高速道路6社と連携し「誤進入注意ポイント案内」を提供開始しました
こんにちは、knsnです。
ナビタイムジャパンでナビゲーションエンジンの研究開発をしています。
先日、配達ドライバー向けナビアプリ『配達NAVITIME』にて、原付バイクが誤って高速道路に進入しやすい地点で、注意喚起を行う機能を提供しました。
今回の記事では、高速道路会社6社と連携し、どのように機能を実現したかを紹介します。
高速道路の通行禁止について
高速道路等の自動車専用道路は、原付バイク*¹、自転車、歩行者の通行が禁止されています。
*1 原動機付き自転車の1 種(50cc 以下)及び2 種(51cc 以上125cc 以下)
そのため、各高速道路会社は路面標示や看板等を用いて立入防止策を実施しています。
開発背景
高速道路会社6社と連携
しかしながら、上記のような対策を行なっていても原付バイク、自転車等の高速道路への誤進入は年々増加しており、過去には悲しい事故にも至っています。
これらの原因には使用しているナビアプリを自動車設定のまま利用してしまい、ナビに従ったまま高速道路に進入してしまうケースもあるそうです。
そこで、ナビアプリを開発している当社に高速道路会社6社(東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社)と連携し、誤進入施設の一覧を提供いただき画面表示と音声案内で注意喚起する機能を検討しました。
実現方法
仕様検討
機能を実現するにあたり、高速道路会社から提供いただいた誤進入施設一覧を元にどのような地点に案内情報を作成すると良いかサービス開発側と研究開発側でディスカッションを行いました。
最終的に原付バイク利用時の経路案内(一般道)上に、該当施設へ進入する高速道路が接続している地点に対して案内情報を作成することとなり、開発に取り掛かりました。
実現課題
しかしながら、一覧があるからといってすぐに案内情報が作成できるわけではありません。
ナビゲーション中に案内を行うためには道路形状情報や地点座標情報と紐づいている必要があるのですが、いただいた情報には施設名等の情報しかなくどのように案内情報に落とし込んでいくか検討していく必要がありました。
ナビタイムジャパンのスポット管理
当社では数多くのスポット情報を管理しており、さらにその情報を全文検索エンジンを使ってスポットの検索を行うことができます。
そこで、こちらのエンジンを使うことで施設名の情報から施設の位置を特定できるのではと考えました。
そして、狙い通り該当施設の地点を取得することに成功しました。
しかしここでもう1つ問題がありました。取得できた位置は高速道路本線と一般道路をつなぐランプ上の座標だったのです。
案内情報の作成
ランプ上では原付バイクの経路案内として通ることがないため、案内地点としては適していません。
そこで次に、取得した位置からランプを一般道路に向かって辿り、一般道路との交差点を特定するようにしました。この時途中で分岐しているランプは全て辿るようにしています。
こうして無事、誤進入注意ポイントの案内情報を生成することができました。
最後に
この記事では原付バイクの高速道路への誤進入注意ポイント案内機能を提供するに至った経緯と開発の際に発生した課題をナビタイムジャパンならではの方法で解決した方法を紹介しました。
このように社会的課題に対してナビタイムジャパンの技術で少しでもお役に立てたこと嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。