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わたしたちは、この先どこへ向かっているのだろう、と途方に暮れる瞬間が時折訪れる。
それはメッセージをやり取りしていたはずなのに、ふと返信が途切れた瞬間だとか、「会いたい」「会おうよ」「予定調整する」…から一向に進まない時。わたしの中の熱と相手の気持ちの間に温度差を感じて、全て放り出したくなるのだった。
いつまでこんなこと続けるのかなぁ、相手は全然本気じゃないじゃない。

恋愛における温度感が合う、はとても重要だ。2人の気持ちがぴたりと同じ温度だったらそれは素晴らしいことだし、もはや奇跡に近い。恋の始まりはそういう状態のことがまぁまぁある。浮かされたようにして、チャットの如くメッセージが行き交ったり、会いたい、会おうよと時間を惜しむようにして一緒にいる。手を繋いでキスをして、肌を重ねて…これは一種の熱病だと思う。そしてそんな時間が永遠に続くとしたらどんなにか幸せなことだろう。
そして同じ温度じゃなかったとしてもバランスが取れている、これもまた幸せなことだと思う。片方が入れあげ、グイグイリードする。もう片方は時折手綱を引きながら、上手くセーブしていく。双方かそういった関係が心地よいと感じられているなら、これもまたよい。

困るのは、気持ちのボルテージが一致しない時だ。
わたしは、恋愛関係においても、それ以外でも信頼を形作るのに大切なのは自己開示、素直に思っていることや相手に対する気持ちを伝え、自分にとってどれだけ大切な存在なのか、日々どれだけ感謝してるのかを言葉にして伝え続けることだと思っている。恋愛に関しては特に、相手のことをどう思っているのかを相互に確認して愛情を育んでいきたい。
ところが、投げたボールが返ってこない。ましてやキャッチされたかもわからず、壁打ち状態だとさすがに虚しくなってくる。愛情表現の仕方や頻度の違いなのもあるのだろうけど、それでも自分と相手との「差」が切ない時もある。たまの「好きだよ」「愛している」が薄っぺらく響く。

この先も相手を大事にしたいから。ずっと関係性を続けていきたいからこそ、自分をオープンにして相手を不安にしないようにしたい。相手にもそうであって欲しいというのは、わたしのエゴだが、心から信頼し繋がり続けるには結局自分を見せ、また相手を受け入れる、そのやりとりだと思う。

どんな恋愛も運命なんてものはなくて、結局、在り方がすべてなのだろう。選んだ相手が運命になるか否かは、どうやって関係を築き、保つためにケアできるのかに尽きる。お互いを大事にすること、困っている時は手を差し伸べること、そして素直に愛情表現をし続けること。何を感じ、どう思うのか自分を開いて伝えなければ、心の底から繋がることなんてできない。

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