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#1000円で元気になれるモノ 春風のスイートピー

花屋の店先に揺れる花々は、春の空気を運んでくれる。華やかで、軽やかで、優しい色合い。
1000円で元気になれるモノ、私はスイートピーの花束を買いました。

この企画を拝見し、真っ先に思いついたアイディアは、霜降りステーキを買っちゃおうかな、ということでした。塊肉でローストビーフ(ポーク・チキンもすてき)でもいい。サラダ仕立てにしたり、サンドイッチにしたり、どんぶりものにしたり。

豚バラ肉の塊を買ってベーコンを仕込んでもいいし、春野菜のピクルスをつけてもいい。生クリームを買ってきて自家製アイスを作ってもいい。外出がはばかられるときだからこそ、自宅でできる「手作りの楽しみ」「時間をかける楽しみ」を楽しむチャンスだろうな、と。

あるいは、「せんべろ」という言葉もある通り、1000円で晩酌セットを組合わせてみるのも面白そうです。クラフトビールなら一缶200~300円くらい、よなよなエールさんや、COEDOさんなどの個性の光るクラフトビールに、缶つまなどのちょっと贅沢な缶詰を合わせてお家で角打ち。あえて調理はコショウやレモンを振る程度って縛りをつけて、割り箸を用意して、照明を絞ってみて、お店みたいに演出したり。ごっこ遊びは楽しいものです。

ただ、この企画で一番の肝は、

1000円で買いたいのはモノじゃなくて、元気になるっていう体験なんです。

ということ。私にとって、美味しいもの=元気をくれるものに間違いありませんが、少しだけ特別感が物足りません。

お財布から1000円を取り出して悩みます。1000円札の樋口一葉さん。デザインとしては夏目漱石さんの青緑色が好きでした。文豪たちを見習って本を買うのも一つの手です。観劇、は密閉性の高い劇場が不安なので、代わりに映画配信サイトで古き良き名作を鑑賞することもできます。
1000円の可能性に思いを馳せつつ、ご褒美、思いがけなさ、1000円、ぐるぐると考えました。「できるだけ自宅でできること」というのが意外なほどネックです。

うん?いやいや、逆に「自宅」こそキーワードなのでは?と、ここまで考えて閃きました。「自宅」にいる自分を元気づける。ついつい「食」を注視しがちな性格としては、「住」を充実させることが特別感につながりそう。1000円で、住。あと少し、あと少しで答えが出せそうなソワソワした気持ちです。そういえば、人に手土産を上げる時の予算です。お祝いや目的があるときを別にして、気を遣わせないプチギフトならこのくらいが上限設定。ちょっとしたお菓子やハンカチ、アロマ、ミニブーケ、・・・そうだ、お花!

そうして。店先の色とりどりの花から選んだのがスイートピーです。
(すでにヤマシタ マサトシさんが“花屋さんで一輪花を買ってきて飾ってみる”と提案してくださっていたのにぽんっと忘れて悩んでしまいました。)
パアッと勢いのある黄色も魅力的でしたが、今回はけぶるような青みがかった紫色と、愛らしく柔らかいピンク色の二色にまとめました。 強すぎない控えめな香り、ふわふわ、ひらひらとたなびくような花弁は本当に優美です。「門出」という花言葉があるようで、卒業シーズンに人気だそう。

花のある生活に憧れるものの、手入れや諸々の手間と天秤の結果、頑丈な植木鉢や造花ばかり飾っていましたが、やっぱり生の花ってエネルギーがあるような気がします。植木鉢のグリーンがくれる安らぎや落ち着きとはまた違い、華々しく、賑やかに存在を主張して、部屋の中が一段明るくなったようです。不安や閉塞感を優しく吹き散らし、春のそよ風みたいに、沈んだ気持ちをふわっと持ち上げてくれます。

桃の節句、桃の枝を買った方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。3月8日はミモザの日でしたね。チューリップもカラフルに咲き誇っています。
1000円で、春のかけらを買いませんか。


#1000円で元気になれるモノ

ヤマシタ マサトシさんの 企画に投稿させていただきました。