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配送計画機能で徒歩・自転車・バイク、移動手段別の配送ルート検索が可能に

こんにちは、さっくーです。
ナビタイムジャパンのソリューション事業部でAPI開発を担当しています。

今回は2024/3/19にプレスリリースした『NAVITIME API』 の新規API「
徒歩、自転車、バイクの配送計画」について、基本的な機能の紹介、各移動手段ごとの特徴、開発時のエピソードの順でご紹介します。

この新機能に関する詳細は、以下のプレスリリースでもご覧になれます。


はじめに

『NAVITIME API』とは、地図表示や様々な移動手段のルート検索などの機能をAPI形式でご利用いただける法人向けサービスです。

『NAVITIME API』では、「自動配車API」という車の配送計画を行うAPIは提供していましたが、徒歩、自転車、バイクといった他の移動手段には対応できていませんでした。

「車以外の移動手段にも対応できないか」といったご要望を複数の企業様よりいただいたことから検討を行い、実装したものが、徒歩、自転車、バイクの配送計画APIです。

まずは本APIの基本機能からご紹介します。

基本機能紹介

配送計画機能は、配送担当者の人数、活動時間(稼働時間)、積載量のいずれかと配送先リストを入力すると、効率よく配達できる最適な巡回ルートを自動算出し、配送担当者ごとの配送先を割り振る機能です。

徒歩、自転車、バイクそれぞれに対し、専用のネットワークデータを整備しルート検索を行っているため、移動手段別に最適なルートを算出することもできます。
また、地図上に描画するためのルート形状を一緒に出力し、地図上にプロットすることでどこを通れば良いかを可視化することもできます。

今回追加した徒歩、自転車、バイクの移動手段は、小売店業における店舗周辺の個人宅への配送・配達、車移動が難しいオフィス街での配送や回送業務などで活用が見込まれます。

配送計画で解決したい課題のイメージ

続けて各移動手段ごとで異なる特徴についてご紹介していきます。

各移動手段ごとの特徴について

各移動手段ごとの主な特徴を以下にまとめて紹介します。

徒歩

徒歩では「階段回避ルート」を利用することができます。
例えば配送先の付近に歩道橋や階段がある場合、推奨ルートだとそこを通ってしまうことがあります。
荷台を使って運ぶ場合は、可能な限り階段は回避してくれた方が配送担当者にとっては嬉しいでしょう。
階段回避ルートでは、どうしても通る必要がある配送先がない限りは、多少遠回りになっても階段を回避する配送ルートの提供ができます。

階段回避ルートのイメージ

自転車

自転車では「坂道が少ないルート」を利用することができます。
例えば配達区域に勾配の急な坂が含まれる場合を想定します。
推奨ルートで検索すると確かに時間効率の面では良いものの、体力に不安のある方にはきついルートが提示される場合があります。
坂道が少ないルートを使うと、どうしても避けられない場合を除き比較的楽に移動できるルートを提示できます。

バイク

バイクでは「排気量を考慮したルート」を利用することができます。
当然ですが、50ccの原付バイクでは高速道路を利用することができません。
筆者も原付バイクを利用していた時期がありましたが、車用のナビで検索すると、知らぬ間に高速道路に案内されてしまっていたということが度々ありました。
バイクの配送計画のルートでは、こういった事象が起きないようにバイクの設定に合わせたルート結果が出力できます。

開発時のエピソード

今回紹介したAPIは、既に提供していた「自動配車API」と「各移動手段のルート検索API」のいいとこ取りをしたものです。
どちらのロジック自体も横展開が可能な状態にあったため、仕様を詰めてから開発、そしてリリースまでで1~2ヶ月ほどで完了することができました。

各々のAPIから継承した特徴

また、提供するに当たって負荷試験は入念に行いました。
配車計画を作成する業務の性質上、大量の配送先を設定することが多いので、本APIは配送先の数が増えるほどバックエンド負荷が大きくなる特徴を持っています。
様々なお客様にご利用いただける様、利用が予想されるエリアの配送先サンプルを用意し、分割方法ごとにチェックを行い安全を確認いたしました。
現在公開している仕様の範囲であれば、パフォーマンス低下やサーバ負荷などを特に気にせずご利用いただけるよう調整しています。

今後の展望

本APIは、既に複数の企業様からお問い合わせ等をいただいています。みなさまのフィードバックを元にさらに使いやすいAPIに改善していきますので、ぜひご利用してみてください。
お読みいただきありがとうございました。