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2022映画ベスト10 +α メモ書き

2022映画ベスト10 +α
各作品への感想コメントメモ書き
ネタバレ含む

⬛︎カモン カモン
ホアキンの自然体の演技が見応え!子ども特有の思考と可能性に気づきを得る、擬似親子を描いた作品。……と、一言に纏めるには惜しい程の良作。どちらかというと大人びて飄々とした子役ジェシーと、人生複雑に悩んでる大人ジョニーの人生が、相互作用して変化してゆく様が面白い。これは大人と子どもの垣根を越えた、大親友同士の話なのである。引用される一節も素晴らしいし、リアルな子どもたちの言葉も感銘を受ける。何度も見返したい。

⬛︎アフター・ヤン
物語の神秘性、映像と音楽…作品を構成する素材の色、歯車が見事に合致した様な調和性が大変良かった。原作をベースに、新たなAI近未来の可能性、"人間かAIか"のその先を描く物語と帰結に感激した。ひとつひとつの構図や動作に込められた意図に気づくたび、どうしようもなく悲しく、愛おしく感じる有限性。唯一無二にも感じられる独特な世界観で観る死生観。
・OPのダンス、本作を描くに大変象徴的で、監督の爆発的な(?)生への意気込みをも感じる。絶妙なシュール感で何回も見てしまうよね

⬛︎国境の夜想曲
ドキュメンタリー枠だが、背景などの説明は殆どなく、短い映像作品を繋ぎ合わせた作風の映画。あるがままの自然美、情景から浮かび上がる現実の残酷さ。しかしここにあるのは絶望の嘆きだけでなく、確かなる希望が宿っている。これまでのドキュメンタリーにもある要素ながら、他の作品とは一線を画しているように新鮮に感じられた。
・できれば邪魔の入らない場所で、一人でじっくり見たい。配信でも見れるけど、映画館鑑賞がもう一度したい

⬛︎ブルー・バイユー
タイトルを見るだけで、あのブルー・バイユーのメロディが頭に響くよう。それくらい印象に残った作品。人生とは理不尽で、不可抗力に与えられ奪われるものがどうしようもなくある。ごく僅かな可能性を前に、自分なら如何様に足掻けるだろう、己をどう納得させて歩いて行けるだろう…と考えさせられる。どうにか幸せになってほしい。
・同じような題材で「マイスモールランド」もあったが、こういう境遇や問題がリアルに取り糺されるようになってこと描けるようになった作品かもしれない

⬛︎みんなのヴァカンス
ほのぼの枠。不意に集った3人組のラフな関係と、気侭な休暇の過ごし方がとてもいい。日頃仕事と家の往復でガチガチに生活してると、これくらいゆるい話にほっこり癒されたくなる。(当人たちは本気で遊びに恋にエンジョイしているので、失礼な言い回しだったら大変申し訳ない) セラヴィ!が口癖の仏人らしい出会いと戯れを描いた良作。

⬛︎RRR
映画館で絶対見たい浴びるエンタメ枠。我らがS.S.ラージャマウリ監督がやってくれました!!とか叫びたくなるくらいのどインパクト作品。ナートゥ耐久上映会とか行きたい。何を書いても陳腐になりそうなので、とりあえず観て欲しい。
・「ベストに入れるか?特別枠か?」を100回ぐらい自問自答して、52対48くらいの差でベスインにした。(数票はバーフバリへの個人的な思い入れによるものです。)

⬛︎ベルファスト
おじいちゃんおばあちゃん枠。監督の幼少期をベースに、故郷での生活を描いた作品だけど、家族やご近所仲以上に祖父母との記憶を残したかったに違いない、とひしひし感じる。個人的に胸に刻んでおきたい名言・名シーン連発の作品。
・"Go now, don’t look back." のおばあちゃんの表情が忘れられない。いつだって旅立つより見送る方が、ずっと胸に堪えるもの。

⬛︎THE FIRST SLAM DUNK
面白くてびっくりした。原作が魅力的なものであることは重々承知、声優も変わりどうなる?という期待と不安に揺れる心を、がっつり掴んできた感じ。(といいつつ、私自身は遠い昔アニメで履修した人間なので、原作はほぼ読未) 作品全体に凝らされた演出工夫、実写では拝めないアニメならではのカメラワーク・見せ方が徹底されていたこと、華美でダイナミック<テンションの高低差を使い分けるシンプルな演出というところが大変良かった。応援上映待ったなし。

⬛︎スパイダーマン NWH
"隣人のヒーロー"として、これまでヴィランとしてあった人物達を救おうとする姿が、他のヒーロー映画と一線を画していたと感じた。その優しさは弱点となりうるし、取りこぼして失った代償は大きいが、それでも尚、自分の信念を持って誰かを救い続けようとする…これが現代のスパイダーマンか!と胸が熱くなった良作。シリーズものだけど、本作だけでも相当出来な作品だったのでベスト入り。
・例のシーン
初日レイトで観に行った際、アンドリューが出てきた途端、あちこちからどよめき声が上がり、次いでマグワイアの姿が見えると拍手と口笛が上がったあの瞬間!劇場内が歓喜で満ちたのを体感して本当に良かった。そりゃ最高に決まってる!!!なメタ演出だけど、夢を夢で終わらせず、作品として実現したことがすごい。ありがとうございました。

▼特別枠▼
⬛︎トップガン マーヴェリック
言うまでもない完封なきまでの名作。前作に引き続き今後の映画史に残るものだろうと思ってる。物語や造り込みもさながら、主演トムクルーズの本気な思い入れを作品全体から感じる。(トップガンの権利を買収した、本人が認める脚本が出てくるまで続編却下の逸話など。)彼自身の遺産というか、前作の呪いみたいなものから解放してくれた物語。前作ありき(セットで)の本作、というイメージが強いので、今回は特別枠に。

⬛︎K.G.F.: Chapter2
劇場未公開のため、自主上映会(英字幕)で鑑賞。解釈が追いつかないところも多々あったけど、Chapter1を凌駕する怒涛の展開、劇場内のテンションも鰻登りで面白い!個人的には、一緒に鑑賞していた在日インド圏の方々との現地を模した熱狂が大層素晴らしかったし、一生忘れないと思う。あの時だけ劇場内は間違いなくインドだった。
・数々の見せ所の中、特に"I'm also CEO〜"のワンシーンは、マイ流行語大賞2022入りした程のインパクト。後、次作を匂わせるラスト(本作はChapter2までだと思われてた)も最高だった。次作こそは日字幕付きで観たい。
参考▶︎KGF CHAPTER 2 - ROCKY MEETS THE PM OF INDIA | ROCKY MEET RAMIKA (2:10〜)

⬛︎総評
・2022年は前半(オスカー時期)がすごい量・スパンで鑑賞していた分、後半があまり見に行けなかった年に。見逃し作品も結構あったけど、こればかりは仕方がない。
・ベストを選ぶ際は、ボーダーによって作品が少なすぎるか多すぎるか…な状態になったため、今年は「自分が思わず一言言いたくなる作品」を基準に選んだ。例年通り傾向がバラバラなのはご愛嬌。
・印象に残った、完成度に感銘を受けた…などのボーダーで選ぶと、また違うベストになるけど、今年は上記が一番しっくりきたし、結果的に満足のリストに。今年はいくつみれるかな…。

・鑑賞済み/感想未
LOVE LIFE / 真夏の夜のジャズ

※随時加筆修正します

2023.01

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