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[問]なぜバフェットは着実に資産を増やせるのか? [答]割安株投資は「ビジネス」だから!?

この記事を読んでいるあなたはすでにご存じだと思う、株投資で大富豪になった米投資家、ウォーレン・バフェット。彼は20代から株式投資をしてきた中で、なぜ大きな損をせずに巨額な資産を築き上げることができたのでしょうか?
その答えは、「『ビジネス』をしてきたから」です。

多分???となったでしょう。
このことについて解説していきたいと思います。

なぜ割安株投資が「損しない」手法なのかについて理解するためのわかりやすい例として「銀行の住宅ローンの融資」について見ていこうと思います。

とある家族がマイホームを手に入れるために銀行に行って住宅ローンを借りようとしているとします。
すると、銀行の融資担当者は、まずその家族が建てる住宅の土地と建物の価値を調べます。ここでは例として、土地代が2000万円、建物代が2000万円の予算とします。つまり、合計4000万円の住宅ローンを借りる予定です。そこで、融資担当者は、ローンを借りる家族が購入する土地2000万円と建物2000万円が本当に合計4000万円の価値があるか確認します。つまり、4000万円借りて3000万円しか価値のない土地と家を購入するなら、担保としては3000万円を前提にお金を貸すことになります。
ここで重要なのが、この土地と家の価値をしっかり調べることです。そして、この家族が購入する土地と家を住宅ローンの担保にします。このように担保を取ることで、もしこの家族がローンを返せなくなっても、銀行は担保の家を売却することで融資したお金を取り返すことができます。
次に、融資担当者は、その家族の収入を調べます。この調査で例えば家族の年収が500万円なら、35年ローンで借りる4000万円を返済すために年に150万円のローンを支払えるかどうか計算します。例えば、家族の父親が正社員かや、他に借金がないかなども調べます。
また、現在の保有資産についても調べるかも知れません。ただ、いくら資産があっても住宅を購入した場合、返済能力には大きな影響はないでしょう。つまり資産があっても、例えば父親が会社を解雇された場合などでは、資産が尽きるまではローンの返済ができますが、失業が長引けばいずれはローンが返せなくなるからです。
この収入を調べることは、もし融資した場合に、その家族が住宅ローンの元本と金利をしっかり払ってくれるかを確認しています。

以上のように、銀行の住宅ローン融資担当者は、借り手の収入と購入する住宅の価値を調べ、さらに安全を取って担保の住宅の価値の90%程度以下のお金を貸します。

この住宅ローンの融資では、お金を貸した人のほとんどはしっかり満額返済してくれます。そして、もしローンを返せなくなった場合にも、担保の住宅を売却することで、貸したお金を回収します。過去の経験から、住宅ローンが返せなくなる人は少ないので、銀行は破産した人が出てくると損しますが、基本的に融資の焦げ付きが少ないので、損するコトを恐れずにどんどん億単位のお金を貸して、その見返りに莫大な利益を上げることができます。

以上、銀行の住宅ローン融資について見てきました。このように住宅ローン融資は「投資」ではなく「ビジネス」です。それは、収入と担保を計算してお金を貸すからです。

ここで、頭が切れる方はピンとくるかも知れませんが、バフェットに代表される「割安株投資家」はまさに株式投資で、この「住宅ローン融資」と同じアプローチを取っているのです。
つまり株を購入する予定の企業の資産と収入を調べて、その裏付けを取ってから購入価格を決め、実際に投資しています。一般的に株式投資はミドルリスク・ミドルリターンです。国債などの債券や銀行預金よりはリターンが大きいですが、その代わりリスクも大きくなります。しかし、先に見たように、銀行の住宅ローン融資のように、企業の保有資産以下の価格で株式を購入すれば、もし倒産しても投資資金をある程度回収できるでしょう。そして、銀行の融資のように損する確率が小さいので、安心してどんどん株を購入することができます。

これがバフェットが行ってきた割安株投資です。つまり「投資」と言うよりも「ビジネス」なのです。そして、銀行は住宅ローンを借りた人が出世して何億円もの収入を得ても、ローンの元本と利息を返済してもらう以外の追加収入はありません。ところが、株式投資では、企業が素晴らしい業績を上げれば、株価がどんどん上がり、リターンが大きくなります。そして先ほど見てきたように、割安株投資は損するリスクが小さいのです。つまり、ローリスク・ミドルリターンなのです。

バフェットが数千億円の株を購入しても、ほとんど損せず、着々と毎年大金を稼いでいる理由がわかったのではないでしょうか。あらためてまとめると、割安株投資は「投資」ではなく「ビジネス」であり、損するリスクが小さいのに、投資なのでリターンが大きい。そのためバフェットのように、株投資で大損することなく、毎年着実に資産が増えている、と言うことです。

いかがだったでしょうか?
株投資の知識がない人は、バフェットが数千億円払って株を購入できるのは、資産が兆円単位なので損しても平気だからと思っているかも知れませんが、実は「損することが少ない」から躊躇せずにどんどん株を購入できているのです。
あなたも株投資に興味が沸いてきたのではないでしょうか?
もし、特に「割安株投資」に興味が出たら、バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアム著の『賢明なる投資家』という書籍を読んで見てください。日本での一般的な「株投資」本と違って、ローソク足チャートを使うテクニカル分析は出て来ません。若かりしバフェットが読んで衝撃を受け、グレアムが教えている大学に入学し、直接講義を受けるきっかけになった本です。

以上でこの記事は終えたいと思います。
では、また別の記事でお会いしましょう。

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