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バスアプリのバスロケーション機能をより使いやすくした話 〜開発プロセス編〜

こんにちは、にわとりです。
ナビタイムジャパンでバスNAVITIMEのデザインを担当しています。

2021/12/13(月)に、バスNAVITIMEのバスロケーション機能を拡充してリリースしました(プレスリリースはこちら
下タブに「接近情報」のタブを追加し、近くのバス停のバスロケーションを、ワンタップで簡単に確認できます。

今回はこのように機能拡充した開発プロセスについて、お話しします。
ポイントとしては、複雑になりがちなバスの情報・データについて、フロント側とバックエンド側で最初から一緒に検討したことです。

バスNAVITIMEにあった課題

バスNAVITIMEとは

バスNAVITIMEは、ナビタイムジャパンのバスに特化したナビゲーションアプリです。全国の路線バス・コミュニティバスの時刻が検索できる「時刻表検索」、バス停の位置が地図上で分かる「バス停地図」などの機能があります。

バスロケーション機能の課題

バスロケーション機能は、バスが今どこを走っているかを、リアルタイムで確認できる機能です。
バスロケーション機能は元々、アプリの奥まった場所や、時刻表のお気に入り登録や有料会員への登録が必要な画面で表示しており、バスが遅れている際には繰り返し使いたい機能にも関わらず、使いにくい場所にありました。
また、ナビタイムジャパンではバスロケーションデータの拡充に力を入れており、せっかくデータが増えるのならば、サービス側での見え方を良くしたいという思いがありました。
このような課題から、今回の機能拡充を行うことになりました。

機能拡充に当たっての進め方

バスロケーションデータは、バス会社ごとに持っているデータの項目が異なるため複雑で、データ量が多くパフォーマンス面への懸念もありました。
ナビタイムジャパンでは、フロント側とバックエンド側でチームが分かれているのですが、今回はフロント側のチームと、今年度からバスロケーションに特化したバックエンド側のチームで、最初から一緒に検討を進めることにしました。

バスロケーション機能はどうあるべきか

まず、ストーリーボードやユーザーストーリーマッピングといった手法を用いて、バスロケーション機能はどうあるべきか(どんな人に対して、何のために、どんなシーンで、どんなことができるか)を考えました。
メンバー各々が、自分の経験や、以前行ったバスを日常的に使っている方へのインタビューから考えて書き出し、グルーピングします。

結果として、バスを使う人の乗車前の不安を解消するために、近くのバス停に、乗車するバスがいつ来るのかがすぐ分かることが重要、ということが分かってきました。

画面イメージを作成

近くのバス停に、乗車するバスがいつ来るのかがすぐ分かるデザインを、考えていきます。
ここで考慮しなくてはならないのが、バスロケーションデータの複雑さです。
デザインを実現するためのデータやロジックは揃っているのかを検討するために、大体の画面イメージを作成して、それをもとに確認を行いました。

画面イメージをもとに、フロント側とバックエンド側で一緒に確認をしたことで、バスロケーションデータを利用する際に気をつけなければいけない課題が浮かび上がってきました。

  • 始発バス停から乗るときは、どのような表示にする?

  • 同じバス停留所間に、バスが何台もいるときは?

  • 循環バスのときの、行先名は?

  • 行先名のデータがないときは? など

これらの課題に対応できるよう、デザインを修正します。

実装と検証

デザインが固まってきたところで、実装に入りました。
実装の際にも、フロント側とバックエンド側で協働したことで、よかった点・工夫した点がありました。

  • 情報共有について

    • 情報共有や相談が適宜できて、従来の体制では弊害となっていたコミュニケーションコストの削減ができた

    • データ側の事情を細かく・素早く知ることができたため、仕様の調整が素早くできた

  • データへの対応

    • 長い路線名や方面名のバスロケーションデータも考慮して、カードのレイアウトが崩れないように実装した

  • バグ対応

    • 不具合の調査を拾える範囲が広かったため、早めに対応できた

    • エラーが出た際に、エラーの原因がバックエンド側なのかアプリ側なのかの判断がしやすい

実装後、各バス会社・バス路線のバスロケーションを確認し、違和感を感じたり、何かおかしいと思ったことはその都度Slackなどで共有して、リリースに向けて改善していきました。

おわりに

今回フロント側とバックエンド側で最初から一緒に検討し、認識を合わせることで、バスの情報やデータについて理解を深めた状態でのデザインや実装を行うことができ、質や効率の良い開発を進められました。
みなさんが機能改善される際の参考になりましたら幸いです。

バスNAVITIMEのバスロケーション機能は、以下のバス会社に対応しておりますので、ぜひお試しください(ページ内の「時計マーク」が付いている路線バス・コミュニティバスが対応しています)

今後は、対応バス会社を増やす、表示するバス路線を絞り込める、またバス混雑度情報の表示などの機能拡充していく予定です。

読んでいただきありがとうございました。
明日は、バックエンド側を担当いただいたけんにぃさんの、バスロケーションデータについての記事が公開予定です。そちらもぜひご覧ください!