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新卒新入社員研修を通して、講師の学びと気付き

こんにちは、寿司音です。ナビタイムジャパンで法人様向けのiOSアプリ開発を担当しています。

今回はナビタイムジャパンの新卒新入社員研修を通しての講師の学びと気づきについてお話したいと思います。

ナビタイムジャパンの新卒新入社員研修について

新卒新入社員研修とは、新卒の新入社員を対象に入社直後に行う3ヶ月間の研修です。
先輩社員が講師となり、研修を行っています。
講師は若手が多く、特に入社3〜4年目が多いです。
内製研修の良いところは、ナビタイムジャパンの技術を使った研修が行えたり、会社の雰囲気も掴みやすいだけでなく、講師側もたくさんの学びと気付きがあるところです。

私が担当したのは、スマホアプリ開発研修です。
9日間でAndroidアプリ開発を取り上げて研修を行いました。
Androidの基礎であるレイアウトの組み方や画面遷移、ライフサイクルから、ナビタイムジャパンならではのルート検索や地図表示についても講義しました。
講義後は、演習アプリを使って、演習課題に取り組んでもらいました。
わからないところは講師や同期に質問しながら課題を進めていきます。
課題の例としては、
例1) 見本のレイアウトがあり、そのとおりにレイアウトを組む
例2) ボタンを押したらルート検索を行い、地図上にルートを表示する
などです。
課題が1つ終わるごとに、講師でコードをレビューし、レビューが通ったら課題クリアという流れです。
課題の進捗はスプレッドシートで管理し、新入社員に「進行中」「レビュー待ち」と課題の取り組みステータスを更新してもらいました。


気づきと学び

報連相の大切さを改めて実感する

演習課題をクリアすることが研修での1つのアウトプットになります。
そのアウトプットをサポートし、導くのが講師の仕事です。
しかし、課題の進捗が悪いのにも関わらず、質問や相談に来ない人がいました。講師からすると、状況がわからずサポートしようにもできないので困りました。
私から声をかけてみると、書いたコードが仕様どおりに動かず進んでいなかったようです。
同じような状況で別の新入社員に声をかけてみると、「大丈夫です!」と言われたこともありました。
実は、自分は大丈夫と思っていても、先輩や上司から見ると大丈夫じゃない状況も起こりうるなと感じました。
日々の朝会、定例ミーティングの場だけでなく、チームメンバーに途中経過を伝えること、自分の状況を知ってもらうことを研修前よりも心がけるようになりました。

サンプルコードをそのままコピペするとよくない

コードレビューをしていると、課題の仕様どおりになっていない箇所がありました。
講義のサンプルコードと演習課題の動作仕様が違うのに、サンプルコードをそのまま全部コピペしてしまったため仕様違いが発生していました。
コピペは便利ですが、何も考えないでやってしまうと、今回のように仕様違いが発生したり、バグが起きても修正できなかったりします。
入社1年目のとき、私も何も考えずにコピペをしてコードレビューで指摘されたことの意味がわからず修正できなかった経験を思い出したので、新入社員に向けて経験談を話しました。
Google検索すると、たくさんのサンプルコードが出てきますが、プロダクトのコードに導入する前に、必要な部分はどこか、今回の仕様を実現する方法として適切か考えることを改めて意識するようになりました。

正常に動いたところ/戻りたいところでgit commitするのは大事

新入社員Aさん「少し前までは動いてたんですが、動かなくなってしまいました」
講師「動いていたところまで戻そう!動いてたところでコミットしてる?」
新入社員Aさん「してません…」
control + zで戻れるところまで戻しましたが動かなかったので、一緒にコードを読んで怪しい箇所を1つずつ潰して修正しました。
細かいところを修正する前に、おおまかにできたところでコミットするのは大事だと思いました。
最近、iOSで新しい画面を作成していて、このエピソードを思い出して、要素が大まかに並べ終わったところで一旦git commitしました。

研修の準備を通して、Androidの最新を知ることができる

Fragmentを使ってページ切り替えを実装する講義を担当しました。
ターゲットSDKを上げて演習アプリを確認すると、FragmentPagerAdapterが非推奨になっていました。
調べてみると、FragmentStateAdapterが推奨になっていました。
講義資料を作成したり、演習アプリでサンプルコードを書くことで、最新の実装方法を習得できました。

色々試してみたがどうしてもうまくいかないときは、自分以外の人にコードを見てもらうと意外とすぐ解決したりする

新入社員Bさん「色々試したんですが、レイアウトが思うようにいかないです」
講師「Constraintの制約は悪くなさそう。このmatch_parent怪しくない?0dpにしてみたらどうだろう?」
新入社員Bさん「なおりました!これに1時間くらい悩んでたんです。聞いたら一発で解決しました。」
他の人の視点から見てもらうと、1人で考えていて見逃しているかもしれないことを指摘してもらえることに気づきました。
最近、iOSアプリのアーカイブをしようとして、"Build Succeed"と表示されているのに、アーカイブファイルが壊れている問題に悩まされました。色々試して解決せず、別プロダクトの方にプロジェクトファイルを確認してもらいました。同じFrameworkが2つ紐付いているのがおかしいかもしれないと助言をいただきました。原因はまさに助言いただいた内容でした。

まとめ

新卒新入社員研修を通して、自分もできているかな?と自分を見つめ直す機会になります。
教えることで得た気づきと学びを持ち帰り、プロダクト業務に活かすことができるのが、内製研修の良いところだと実感しました。
今回は新卒新入社員研修を取り上げましたが、研修だけでなく、OJT(On the Job Training)や日頃のアドバイスをしていく中でも、気づきや学びを得ることができます。

最後までお読みいただきありがとうございました。