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【FXコラム】トルコリラで人生詰みそうになった話①〜出会い編〜

あれは今からちょうど2年前になるか、私はトルコリラに夢中になった。

それまでこの地中海に面する異邦国の通貨には全く関心無かったのだが、ひょんなことからその存在を知り色々調べるうちに何故かセレンディピティ(運命的な出会い)を感じたのだ。

“この時、このタイミング、俺はトルコリラに出会うべくして出会ったのだ!!”

と本気で思ったのである。

というのも、トルコリラ円は2000年初頭には1リラ約170円とドルより強かったものが10数年の年月をかけ“これでもか!これでもか!”と下がり続け、私が初めて見た時は1リラ23円になっていたのだ。

一本調子で下がり続けている長期チャートを見た私は、

“ここから大きく反転するぞ!!”

と思ったのだ。もう少し正確に表現しよう。

“俺のためにここまで下がってくれたんだ。俺が来るまで上がるのを待ってくれてたんだ!!”

と思ったのである。

今思えば何故そんな都合の良い発想に至ったのか我ながら厚顔無恥極まる話であるが、如何せんセレンディピティを感じてしまった当時の私は自分の確信に1ミリたりとも疑いを持つことすら無かったのだ

人間の思い込みとは恐ろしいもので、一度セレンディピティモードに入ったら最後、トルコに関する全ての情報が魅力的に見えてくる

・人口が多くかつ人口ピラミッドも非常に綺麗である

・東欧と西欧の繋ぎ目に位置し地理的に非常に有利である

・安い労働力で欧米アジアの工場としてホットである

等々、トルコに関する全ての情報がこの国の可能性を示す材料として次々に脳にインプットされていく。挙げ句の果てには江戸時代かそこらに難破したトルコ船を日本人が助けて以来の親日国である、という経済的には何ら関係ない情報までトルコリラが上がる材料の1つとして捉えだす始末だった

そして一通りの情報収集を終えた結果、頭の中でチーンという音が聞こえた。

“結論。トルコリラは断然買い”

という判断がなされたのだ。なされるも何も最初から結論ありきのため、自分の判断を正当化するために都合の良い情報を入れまくった、というのが正しいだろう。

そこから私は実際にトルコリラ円を買い進めることになるのだが、それはまた次の記事で書くこととしたい。

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