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Le Ballon Rouge

水滴がしとしとと落ちつづけていると
曇った窓ガラスに、雪原を通る小路のようなものが見えてくる
あまりにもしんとしているので
私は耳が聞こえなくなったのではないかと思った

昼過ぎ
私が此処で唯一楽しみにしている花野さんの随想の中
 ---- そういう解決策が欲しいんじゃないんです。
    『よしよし』って慰めてくれればそれでいいんです ----

わたしが長い間忘れていたその『よしよし』という言葉に
ふと…大好きな映画の「赤い風船」のシーンが蘇った…

わたしにとって少年と風船は…きっと『よしよし』の関係なのだ…と

Le Ballon Rouge(赤い風船)1956年フランス



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