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私が縄文にハマったわけ

こんにちは。縄文探求ユニット・縄と矢じりの文章担当、草刈です。

2009年よりNPO法人jomonismのメンバーとして縄文イベントの企画制作に携わるようになってから早いもので12年目。相方でカメラマンをしている廣川と縄文旅をするようになって8年が経とうとしています。

なぜ、「縄文」なのか?とよく聞かれるので、この際ここで書いておきますが、わりと自然な流れでそうなったとでも言いましょうか。jomonismに誘われたのも、たまたま広告関係の仕事をしている知人に誘われたからであり、そこに縄文というお題があったからということが正直なところです。

ただし、最初に私を誘った知人が、とうの昔に縄文から足を洗ったのに対し、私が未だに縄文をやっているのは、縄文というテーマにハマる要素が私自身にあったからに他なりません。

なぜ「縄文」だったのか?

まず、jomonismに参加する以前、私は高円寺でマーブルブックスという若者向けの書籍シリーズの編集者をしていました。そこでは『オーガニックライフ〜ゆったり楽しい都会暮らし』や『ラブ・キャンプ〜ロックフェス&レイヴ・パーティ・キャンプ・マニュアル』といった、ちょうどその頃流行り始めたオルタナティブカルチャーを扱う本を企画し、執筆しました。

マーブルブックスでは5年間で100タイトルくらいを2〜3人の編集者で回していたので、絵に書いたようなハードワークでしたが、その中でもダライ・ラマの講話を絵本にした『愛って何だろう?』や大人向けの絵本ブックガイド『私が1ばん好きな絵本』シリーズなど、既に知られた方のお話や確立された世界観のものを再編集するような本のつくり方に面白みを感じていました。

そのように、オルタナティブな価値観を取り込んだり、既存のものを再編集するのが好きだったがゆえに、縄文というテーマに出会ったときも、「縄文」を再編集してみたいという気持ちが働いたのです。

小学校低学年で誰もが習う縄文時代。でも、多くの人がその具体的な中身を知りません。そして、学校で習う日本の歴史2千年に対し、1万年以上という膨大な時間の長さ。正直言うと、多くの人が魅力にあげる縄文土器や土偶のデザインよりも、有史以前の日本列島に1万年以上もの認識されていない確立した文化があるという事実に魅力を感じたのです。

さらに、マーブルブックスではネイティブ・アメリカンの研究者で、編集者としての大先輩である北山耕平さんを担当していたため、北山さんが語るジャパニーズ・ネイティブとしての縄文という視点に触れていたことも縄文を探求する後押しになりました。

北山さんから「縄文は日本列島の先住民」という言葉を聞いたとき、ハッとしたのを覚えています。「日本」ではなく「日本列島」なのだということ、そして足元に眠る先住民としての「縄文」を意識したときに、これまで自分が認識していた日本人の輪郭がぼやけていくような感覚を覚えたのです。

縄文を探求することは、「日本列島人」というもうひとつのルーツを持つこと。縄文は、この風土とまったく新しい感覚で結びつくことのできる新たな視点になり得るのではないか。

それが、私が縄文に興味を持ったおもな理由です。


※TOPの写真は、2013年に函館にある母校のロビーで久々に再会した自分の絵。画会部だった私は地層をイメージした原図を書き、新設したばかりの校舎に寄贈したみたいです。それがタイル画として張り出されておりました。タイトルは「The earth〜大地の流れ」。この頃から縄文を予感させる片鱗が(笑)。
撮影:廣川慶明


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