阪神高速道路の環境ロードプライシング割引への対応について
はじめに
こんにちは、ぼんとろです。ナビタイムジャパンで高速道路料金計算システムを担当しています。
この記事では2022年10月27日(木)に対応した阪神高速道路の環境ロードプライシングについてお話させていただきます。
阪神高速の環境ロードプライシングとは
阪神高速道路の環境ロードプライシングは国道43号・阪神高速道路3号神戸線沿道の交通流入を抑制することで沿道環境の改善を目的とした割引施策です。
特大車や大型車で5号湾岸線を利用した場合10%〜30%割引されます。
『トラックカーナビ』をはじめとした大型車対応しているサービスでは、車種登録にて「大型車」「特大車」を登録し、ルート検索条件の設定にてETC料金考慮をオンにしている場合に、3号神戸線を通行せずに5号湾岸線を利用するルート検索結果に対して割引料金を適用した料金が表示されます。
なぜ阪神高速のロードプライシングに対応したか
当社では2021年7月より、首都高速道路の環境ロードプライシング割引に対応しています。
阪神高速道路の環境ロードプライシング割引にも『トラックカーナビ』をはじめとした大型車対応しているサービスをご利用のユーザーからご要望を頂いていました。ご要望にお応えするため阪神高速道路の環境ロードプライシングに対応することにしました。
阪神高速の環境ロードプライシングのデータ整備の取り組み
対象となる経路
環境ロードプライシングの対象となる区間は以下のように定められています。
これより対象となる区間は環境ロードプライシング割引対象区間を発着として走行できる区間全てとなることが分かります。
対象となる区間の数を求めると777経路となります。対象となる車種は大型車と特大車のため、この2倍の1554件の料金データを整備する必要があります。
料金データの整備
1500件を超えるデータをすべて手で整備するのは大変です。
そのため、データを自動で作成する仕組みを作りました。
阪神高速道路の料金は以下のように走行した出入口等の相互間の利用距離で求まります。
阪神高速道路サイトでは各出入口間の距離が公表されているため、この情報を使うと上記の計算式で出入口間の料金を算出することが出来ます。
こうして算出した料金に割引を適用することで、整備したい環境ロードプライシングの料金を求めることが出来ます。
これらの処理を自動化することで効率的にデータ整備を行うことが出来ました。
整備したデータの検証
阪神高速道路の全IC間の経路探索と料金計算を自動で行う仕組みを作成し、対応前後で料金差分を検証できるようにしました。これにより意図した通りに環境ロードプライシングが適用できているかや、意図しない料金の不正が起こっていないかを確認しながら料金整備を行うことが出来ました。
阪神高速の環境ロードプライシングでお得になる経路
最後に環境ロードプライシングを利用することで高速料金がお得になる経路をご紹介いたします。
大型車で神戸市内から大阪市内に向かうため3号神戸線魚崎ICから乗って阿波座ICで降りると高速料金は1510円かかります。
乗るICを3号神戸線魚崎ICから5号湾岸線住吉浜ICに変更することで環境ロードプライシングが適用されて高速料金が1380円と150円お得になります。
終わりに
今回は阪神高速道路の環境ロードプライシングへの対応について紹介させていただきました。
当社では引き続き高速料金や割引の拡充に向けて活動中です。
高速道路を利用する際の走行経路決定にお役立ていただければ幸いです。