株式会社コテン深井社長のお話をうかがって〜取材備忘録〜
みなさんこんにちは。
福岡の魅力ある企業情報を発信するNavi-raz(ナビラズ)にてライターをしている砂畑龍太郎です。
今回はNavi-razからは少し離れて、僕個人の活動の中で感じたことをnoteにまとめようと思います。
僕個人の活動というのは、主にライティング業を指します。
ありがたいことにNavi-raz以外でも記事を書かせていただいております。
その中で今回取り上げたいのは、福岡の今と未来をつむぐwabメディア「フクリパ」にて4/30に公開された記事についてです。
取材を受けていただいたのは、株式会社コテン代表取締役社長の深井龍之介さん。
先にこちらの記事を読んでいただけると幸いです!
記事の概要
深井さんのお話の中からキーワードを取り上げて今回のnoteを書いていきたいと思うのですが、まずピックアップしたのは
「リモートワークが前提の業務である」「リモートワークは構成員依存である」という二つです。
株式会社コテンさんは、世界史のデータベースをweb上に作るというお仕事をされています。
深井さんによると、「世界史のデータベースをつくりたいのに、日本人だけでその仕事をするということは歪。たくさんの視点から作り上げることが重要であって、基本」ということでした。
つまり現在のように、リモートワークが稀ではなくなるよりも前だったということです。
そして、リモートワークにおいて重要なのは「構成員」であると深井さんは話してくださいました。
企業で言えば社員さんのことを指します。
深井さんは取材の途中で、「自律性の高い社員が集まることでリモートワーク環境でもパフォーマンスを落とすことがなくなる」ということを話してくださいました。
ここで一つ疑問が。
「自律性の高い社員さんを集めるにはどうすればいいのか」
これはどの企業さんにとっても大切なことだと思います。もっというならば、部活動やゼミナールにおいても重要なことかもしれません。
この疑問に対して深井さんは「理念に共感してくれる人を集めれば良いんです」と答えてくださいました。
株式会社コテンさんは、HPで事業に対する思いや使命感をとても詳細に紹介しています。
「歴史のデータベースを作ることに価値を感じている人が集まるので、儲かろうが儲からなかろうが事業に対する思いが変わらない」と深井さんはおっしゃっていました。
「理念に心から共感した方々が集まることで、社員の方に絶対的な信頼をおいてリモートワークを行える」
というようなまとめができる取材になりました。
理念経営の本質〜深井さんのお話から見えたこと〜
今回のフクリパの記事の最後には「大学生視点、起業家視点で感じたこと」という見出しで、取材を通して得た気付きや学びについて書いています。
そこに書いたことをより具体的に、また、書いていないことをコチラに書いていこうと思います。
まずは「経営理念」についてのお話。
深井さんは自律性の高い社員さんを集めるには「理念に共感してもらうことが重要」だと話してくださいました。
このお話を聞くと、「じゃあ理念について詳しく書いたページをHPに設けてみよう」と発想できるかと思います。しかし、深井さんが話してくださった真意はそこではないと思います。
「理念を如何にして発信するか」が重要なのではなく、「理念そのものの設計は正しいかどうか」にフォーカスを当てるべきだということを伝えたかったのではないかと僕は思います。
経営理念というのは会社という法人格や経営者や上層部の人格が反映されやすいものだと考えます。
つまり、この人格たちが理想として掲げるものをよりわかりやすく体系化させたものが経営理念。
そして、経営理念を達成するべく行われるのが事業であって、事業の成果が理想に反映・還元されます。
このようなイメージ
例えると、このnoteを運営している僕の理想が「Navi-razの読者獲得」であるとすれば、記事をたくさんの人に読んでもらう=PVを増やすことに考えが先行して良いでしょう。そして、PVを増やす目的に対してコンテンツの質を上げるという手段をいつか思いつくはずです。
では、このnote運営の目的や運営によって実現したい世界が「大学生の一つのモデルケースとしてキャリアの選択肢を増やす」ことであるとすれば、どんな内容の記事を発信するべきか=コンテンツの価値に執着することになります。そして、コンテンツの質を上げるという目的に対して、PVを持ってるコンテンツになるという価値を付けたくなれば広告宣伝という手段をいつか思いつくはずです。
ということで同じ事業をしていたとしても、その目的=理念の設計によって働き方も変わるということです。
つまり、深井さんがおっしゃっていたことは、単に理念経営を宣伝すれば良いということでは全くなく、理念の設計から見直し、適切な構築をするべきだということです。
働くことってなんだ?(個人的解釈)
あと一つだけ、深井さんのお話から得た気付きについて書いてみたいと思います。
それはフクリパの記事でも書いたように「働くことの捉え方」についてです。
深井さんは「理念経営が基本で、重要である」ということを直接的にも間接的にもお話し続けてくださいました。
また、お話の中で「在宅ワークとリモートワークは違う」ということもお話してくださいました。
リモートワークと在宅ワークの関係性のイメージ
このお話からわかることは、単純に在宅ワークの課題を解決し、ストレスなく在宅ワークをこなせたからといって、理念を達成する成果を出すことには繋がらない、もっというならば、リモートワークをこなしているとも言えないということです。
フクリパの記事を書くにあたって、この「理念」と「リモートワーク」と「在宅ワーク」の関係性を「目的と手段」という関係性で考えてみました。
考えてわかったことは、「理念=目的」であるとすれば「リモートワーク=手段」であって、在宅ワークは直接的に理念とは関係しないということです。
在宅ワークと経営理念の関係性のイメージ
では、この見方を変えて、「リモートワーク=働くこと=手段」とするならば、目的は何だろうと考えました。
そうすると見えてきたものは「社会」でした。
社会に対して、どうやって価値を与えるか、それが重要であると考えました。(記事内では社会貢献と書きます)
「社会貢献=目的」であって「働くこと=手段」というわけです。
社会貢献と働くことの関係性のイメージ
ここまで考えて、大学の組織論の講義で、目的と手段の置換というものを習いましたが、それに近しい印象を得ました。
本来、働くことは手段でしかなく、社会に対して貢献するという目的の一部です。
しかし、社会貢献という目的への意識が薄れているからこそ、いつの間にか働くことが目的になってしまっています。これが目的と手段の置換です。
そのうえ、置換されて「社会貢献」が手段となるのであれば、まだいいものの、働くことが目的になってしまった影響で、働く意味を手段として考え始めるようになってしまいました。
そして、また置換が起こり、人それぞれの働く意味が目的となり、働くことが手段となりました。
本来の社会貢献と働くことの関係性と、
現在の若い人が捉えた働き方のイメージ
本来、「社会貢献=目的」「働くこと=手段」という概念がポピュラーに存在していれば、「働く意味」を考えるという行為なんて起こりません。なぜなら、働く意味は社会に貢献するためであって、考えずとも簡単な話だからです。
僕はNavi-razを進めるにあたって、たくさんの学生にヒヤリングやアンケートを行いました。そこで学生が働くことをどう捉えているのかを考えていきたいと思います。
すると、人数で言うならば200人程度の学生(しかもエリアは九州だけ)にしか話を聞いていませんが、身の回りの200人のうち200人が答える内容は違えど、同じような捉え方をしているように思えました。
どんな捉え方かというと、働くことは、それぞれの働く意味を達成するための手段であるという先ほど書いたものでした。
「仕事を楽しむ」「お金を稼ぐ」「暇を潰す」というような働く意味を目的とし、その達成のための手段として働くという捉え方です。
働く意味のイメージと、働く意味と働くことの関係性のイメージ
ここにとても危機感を感じました。
どう危機感を感じたかというと、若い人にとって必死に考え導き出した目的である「働く意味」は、本来働くことの目的は「社会貢献」であると考えると、直接的には何も意味を持たないということです。
つまり、社会に対して価値を与えていくことを目的として働こうとしている人が少ないことに危機感を覚えました。
現状はそれでいいのかもしれません。
なぜなら、今は、我々学生よりも、上の世代の方が社会に価値を生み出そうと働いていらっしゃるからです。
しかし、これから我々が主役の時代になることは必然です。
そして、その主役たちの目的はあくまで個人に依存したもの、であるとすると・・・。
働くことが目的なので社会への貢献はまだ先の話。
となってしまう将来が怖いのです。
そうなったら、誰が日本の成長に貢献するのでしょうか・・・。
そんなことを考えていたこの頃でしたので、ありがたいことにラジオ出演させていただいた時も、Navi-razのサービスは置いておいて、このテーマについて語らせていただきました。
1時間の番組です。
(番組の始まりと途中、終わりに曲が流れるためYouTube上では無音になっています。)
では、この危機感を払拭するにはどうすればいいのか。
正直、その明確な答えはまだ何にもわかりません。
しかし、深井さんのお話からわかることは、固まってしまった概念をいかに発展させるのかを考えるのではなく、その根本にもう一度焦点を合わせてみるということです。
これは、自律性の高い社員さんを集めるために、理念を発信することに執着するのではなく、理念の設計からもう一度見直してみるというお話からもわかります。
また、在宅ワークの課題をいくら解決したとしても、理念の達成には直接つながらないというお話にもつながります。
つまり、個人の働く意味に執着してしまっている現状を、もっと広い視野で見て、個人は社会の一部であるということを考え直さねばならないのではないかと考えました。
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今回は、フクリパにて書かせていただいた株式会社コテンの深井社長へのインタビューから得た気付きや学びについて書いてみました。
長い、かつ、取り留めのない、結論のない、文章になってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。
気になった方はぜひNavi-razのページへ遊びに行ってみてください!
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