3月相場を振り返る

3月相場も引き続き大荒れの相場になりました。
3月の日経平均は月間で2225円安と、3ヶ月連続の下落で、18年12月以来の下げ幅となりました。
中国、韓国、ヨーロッパに続いて、アメリカでも感染が急拡大し、3万ドルが迫っていたアメリカ株は急落しました。
アメリカのFRBは3月だけで緊急利下げを2回も行い、量的緩和を再開。
先進国が協調してドル資金を供給したほか、アメリカ政府は2兆ドルを超す大型の経済対策を発表。
それでも、アメリカで感染が拡大して緊急事態宣言や移動制限が起き、人やモノの経済活動が停滞する中、失業者が増えるなど、経済が急速に悪化してきていて、アメリカの株価はまだ不安定な日々が続いてます。

そして、日本はといえば、新型コロナウイルスの影響で、これまで日本経済を支えてきた中国を中心としたインバウンド需要がなくなった上、日本も感染がじわりと増えてきて、先日、東京都が外出自粛を要請し、国内の人やモノの経済活動が停滞していて、日本も所得の減少や雇用環境の悪化から消費が急減するリスクがでてきています。
製造業は輸出減少や世界の工場停止、世界景気悪化による国内の生産調整も起きていますが、今回のことで、非製造業にもダメージが大きく及ぶことになりそうです。
急落してきた株価が一旦落ち着いたとしても、さらに国内で感染者が増え、今後
緊急事態宣言や都市封鎖が起きると、経済は一段と冷え込むでしょうし、来年夏に延期となった東京オリンピックが本当に開催できるのか、世界の状況も改善しないとより不透明になってくることが考えられるので、まだまだ2番底懸念は拭えないように思います。

3月相場を見ていて、今後のポイントとして気にしておきたいのは、債務。3月16日の日に特に思ったことでもありましたが、リーマンショック後膨らませてきた世界の企業や国の債務には注意しておきたいですね。
新興国など特に注視したいですが、
格付け機関による格下げが、日本企業でもみられたほか、南アフリカ国債はジャンク級に格下げされていました。

また、香港のアパレル大手がヨーロッパ事業の破産申請を発表したり、ソフトバンクグループの出資先であるイギリスの出資先企業が経営破綻するなどというニュースも相次ぎ、企業の資金繰りが引き続き懸念されます。
そして、アメリカの不動産。アメリカでは不動産ローンファンドの信用不安も続き、近く支援が検討されているようで、アメリカでは不動産が高騰してきていただけに、これから不動産の話題も出てくるように思います。
アメリカの株式市場の下落により、逆資産効果で個人消費の減速、企業の評価益毀損リスクも表にでてくることになりそうです。

ただ、新型コロナウイルスによる経済への影響が懸念される中、企業の資本業務提携の話も続々とでてきているという点も目をひきました。
トヨタやNTTのスマートシティ構想での資本業務提携のほか、ジャパンタクシーとKDDIが資本業務提携を発表。
また東京電力パワーグリッドが介護関連事業を手がけるウェルモと資本業務提携を発表。それに三菱地所とユーザーベースも資本業務提携を発表。三井製糖と、大日本明治製糖、日本甜菜製糖の三社が資本提携にむけて協議を開始すると発表。出前館とLINEも資本提携を発表しています。
今後、長期的な視野にたって力を合わせる企業の動きが益々でてくるかもしれませんので、新年度に入ってからもこの点については注目していきたいです。

年度末の日経平均は、1万9000円を下回って終えましたが、前場に250円高の場面があった一方で、後場は250円安の場面もあり、積極的に買えないが様子見ムードも強まってました。

まずは、4月1日日銀短観、4月3日のアメリカ雇用統計や、アメリカ3月の非製造業景況感指数を見極めて、企業業績について再度考えていくことになりそうです。

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