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【FXコラム】トルコリラで人生詰みそうになった話③〜阿鼻叫喚編:前編〜

ここまで2回に分けて“トルコリラとの出会い”、“アホのようにポジション取りまくった日々”について書いてきた。今回はいよいよ人生が詰みそうになった悪夢のトルコリラショックについて書いていく

2018年8月に入りトルコと米国の関係は急速に悪化していった。実はその頃はトランプ大統領が鼻息荒く世界中に喧嘩を売ってた時期でもあり、EUや日本といった同盟国に対しても関税を武器に突っかかっていた。トルコもアメリカとは同盟関係にあるがそのような背景もあり大した意味を持たなかった。

両国関係悪化の1番のきっかけはトルコが米国の牧師を拘束だか軟禁だかしたことだったと記憶する。エルドアン・トルコ大統領に対するクーデターを画策したとかなんとかの容疑で捕まったのだ。そしてこの牧師はトランプ支持団体であるキリスト会派所属の大物だったこともありトランプは激怒。トルコに対して関税かけたり経済制裁ちらつかせたりの強攻策に出たのだ。そしてトルコのエルドアン大統領も中々の政治巧者でトランプに対して一歩も引かない。すぐさま報復関税したりロシアに近づいたり強気の態度で対峙したのだ。

この地合いを受けて8月に入ってからのトルコリラはじわじわ下落。7月までぎりぎりキープしていた1リラ22円台をあっさり割り込み8月9日時点では20円台位まで下がっていった。

その時点で私の含み損も200万を超える位になっていたと思うがそれでも楽観的であった。何しろ毎日1万5000円程のスワップが貰えていたので半年もすればスワップだけで取り返せると思っていたし、そもそもリラが下げてるのは一過性だと信じ込んでいたからだ。20円を割ることはないだろう、と高をくくっていたのだ。念の為、FX口座に400万程度追加入金しあと4円程度下がっても大丈夫、という状態にはしていた。

そして8月10日を迎える。その日は金曜日であったが夏休みということもあり朝からゴルフに行っていた。酷暑ではあったが気持ちの良いラウンドを終え、14時過ぎには解散し各自帰路につくことになった。

ゴルフ場の駐車場に向かい愛車にゴルフバック等を積み込み一息ついた私は“そういえばトルコリラはどうなってるだろうか?”とふと気になりスマホでチャートを見てみた。そして愕然とする。

なんじゃ、これはー!!!!!

だだっ広いゴルフ場の駐車場で松田優作ばりのリアクションを取らざるを得ないような数字が目の前に飛び込んで来たのだ

えっ??1リラ17円???

なんとほんの数時間ゴルフに興じている間にリラは3円近く急落。私の含み損も一気に500万位に膨らみロスカットまであと80万だか90万だかという危険水域まで来ていたのだ。

あわわあわわあわわ
あわわあわわあわわ
あわわあわわあわわ

私は生来冷静な方だと自負しているが、その時ばかりは何が起きてるのか瞬時には理解できなかった。考えたこともないようなレートが目の前で飛び交っている。ほんの数時間で3円も動いている。元々が20円程度しかないので実に15%も下落しているのだ。

マーケットも混乱してるようで値動きも凄かった。スプレッドも広がり平均で50pips位開いていただろうか、さっき18円台に戻ったかと思えば次の瞬間には17円半ばに下がってる。それにつれ私の含み損も100万増えたり減ったり、それはそれは凄まじい動きであった。

兎に角、ロスカットは避けなければ!!!

何とか多少の冷静を取り戻した私は追加入金をすべくメインで使っている銀行のネットバンキングから200万をFX口座に入金した。他の銀行口座にはまだ多少の金があるのだが如何せんそこはゴルフ場の駐車場。振込用暗証番号等が書いたカードは家に置いてきており、一旦はこれが限界であった。あと2円程度の下落に耐えられる余力にはなったがその日の値動きを見てる限り1ミリも安心出来ない。急いで家に帰り何とか資金繰りをせねばと車を走らせた。

車中も気が気がじゃなかった。スマホホルダーを使い横目でチャートを見れる状態にして気もそぞろ運転したのを覚えている。幸いにも家に着くまでの間は一旦の小康状態に入り、私の含み損も500万を切る位までに改善。しかし、駐車場で受けたショックですっかり気が動転していた私は

あわわあわわあわわ
早く家について何か手を講ぜねば(゚д゚)

その一心で帰路を急いだのである。

後編へ続く

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