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植物図鑑*ミツマタ

犬鳴峠

福岡市郊外、久山から筑豊を通って北九州へと抜ける峠越えの道がある。
犬の遠吠えが聞こえてきそうなこの地名から怖い噂話にコト欠かない。


この峠を下った山手の杉林を入って行ったところに、人には<秘密>の
ミツマタの群生地ある。
実は、私をこの<秘密>の場所に連れて行った友人は、知り合いから
<秘密>と言われてここに誘われたという。
そして、彼女は<秘密>の場所に私を誘ってくれた。
黄金色に輝くミツマタの群生は寂しい山奥の斜面にひっそりと守られていた。
ミツマタの季節、この<秘密>の場所に私も誰かを誘うだろう。


犬鳴峠に伝わる怖い噂話は峠を超える人たちを今日も震撼させている。

ミツマタは、枝が必ず三つに分かれるために「ミツマタ」と名付けられた。三枝、三又とも書く。中国語では「結香」(ジエシアン)と称している。
初春の3月から4月にかけて黄色い花を咲かせることからミツマタの花は季語。
樹皮は繊維質が強く、和紙の原料、特に日本紙幣の原料として重要である。
和紙はミツマタやコウゾなどの切り株から、約1年で生育する枝の繊維を原料としており、ミツマタで漉いた和紙は、こすれや折り曲げに強い特徴がある。


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