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子宮体がん体験記 薬の指示ミス


三回目の抗がん剤投与日。この日も朝からの通院で血液検査から始まった。

前回のような採決時のお湯で手の温める、何かの罰ゲームのような事はこの回の時には無かった。
しかも針は一発で血管に入った。
ところが血の出が悪く、三本必要なところ二本しか採れない。

もう一度そのために針を刺すのも、刺したからといって私の場合はちゃんと血が出てくれるかも分からないので、検査部の方に二本で足りるかどうかを問い合わせてもらう事になった。

その間は採血室で待つ事になる。

更にそれが終わった後、抗がん剤前の外来診察があって軽い問診をするんだけど、これまたかなり待たされた。

前の患者さんが時間かかったみたい。

問診が終わって、いつも通り看護師さんによるヒアリング相談等があった。

この時に今日飲む予定になっている薬、イメンドカプセルを持ってきた事を確認された。
なので、持ってきている事と
『いつ飲むのですか?』
という事を質問した。

すると投与の1時間前までには飲んでおかないといけないので、もう飲んでくださいと言われ慌てる。

とはいうものの、その場で飲むわけにもいかず急いで外来診察治療室に行き、案内されたベッドについたら
すぐに飲んだ。

そうしたら、やってきた看護師さんにイメンドカプセルはと問われたので
私はギリ間に合ったかなぁ?と思いつつ
「つい今飲みました」
と答えると

「え?イメンドカプセルはここについて、看護師が確認してから飲んでください」

と言われ、困惑する。
どうやら結構、しちゃいけない事をしたみたいで他の看護師さんもきて

「先に飲んじゃったみたいなので、こうこうこうします」

と看護師さん間で帳尻を合わせるようなミニ話し合いみたいなのしていた。

「外来の看護師さんがもう飲んでくださいね」
と言ったんですけど

と言うべきか考えたけど何だかそれも言い辛くて

「サーセン、次からはきょーつけまーす」(イメージです)

ぐらい軽くは無いんだけど明るく謝罪し、ちゃんと理解した事を伝えて、それ以上は言えなかった。

女性間のやり取りでは時に、相手の表情、言い方等で「これは何かあるぞ」を匂わせることが出来ることがある。
この時私はそれに賭けたのだと思う。

口には出さなかったが、私の独断で薬を飲んだのではないとその場の看護師さんたちに伝わってほしいと。
多分伝わった。あ、この患者さんは誰かに指示されたなと。

誰に言われたかを追求したければ私に聞いただろう。
けれどそれは無かった。

何故そんなことをするのか。

看護師さんたちが私に説教し出したら、私は言ったと思う。

けれど看護師さんたちは私の言動で何と無く気がついたのだ。
ならばわざわざ「あの外来看護師さんが悪いんです」と告発しなくても病院側で今後上手く連携を取れるように同じような事が起こらないようにしてくれるなら、私はそれでいいと思ったのだ。

看護師さんたちも私が今後、この薬を飲む段取りが分かったならばそれでいいと思ったようで、この日はこういうちょっとしたハプニングがありながらも投与は前回と変わらず、眠りながら終わった。

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