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【地中海リクガメ】冬眠について

最近、地中海リクガメの仲間を冬眠させる人たちが増えて嬉しいと思っています。

私の地中海リクガメ飼育生活は、2000年にロシアリクガメ、ギリシャリクガメからスタートした
のですが、当初は怖くて冬眠させることができませんでした。その理由は、国内でそれらのリクガメを冬眠させて飼育しているという情報が少なかったからです。
生息地の気候を調べてみると、本来は冬眠しているはずのリクガメたちですが、冬眠中に死んでしまうのが怖い、ということで、中には、冬場も保温して、冬眠させずに飼育した方が亀にとっても良い、という指南を書いた書籍もありました。
しかし、変温動物である彼ら(ロシアリクガメ、ギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、マルギナータリクガメなど)の生まれ故郷の気候は、ほとんど温帯であり、冬になると気温がぐっと下がるので、普通に考えても冬眠するのが妥当だと思ったのです。また、国内にはなくても、海外の書籍やWebサイトには、彼らを冬眠させるのは当たり前、という記事がたくさんあったのです。

当時は、日本における地中海リクガメの仲間でも、冬眠ノウハウが確立されていない、というのもありました(国内の書籍やホームページにしっかりした情報がなかった)。

なので、海外のホームページを読み漁り、森リクガメ研究所のご夫婦や北九州市の先輩などなど、時々はご自宅までおしかけて、そんなベテランの先輩方にあれこれお話を聞きながら、徐々に冬眠をさせるようにし、冬眠させる飼育のコツを掴んでいきました。アドバイスをいただいた皆さんには、とても感謝しています。

冬眠箱は直視日光があたりにくいところに置きます

今では我が家にいる地中海リクガメたちは、全ての個体が冬眠をしています。
11月に入ると気温が下がって、亀達の活性が下がり、餌をあまり食べなくなって、12月の冷え込んだ日に屋外に置いてある落ち葉を詰め込んだシェルターやコンテナボックスの中で冬眠させます。冬眠明けは3月の半ばくらいからネットやテレビの天気予報で気温を確認し、1日の平均気温が15度くらいになったら落ち葉の中の冬眠状態を確認して、動いている様子があれば起こすという感じです。温暖化のせいか、年々冬眠期間が短くなっている印象を受けます。
冬眠中は、気温が5〜10度の範囲であれば、しっかり冬眠してくれている感じです。これが把握できるようになってから、海外の文献やホームページで時々紹介されている冬眠方法の「冷蔵庫の中で冬眠させる」が現実味を持って理解できるようになりました。
参考までに、我が家で冬眠して、冬眠中に死んでしまった地中海リクガメは一匹もいません。

あと、これは感覚的でしかないのですが、本来自然界で冬眠しながら生きている生き物を保温して冬眠させずに飼育すると、本来必要としている休眠期間を奪ってしまうことになるので、寿命が短くなってしまうのではないか?と感じています。
とある雑誌に“冬眠の科学”みたいな記事が掲載されていて、それは爬虫類の話ではなかったのですが、通ずるものを感じました。そこには冬眠のメリットとして、以下のようなことが書いてありました。

・放射線に強くなる。
・ガンに強くなる。
・細菌に強くなる。
・寿命が長くなる。

本当かどうか確かめようがありませんが、これは本当だろうと思っています。

あと、自分で勝手に感じている「冬眠のメリット/デメリット」を書き留めておきます。

【冬眠のメリット】
・食料が少なくてすむ。(コストや野草採集の労力が少ない)
・世話の時間が不要になるので少しゆっくりできる。
・長生きしてくれる。(と感じる)
・季節感を味わえる。(例えば、カラスノエンドウが芽吹く頃に冬眠から目覚めるというリンクを感じれる)

【冬眠のデメリット】
・冬眠中かわいい姿が眺められない。
・死んでしまうかも?と心配する(特に慣れるまで)※特に冬眠明けのタイミングは心配

地面に潜った時は落ち葉をのせておきます
落ち葉を詰めたコンテナボックス

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