オイラーの等式

美しい数式図鑑 No.1 『オイラーの等式』

オイラーの等式とは?

天才数学者「レオンハルト・オイラー」が導出した等式. 「数学界におけるもっとも美しい等式」と言われています. もちろんぼくも「 数学の一番有名で美しい等式は何か」と聞かれたらこの等式を挙げるでしょうね. 

この等式は理系学生であれば誰でも知っているような超有名な等式ですが, そうでない一般の方にはなかなかなじみがないと思います. それゆえ『オイラーの等式』の話題を出すと高確率で「おいらの等式」と間違えられるんですよね. ぼくの好きな某有名ユーチューバーも間違えてました.

『オイラーの等式』は複素数における重要な公式「オイラーの公式」から導くことができます. 数学の世界では公式から公式, そしてまた次の公式をどんどん生み出すことで世界を広げていくのです. (「オイラーの公式」はまた別の記事で紹介予定)

登場人物の紹介

e (ネイピア数) … 対数 (log) で登場. 解析学でのキーパーソン.
② i (虚数単位) … 複素数でおなじみの2乗したら -1 になる数. 代数学で活躍.
③ π (円周率) … 円の面積や周の長さを求めるときに使う. 幾何学のボス.
④ 1 (いち) … 1 になにを掛けても数は変わらない. かけ算における特殊な数.
⑤ 0 (ぜろ) … 0 になにを足しても数は変わらない. たし算における特殊な数.

美しさを感じるポイント

ここでは『オイラーの等式』の美しいポイントをを3つ紹介します. 

1つ目は "見た目のシンプルさ" ですね. 余計な数や記号を省き, "e, i, π, 1, 0" の単純な5つの数だけでこの等式は作られています. 余計なものをそぎ落とした結果 "本質" のみが『オイラーの等式』には残されたようです. まるでこの等式は "数学界のミニマリスト" のようですね. 

2つ目のポイントは "解析, 代数, 幾何の三大分野をまたいでいる点" . ここで出てくる解析 (微分積分について), 代数(方程式について), 幾何 (図形について) は数学における重要な基本分野なのです. どのくらい重要かというと, 中学や高校の数学の勉強がこの三大分野を中心に練られているほど. そして実は『オイラーの等式』に登場する数 "e (ネイピア数)" "i (虚数単位)" "π (円周率)" はそれぞれ "解析" "代数" "幾何" におけるキーパーソンなのです. つまり, 『オイラーの等式』は数学の三大分野のキーパーソンがすべて登場する舞台となっているのです. 

最後のポイントは "かけ算とたし算における重要な数, 1と0の存在" です. 先ほども紹介したように 1 と 0 はそれぞれ, かけ算, たし算において特別な数です. 1にどんな数をかけてもその数は変わりませんし, 0にどんな数を足しても同じようにその数は変化しません. (この理由から 1 は乗法における単位元, 0  は加法における単位元と呼ばれています.) 三大分野のキーパーソン "e" "i" "π" に加えて 1 と 0 という計算方法の代表格, "かけ算"と"たし算"における特殊な数も含んでいるのです.

『オイラーの等式』の美しさを少しは感じ取ることができましたか??

日常生活での使い方

最後に『オイラーの等式』を使った日常会話の例を紹介します.

A 『任天堂Switchでスマブラが出るらしいよ』

B 『スマブラってなに??』

A 『任天堂のゲームの有名なキャラが勢ぞろいして戦うゲームだよ』

B 『オイラーの等式じゃん』

おわりに

連載(予定)『美しい数式図鑑』の記念すべき第1回は『オイラーの等式』でした.
今後の予定としては, 『ピタゴラスの定理』『イェンセンの不等式』『メルカトル級数』など等式に限らず, 不等式や級数も含めてぼくが美しいなぁと感じたものを紹介していくつもりです.
証明はWikipediaに載っているので書くつもりはありません. 
数学に無縁の人生を歩んできた人が未知の世界に触れるきっかけになればと思います.

新しい知識が増えたな~と思いましたら, 投げ銭よろしくお願いします.

参考 『オイラーの等式-Wikipedia

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