外旅行を一人で、しかも自転車でアラスカからテキサスまでを旅するという明らかに無謀きわまりないことをしました。

旅のきっかけというのは本当に単純で「ただそれがしたい」それだけでした。周りが求めるような、自分ではない、他人が納得する理由なんてものは持ち合わせていませんでした。ただ自分のなかでこれをしないと一生後悔するという確信だけはありました。正直なにかを始めるきっかけや理由というのは共通して単純で自分に正直な理由を持つことが一番いいと今でも思ってます。

さて、旅のなかでは本当にいろんな事がありました。食料がなく、道の端でくさってたら食料を恵んでくれたことや、たまたま声をかけた人が大の日本好きの人で一晩泊めてもらったこと、灼熱の荒野を一日中自転車を漕いでボロボロの状態を見かねた通りすがりの人から水と食料を分けてもらったこと、思い出は上げればキリがないほど出てきます。その中で今回僕が紹介したいエピソードは「魚を食ったら号泣した話し」です。

この話しを他の人にすると始めは必ず笑われます。恐らくこれを読んだ人も頭に?マークが浮かんだことでしょう。

ではなぜ魚なんて食べ慣れてる日本人の僕が大号泣したのかを語ります。

あれは旅もほとんど終盤で親戚の紹介でハワイに行ったときでした。

その時僕は親戚の友人の家にお世話になっており、日々ハワイの町並みを観光していました。そんなある日、その方の娘さんの家でホームパーティーをすることになり、特別ゲストとして招待されることになり、内心オドオドした状態で家に向かいました。また、なぜそのようにオドオドしてたのかというと、その方の娘さんは医療関係の仕事をしており、ハワイでも一等地にすんでいるような方だかったからです。たいして僕は数週間前まではシャワーもろくに浴びれない日があったり、身なりはボロボロ、服なんて日に焼けて色褪せたものしか持ってない。そんな状態のいわゆるヒッピーみたいな見た目の人間がいきなり格式が高い家に招かれたらそれはもう萎縮してしまいます。

しかし、そんな心境を察してか周りの人たちはすごく暖かく自分を迎え入れてくれて、さらに自分の話を興味津々に聞いてきます。「食料は大丈夫だったの?」「自転車はどのくらいの荷物をつんでいたの?」など、自分にとってはそれまで日常だった話をするだけで皆目をキラキラさせながら自分の話を聞いてくれました。

そして、数十分後、夕食の準備ができたということで食事の前の挨拶をキリスト教式で行いました。これは皆で輪になって手を繋ぎ、その日の代表者が挨拶をするというものでした。

初めての経験でなんだか文化の違いをちょっぴり経験したあと席につき、目の前にある焼き魚を一口食べたとき僕のからだに異変が起こりました。

「涙が止まらない、勝手に流れてくる、悲しい訳じゃない、嬉しいとも少し違う、胸の真ん中がものすごく熱くなる、その熱が上がると同時に涙が止まらない・・・・」

正に初めての体験でした。当時20数年生きてきた中で経験したことのない感情。言葉にするのも今も難しいのですが、一番近い感情は「達成感と感謝」だと思います。

この時僕は生まれて初めて周りの目を気にせず大泣きしました。恥ずかしくはなく、むしろ自分自身を誉めたくなるような、そんな気さえしました。

この出来事のあと、僕は日本に帰り、沢山考えました。旅の中で起こったこと、出会った人、嬉しかったこと、きつかったこと、もどかしかったこと、結果どの思い出も輝いていました、そして、一生の宝物ができたと、そう思える出来事しかありませんでした。

「旅は麻薬のようなもの」と旅先で出会った友人が話していました。正にその通りで、旅の素晴らしさや、厳しさ、そして達成感は味わった人にしかわからないものです。そして、一度味わうともっと!もっと!と次の旅を求めてしまいます。挙げ句、それを周りにまで進めるものだから正に麻薬そのものです笑

僕もその例に漏れず、旅の素晴らしさ、楽しさをこの場を借りて宣伝しています笑。実際、旅の後僕には夢ができました。それは、より多くの人に行動をするきっかけを与えられるような人になりたい。この夢は旅に出る前の自分には到底思い付かないようなものでした。

僕がこのような考え方になったのも恐らく旅の中で多くの人に「感謝」を言ってた影響だと思います。それもただの「感謝」ではなく「心からの感謝」でした。これも旅をしたからこそできるようになったことだと思います。

これまでの旅の中で多くの「感謝」をしてきた僕ですが、今度旅をするなら多くの人の「感謝の言葉」を集められるような旅をしてみようと計画中です。もちろん、昨今の事情もあるので何時になるかはわかりませんが、こんなときだからこそこれまでの独りよがりの旅から誰かのためになるような旅を始めてみたいと、そう考えています。

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