スポット検索ランキングの裏側について
こんにちは。ハナコとヤギサワです。ナビタイムジャパンで毎年掲載しているスポット検索ランキングの裏側についてお話いたします。
スポット検索ランキングとは?
『NAVITIME』をはじめとするナビゲーションサービスにおいて、目的地として検索されたスポットなどをもとに集計した結果をランキング化したコンテンツのことです。電車や車、徒歩など7つの交通手段によるランキングや、朝/昼/夜/深夜早朝の4つの時間帯に分かれたランキングなど毎年様々なランキングをご用意しています。
また、スポット検索ランキングは2008年から続いている歴史あるコンテンツとなっています。総合ランキングTOP100は初登場の年からずっと続いている唯一のランキングページとなっています。
では、実際にどのような流れでこのスポット検索ランキングを掲出しているのでしょうか。スポットランキングの裏側のお話を覗いていきましょう!
スポット検索ランキングができるまで
スポット検索ランキングが公開されるまでに、裏側では
・どんなランキングを作成するかの企画
・企画内容に沿った集計
・集計した内容の公開準備
このような流れで作業が行われています。
企画、集計、公開準備それぞれのステップで行っていることについてお話ししていきます。
企画
毎年、スポット検索ランキングの動き出しは夏の終わり頃です。まず初めに考えることは今年のランキング内容をどうするかです。昨年と同様の内容にするか?新設するネタはあるか?など、その年の情勢に合わせたランキングは何なのかを模索していきます。
近年ですとやはり「新型コロナウイルス」を考慮したランキングを考える必要がありますよね。そこで新設されたのが「県内移動ランキング」です。昨年、政府から「都道府県をまたぐ移動自粛」のお願いが発表されました。この発表を受けて、人々の遠方へ移動する、という行動はかなり制限されたのではないでしょうか。私はここに着目しました。生活圏での移動となるとそれなりに土地勘もあるため、ナビゲーションサービスを使用する機会は以前より少なくなるかもしれません。そんな地元の人でも検索するようなスポットはどこなのだろう?地元の人ならではの人気スポットはあるのだろうか?そんな疑問から「県内移動ランキング」は誕生しました。
・集計
ランキング内容が大方決まったら、詳細な集計方法を詰めていきます。昨年同様のランキングについては、同手法を用いて集計しますが、新設の場合は集計方法を策定する必要があります。では、毎年掲載をしている「総合ランキングTOP100」と新設された「県内移動ランキング」について、どのような集計をしているのか詳細を説明させていただきます。
この集計作業に関して、
・どんなデータが元になっているのか
・集計時に行っている工夫
等についてお話しいたします。
▼集計の概要
検索スポットランキングは、ナビタイムジャパンが提供している様々なサービスをご利用いただいているユーザーの皆様による「経路検索条件データ」を元に作成しています。
例えば上の画像は『NAVITIME』Webサイトで経路検索を行った時の画面の一部です。
東京スカイツリーを出発してナビタイムジャパン社へ車で向かうルートの検索を行っており、このような検索を行った際には、
・東京スカイツリーを出発してナビタイムジャパンへ向かう(出発地・目的地)
・2021/11/01の13:00に出発する(検索で指定した日時)
・車での経路を取得(交通手段)
等のデータがナビタイムジャパンに収集されます。
このように様々なデータを収集し、それらを元にランキングデータの集計を行います。
例えば「総合ランキングTOP100」なら条件を絞らずに全データを対象に集計し、「県内移動ランキング」なら出発地と目的地が同一県内にあるデータを抽出した上で都道府県別に集計をかけるといった形でランキングデータが作成されます。
▼集計時の工夫
経路検索のデータを元に検索スポットランキングを作成する際、単純に検索されたデータを合算していくだけでは思うようなデータが得られません。
例えば経路検索で目的地を選択する際の入力について考えてみます。
・「ディズニーランド」と入力し、サジェストされた「東京ディズニーランド」
・東京ディズニーランド内にある一店舗
・地図上で東京ディズニーランドにピンを立てた地点(座標)
上記の例は全て検索時の入力は異なりますが、本質的には同一の場所を目的地としていると考えられます。
そのため、入力方法としては異なるものの、本質的には同一のものをまとめるために、「名寄せ」と呼ばれる作業を行います。
名寄せでは下の図のように
・スポット名称の正規化
・座標データからスポットへの割り当て
・保有するスポットのデータを用いて、実質的に同一のスポットをマージ
等の処理を行い、同一のスポットをまとめています。
この名寄せの処理を行うことで、より正確なランキングデータを作成することが可能となっています。
・公開に向けて
企画内容・集計方法の目途が一通り完了すれば、残るはランキングページのデザイン検討及びページ作成です。昨年は情勢を考慮し、外国人向けランキングを見送ったことから、「和」を感じるテイストでデザイン作成を行いました。
今年はまた以前のように移動を楽しんでいけるように、 スポットを表彰するデザインとなっております。
そのような思いも感じていただきながら、今年のスポット検索ランキングを楽しんでくださいね!
いかがでしたでしょうか。裏側の話もふまえながら是非今年のランキングページをぜひご覧くださいね。