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美術館で会った人だろ、アンタ。 10
ブランクーシ
本質を象る
アーティゾン美術館
うん所用があってね
東京に出かけてたんだ。
でさ、覗いてみたんだよ。
アーティゾンのブランクーシ展。
なかなかに抽象的で
妄想の捗る展覧会だったよ。
写真も一杯撮れたからホクホクだね。
さぁ諸君、誤読の時間だ。
その1
![](https://assets.st-note.com/img/1717477209541-jY9gBPPMeB.jpg?width=1200)
ブランクーシが
アカデミックな教育下あった時代の作。
塑像を作成して、型を取って、鋳造したんだね。
いや、全く普通ではあるんだよね。
でもね、台座がないからふつうぢゃないんだよね。
当時の常識だったらしい。
![](https://assets.st-note.com/img/1717477290843-N4N3EJ0z6l.jpg?width=1200)
髪の毛が無くなっちゃった。
その他にも何かとつるつるしてるね。
手のことは気にしないことにしたらしい。
![](https://assets.st-note.com/img/1717477362950-I8ORooF41Q.jpg?width=1200)
ゴロンとね。
ゴロン時代が始まりを告げる作品だそうだ。
でもブロンズ。
![](https://assets.st-note.com/img/1717477437991-kefPBqEjMn.jpg?width=1200)
ブランクーシの初の石の直彫りとのこと。
象徴主義の影響下にある画期的な作品だそうだ。
ウけそうなのわ判るけど
展覧会のメインヴィジュアルにするのわ
如何なもんですかね。
21世紀の眼で見るとふつーじゃん。
商業美術のフィールドだとアリだけど。
その2
![](https://assets.st-note.com/img/1717477535476-Ix1aXQmxSM.jpg?width=1200)
うーん。女性の胸像ですとのこと。
台座付きじゃん。いらんやろ。
いや それが意図するところか。
どっちにしても
認定:黒犬案件(尾も白くない)
![](https://assets.st-note.com/img/1717477662911-jx9mdEWXb7.jpg?width=1200)
これは判り易いね。
どうやって抽象化したかがイメージできる。だ
からといって陳腐な感じがしない。
具象の残滓は感じるけど(裏側)立派な抽象。
![](https://assets.st-note.com/img/1717477757856-FQmuK9q7on.jpg?width=1200)
抽象化は深化してるね。
夾雑物を極限まで排除してるみたいで
ナカナカに気持ちイイ。
![](https://assets.st-note.com/img/1717477822608-yvPdBdf94a.jpg?width=1200)
で、こうなる。
気持ちイイ抽象。
屹立するイメージが
すっきりと伝わってくる。
![](https://assets.st-note.com/img/1717477881414-puClK8BL3D.jpg?width=1200)
こーゆーのを見せていただきたいの
ですね。
アタマとこの切れ込みはなんだ
とか。
具体的ではないが根源的なものが
伝わってくるよね。
![](https://assets.st-note.com/img/1717477943956-3BwSI2P4Aw.jpg?width=1200)
で、こうつながるんだよ。
浅墓な絵解きはしたくないけど
なんか共鳴してると思わないかい。
イロイロと妄想が捗る。
認定:白犬案件(尾も白い)
その3
![](https://assets.st-note.com/img/1717478129066-MocuqZQtci.jpg?width=1200)
すっくりと立ち上がっているイメージ。
気のせいか誇らしげな感じがする。
メインヴィジュアルは君だ
激しくレコメンドしたい。
![](https://assets.st-note.com/img/1717478506017-FrUmMdo9DF.jpg?width=1200)
君が魚を見るとき、
その魚の大きさについては
考えないだろう?
考えるのは、
そのスピードや泳ぐさま、
水を通して煌めく体であるはずだ。
とは
ブランクーシの弁。
納得力の作。
![](https://assets.st-note.com/img/1717478577668-BQAuaBZvRu.jpg?width=1200)
ギリシャのネタだね。
神話の設定に納得いかないブランクーシは
白鳥に変じたのはレダであると
設定を変えちゃったんだね。
だからこの際は
白鳥に変じた神話の登場人物
をイメージしたものであると
読むべきであるのだね。
![](https://assets.st-note.com/img/1717479052017-u9rYaYodBm.jpg?width=1200)
これは鳥か?
いや鳥という生き物でわなくて
鳥が飛翔するというモーション、
それだけのことなんだろうね。
ふつーは出来ないことだと思う。
結論
以上がアタシの粗雑なインプレッション。
タイパは大切なことだから
コンパクトにまとめようか。
ブランクーシの表現にとって
磨きブロンズはナカナカに都合よかった。
磨きブロンズは観衆の視線を反射する。
つまりは観衆の視線による夾雑物を排除できる。
だから
ブランクーシのイメージを
純粋に表現できるのは磨きブロンズであった。
素材を得て彼は
イメージをとことん蒸留していき
ゴッツイ純粋化した表現を獲得した。
ということ。
あとナカの人に申しあげたいのが
一部作品は
明らかに磨きが足りていなかったぢゃないか
と思ったんだけど。
この日はこの後、呑友と約束があってね
小川町のみますやで
さくらさし他で白鷹の熱燗をやっつけたんだ。
当然ご機嫌だったよ。
E.N.D.
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